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【書評に出た本】2023年3月

3月に書評掲載された本を紹介します。

■モリス・バーマン【著】/込山 宏太【訳】『神経症的な美しさ――アウトサイダーがみた日本』

アメリカとの葛藤のなかで進んできた日本近代。その功罪の原因を探究する。
アメリカ型の拡張主義的な資本主義の限界を越える「ポスト資本主義」のモデルに日本はなりうるか?
禅、民芸、京都学派、アート、オタク文化など、広範囲にわたる文化事象を参照しながら、日本人の精神史をアメリカとの接触の中でどう変容してきたかをたどり、〈日本的なるもの〉の可能性を精査する。『デカルトからベイトソンへ』の思想家が贈る骨太の日本人論。

『週刊エコノミスト』(2023年3月21日号)「Book Review」に書評が掲載されました。評者は高橋克秀氏(国学院大学教授)です。

↓「日本語版序文」の一部試し読みができます。

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■佐藤 文香【著】『女性兵士という難問——ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学』

女性兵士は男女平等の象徴か?
戦争や軍隊は、どのような男性や女性によって担われ、
いかなる加害/被害関係を生起させているのか。
既存のジェンダー秩序を自明のものとすることなく、批判的に検証する。

本書では、この20余年のあいだに起こったさまざまな変化をふまえつつ、
女性兵士が果たすことを求められてきた役割とその効果に着目し、検証していく。

▶『Harper's Bazaar』 2023年5月号「WHY DON'T YOU? vol.9」(p.66-67)に著者・佐藤文香先生のインタビュー記事が掲載されました。インタビュアーは、大平修蔵氏(俳優、モデル、デジタルクリエイター、DJ)です。
月刊『We learn』(ウィラーン)(日本女性学習財団発行) vol.827(2023年3月号)の「ざ・ぶっく」(p.22)に本書が紹介されました。

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■近藤 祉秋【著】『犬に話しかけてはいけない――内陸アラスカのマルチスピーシーズ民族誌』

内陸アラスカではかつて「犬に話しかけてはいけない」という禁忌があった――。

本書は、マルチスピーシーズ民族誌と環境人文学の視点から、フィールドワークを通してアラスカ先住民の人々と「自然環境」との関わりを描く。
内陸アラスカ先住民の人々は、動植物や精霊、土地との関係性のなかで息をひそめながら暮らしてきた。「人間」が問い直されている今、彼らの「交感しすぎない」という知恵から「自然との共生」を再考する。

▶『読売新聞』 2023年3月25日(夕刊、6面)に近藤 祉秋先生のインタビューが掲載されました。
『図書新聞』 2023年3月4日(第3581号)(5面)に書評が掲載されました。評者は、山口未花子氏(北海道大学文学研究院准教授)です。

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■中森 弘樹【著】『「死にたい」とつぶやく――座間9人殺害事件と親密圏の社会学』

「死にたい」とつぶやいた者たちは、本当に死を望んでいたのか。
なぜ、家族ではなく、その外部に救いを求めたのか。
SNSに溢れかえる「死にたい」の声に、私たちはどう向き合うべきか。
『失踪の社会学』で颯爽とデビューした俊英による快著。

▶『静岡新聞』 2023年3月19日(29面・読書面)「本のしおり」に書評が掲載されました。
『ダ・ヴィンチ』 2023年3月号「ブックウォッチャー」に書評が掲載されました。評者は三宅香帆氏(書評家・作家)です。
『四國新聞』 2023年3月5日(19面・読書面)「ビズ・カル」に書評が掲載されました。

↓第1章の一部を試し読みできます。

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■田中 美佳【著】『朝鮮出版文化の誕生——新文館・崔南善と近代日本』

日本と朝鮮を結びつけた「出版」という知識の源泉――
朝鮮最大の知識人・崔南善の活動を中心に、近代朝鮮の思想・文化・運動を形作った「出版」の歴史を明らかにする。

▶『図書新聞』 2023年3月11日(第3582号)(3面)に書評が掲載されました。評者は渡辺直紀氏(武蔵大学人文学部教授)です。

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■ウンベルト・エーコ【著】/和田忠彦【監訳】/石田隆太・石井沙和【訳】/山本芳久【解説】『中世の美学——トマス・アクィナスの美の思想』

エーコの原点、待望の翻訳。
「暗黒の中世」像を打ち崩す、「美」にあふれた世界――。
1956年当時、ベネデット・クローチェら美学の大家らによって「中世に美学はない、一貫した美への関心はない」と言われていた。
そんななかウンベルト・エーコは研究者としてとりわけ思い入れの深い中世の思想家トマス・アクィナスの著作に向き合い、トマスのみならず中世思想の根柢には、一貫した「美の思想」が流れていることを明らかにする。

▶『図書新聞』 2023年3月18日(第3583号)(4面)に書評が掲載されました。評者は佐々木亘氏(鹿児島純心女子短期大学教授・図書館長)です。

↓「訳者あとがきにかえて」をnoteで試し読みできます

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■太田 奈名子【著】『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」——支配を生む声、人間を生む肉声』

「人間宣言」をしたのは誰だったのか?
GHQの指導のもと制作されたラジオ番組『真相はこうだ』『真相箱』『質問箱』『街頭録音』を分析し、アメリカの占領政策と「ウォー・ギルト」、そして戦後日本の民主化の内実を問いなおす。

▶『週刊エコノミスト』 2023年3月28日号「歴史書の棚」で紹介されました。評者は井上寿一氏です。 本文はこちら

↓本書に登場するラジオ番組の音声および動画をデジタルアーカイブとして紹介しています。

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■ナヒド・アスランベイグイ、ガイ・オークス【著】/安達 貴教【訳】『ジョーン・ロビンソンとケインズ――最強の女性経済学者はいかにして生まれたか』

20世紀を代表する女性経済学者、ジョーン・ロビンソンは、男性社会であるケンブリッジ大学の知識人のなかで、いかにして自らの地位を確立し、研究成果を認められたのか。ケインズをめぐる人間模様を、膨大な書簡から詳細に描き出す。ケインズ『一般理論』の形成、そして「ケインズ革命」を知る上で重要な一冊。

▶『毎日新聞』 3月18日(15面・読書面/今週の本棚) に書評が掲載されました。評者は松原隆一郎氏(放送大教授・社会経済学)です。 本文はこちら

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