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お別れブログ 久保領雄音さん


ちは!3年主将の永田隼一です。

今回でお別れブログは最後になります。面白いブログばかりで4年生が恋しくなりますね。

さて、今回僕が紹介するラストの4年生は慶應史上最速の漕手にして最強の主将、久保領雄音(レオン)さんです!

何で最速なのか?それはカヌーの短距離種目である200m、つまり最もスピードが必要とされる種目において、インカレ2年連続優勝という伝説的な偉業を達成しているからです。

初めて全国優勝した去年のインカレ

そんなレオンさんの最強な理由を僕なりに語って行こうと思います。長文ですが、最後まで読んで頂けたら幸いです。

1.最強のフィジカル

日本一を目指しやすいからという理由でサッカーからカヌーに競技転向したレオンさんは運動神経がとてつもなく良いです。あまりひけらかさないですが、サッカーもリフティングなどをたまにしているのを見ると、サッカーでも活躍していたんじゃないかと思ってしまいます。実際カヌーで日本一になってるのもすごいです。
そして、体の扱い方が上手いレオンさんはカヌーのフォームはもちろん、ウェイトのフォームも綺麗です。ウェイトの数値も常に部内最上位でした。
もともと大学に入る前はかなり細身だったそうですが、最終的にベンチプレスで150kgを上げられるほどの肉体を作り上げていました。毎回大会に行くと会場の偉い方から「君いい体してるね〜」と褒められていました。

Q.背中だけでレオンさんがどこにいるか分かりますか?



A.正解は左!真ん中はオフの度にビール腹になる遠藤!


こうした運動神経の良さから繰り出されるスタートダッシュにはとても迫力があります。スタートで先頭に立っていないレオンさんを見たことがありません。応援する側としてはスタートから先頭にいるのでとても安心して見れました。ただし、レオンさんには関西学院の酒井さんという好敵手がいました。その方は毎回最後のスパートが異常に速く、レオンさんも何度か負けているので決勝では酒井さんに抜かれないかハラハラしながら応援していました。

インカレラストレースを終えた酒井さんとレオンさん


2.精神的強さ 

レオンさんが最終学年になった際、長所として目立ったのはフィジカルよりもメンタルです。日本一になるために日本代表合宿に飛び入り参加したり、戸田に来ていたオリンピアンのコーチに話しかけて指導してもらったり、自衛隊所属の藤嶋さんに指導を依頼したりなど、もともと向上心が強いレオンさんですが、目標を達成してからもその向上心はなくなりませんでした。3年生の時に一度日本一を実現した後も、満足せずに4年生の目標として個人連覇とチームで優勝することを掲げ、見事に実行しました。誰しも一度強く願ってい夢が叶ったらそこで現状維持をしたくなるものです。成功したサイクルを捨て他のことにも注力しようとするのはとても勇気と根気のいることなんだと、僕は主将になってから改めて感じています。常に上を目指し、自分だけでなくチームも勝たせることに奮闘してくださったレオンさんには感謝しかないです。
200mの連覇に関しても、日本一を目指すのと、日本一の座を守るのとでは全く重圧が違うと思います。モチベーションも異なっていたと思いますが、周りからの期待も相当なものだったと思います。そんなプレッシャーがある中でもスタート前の桟橋で「優勝するから見とけよ」と言って、宣言通り優勝したレオンさんのメンタルの強さに驚きました。

3.こだわり

「神は細部に宿る」と言いますが、まさにレオンさんは細部へのこだわりを人一倍強く持っていました。例えば、1日の始まりはホットコーヒとベースフードと決まってました。朝早い時間帯から激しい練習に集中するためにはこの組み合わせが最適だそうです。また、試合前には必ず生魚を食べ、タンパク質を摂取しながら胃への負担を減らすそうです。
更にはアップの仕方や、試合前の掛け声、パドルの持ち幅やストレッチャーの仕様、4号部屋のベッドメイクなど様々なこだわりがありました。これらにもきっと理由があり、そうした細かなところにこだわりを欠かさずに実行しているからこそ自信があるのだろうなと思います。

レオンさんは自炊による栄養管理も行っており、夏前は練習が終わってからひどく疲れていても必ず艇庫の厨房で自炊をして徹底的な食事管理をしていました。
ただ、レオンさんの食事に対するスタンスはあくまでも「ストレスを溜めない程度に食事を管理する」です。というのもレオンさんは大のラーメン好きで、特に二郎マニアでもありました。冬の練習後、自転車で荒川の橋を渡って西台の二郎まで一緒に行くのが日課でした。今でも覚えているのが関カレが終わって艇庫に帰ってきた日の二郎です。台風が直撃しており外出すら困難な状況でした。しかし、レオンさんを筆頭にどうしても大会終わりに二郎を食べたい人たちで艇庫にタクシーを呼んで二郎に行くことに成功しました。あの時の二郎の味は忘れません。

*最近は後輩で二郎に行く人がいないので、あまり二郎には行かなくなってしまいました。そこで現在、ラーメンの良さが分からないと主張する宮本を最終的には二郎系ラーメンが好きになるまで奢り続けるという取り組みをしています。二郎を食べられないのは塾生失格ですからね。

4.主将として

レオンさんが主将をやると聞いた時正直不安でした。というのもレオンさんはチームに関心があるのか不安だったからです。ただ、チームの様々な問題に対して率先して改善し、時には悩みながらもその悩みを部員には見せずに、引っ張って行く姿は紛れもなく最高の主将でした。大会が終わってからBBQを企画し、自分は食べずにひたすら焼き続けて選手を労ってくれたこともありました。

OBの方々が差し入れして下さった高級肉
3時間くらい焼いてました

また、レオンさんは練習終わりに頻繁にマネージャーに話しかけて、コミュニケーションも欠かしませんでした。同期ミーツでも必ずマネージャーの意見を尊重していたそうです。普段マネージャーには感謝していても中々言葉にできる場面が少ないので、一部員としてこの姿勢は本当に見習いたいものです。

マネージャーへの感謝を表現するレオンさん

5.最後に

昨シーズンは乗艇からオフの二郎までほとんどの行動をレオンさんと過ごしていた僕ですが、思い返して見るとレオンさんと会ってからまだ2年も経っていないです。ただ、それでも長く一緒に居たと感じるのは練習でも私生活でもレオンさんを見習おうと思ってくっついていたからだと思います。それだけレオンさんは僕にとって憧れの存在であり、自分にはなることができない圧倒的な存在でした。

そんなレオンさんとの出会いを思い返してみると、最初は凄さよりも怖さの方が勝っていた気がします。これはカヌーが速い人に共通していると思うのですが、カヌーが速い人は眼光が鋭く第一印象が怖いです。ただ、話す機会が段々と多くなるにつれて、カヌーに対して誰よりも真剣な人だと感じるようになりました。更には僕や他の部員に対しても、多くの期待を抱いてくれるようになり、それを何度も口にして僕たちに伝えてくれました。そうした期待に応えようと思えるのはレオンさん自身のカヌーに対する情熱が人一倍強かったからだと思います。

去年の僕の目標は練習中に一本でもいいからレオンさんを抜かすことと、レオンさんとチームボートで優勝することの2つでした。両方とも達成できなかった目標でしたが、何よりもこの目標が僕の原動力となって限界を越えさせてくれました。真剣に競技に取り組んでいる人に対して、期待しながら理想の景色を夢見させてくれる、そんなレオンさんだからこそ僕も自分の限界以上の力を常に出し続けることができました。チーム競技であるフォアでレオンさんと準優勝できたことはとても嬉しかったです。一昨年のフォアで一緒に悔しい思いをしたからこそ尚更でした。ただ、決勝の舞台で沈をして優勝できなかったペアだけは今でも後悔しています。沈して泣いていた僕にレオンさんは「試合で泣くな」と言っていました。「試合で泣くくらいなら練習で泣け」と激励されたこともありました。来年は嬉しい涙で泣きたいです。今年果たせなかった、真の下克上を実らせるよう頑張るので、もし良かったらレオンさんも練習見に来てください!

4年間本当にお疲れ様でした!

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