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何が楽しくてマネージャーなんてやってるの?

こんにちは!慶應義塾大学體育會端艇部カヌー部門新3年マネージャーの野宮すずです。

これまで2年ほどマネージャーとして活動してきた中で、よく耳にした質問の1つに「何が楽しくて体育会のマネージャーなんてやってるの?」というものがあります。

「選手」には大会での成績や数値的な目標があり、自分自身が結果を掴み取るというゴールがある。一方で、「マネージャー」には数値的な目標もなければ、成長を表現する場も特にない。

サポートだけをして何が楽しいの?何をモチベーションにやっているの?と聞かれる機会が、意外とたくさんありました。 

大抵もう少し気を遣った言い回しですが。

実際、ひとことで答えられるような単純な質問でもないと思っています。とはいえ今まであまりに歯切れの悪い回答をしてきたので、少し考えて文章にすることにしました。

現在体育会部活のマネージャーをやっている人やこれから所属団体を選ぶ新入生、マネージャーという存在に関わる全ての人間に伝われば幸いです。

・マネージャーとして活動する価値

あえて体育会のマネージャーとして活動する価値。たくさんありますが、やはり大きいのは「情」を注ぐことのできる環境の獲得にあると考えています。

ここは一般論寄りの話にはなりますが、学生時代に大量に存在している選択肢の中で、そういった環境を得られるものって意外と希少です。

またこういう環境って、めちゃくちゃ得意なものや好きなものがある人にしか得られない特権みたいに思ってしまいがちですが、マネージャーの場合は違います。

むしろ、誰にでもできることを突き詰めてやっていくことが必要になるので、苦手に感じる事柄が多い人にも向いているのかも。

さらにマネージャーという仕事には、そこに副産物として事務作業のスキルだったり、大人の方々とのコミュニケーション、体育会生同士の横のつながりなどなど、そういうものがいっぱい付いてきます。寮生活を支える中ではちょっとした料理スキルも身についたり。お得ですね~。

しかし、私のモチベーションとなっているのは「居場所としての価値」や「スキルや人脈が得られる」みたいな実益の部分だけではありません。

・マネージャーとして活動するモチベーション

大学における「部活」という組織はスポーツにおいて、サークルなどの組織以上に高い結果を求めて活動に取り組んでいます。常に努力している人が周囲にたくさんいる環境に身を置くことは、それだけで大きな刺激です。

最初はそんな熱に圧されながらも刺激を受け、それがモチベーションのきっかけとなったように思います。組織の目標達成に貢献したい、組織の魅力を広く知らしめて部員数を増やしたい、と自然に感じるようになりました。

こうしてなんだか受け身とも捉えられるモチベーションに加えて、学年が上がり、仕事や部の運営の全体像が見えてくることで、新たなモチベーションも生まれます。

細分化するとなんてことのない作業のように思えた仕事も、組織が存続するために必要なものであることを改めて理解できるようになるからです。

それを理解した上で自分が組織にとって必要な役割を果たす努力をすることで、さらに情が生まれるという循環。また情を注げば注ぐほど、得られる副産物や自己成長はより大きなものになるという部分もモチベーションです。

しかしこれらはどんな組織でも成り立つものではありません。

私が高い熱量でマネージャー業務を行えている理由には、私の所属している端艇部カヌー部門という組織だからこそと感じる部分が多々あります。

・端艇部カヌー部門である理由

実際体育会部活の中には、すでに古くからの仕組みが完成しきっていて、その歯車の一端を担うだけの部活も正直結構存在しているでしょう。しかし、カヌー部門は絶賛向上中、変革中の組織です。

この6、7年だけで部員数や戦績が目覚ましく成長。他の組織と比較しても「自ら変化を提案できる風通しの良さ」が特徴的なカヌー部門では、組織に貢献しようと自分の頭で考えることがかなり大きな意味を持つと感じています。

また、寮生活という特殊な環境にも魅力があります。
練習環境と生活環境が密に接している、というか融合しているので、周囲の人間の努力がより身近に感じられ、自然なモチベーションのきっかけが生まれやすいです。

自分の仕事が周囲のモチベーションを左右することも実感します。だから自然と、ごはんとかはできるだけ美味しく作ろ~という気持ちになります。ごはん不味かったら私は元気出ないので。

あと単純に、カヌー部門で行う仕事内容のことが結構好きです。寮生活という特殊な環境にも付随しますが、誰にでもできる作業の更に上を行く、新しい経験ができるからです。

でっかい鍋で50人前以上の食事を作ったり、船を上に積んだバンを運転して遠征したり、今後は(まだ決まってはいませんが)小型船舶の免許を取ることになりそうだったりします。

全員が決まった定常業務をするだけでなく、各々が得意なことや好きなことに特化した仕事を行うことのできる環境でもあります。デザイン・広報分野に特化したり、データ管理や技術面に特化することも。

やりたいと思ったことや組織に必要だと感じたことに対してすぐに動き出せる機動力もとても魅力的だと思います。

とまあこのような部分を原動力としながら活動してきました。そんな私が2年間マネージャーとして活動してきて実際に得たものについても振り返ってみたいと思います。

・実際に端艇部カヌー部門で得たもの

PCスキルとか料理スキルとかはもちろん得られます。しかしこれらはあくまで副産物です。

前の見出しではカヌー部門のことを向上中・変革中の団体だと紹介しましたが、裏を返せばまだまだ変えなければならない部分がたくさんあるということでもあります。

そんな組織に身を置くことで、下級生のうちから組織に対して当事者意識を持ち、小さなことからでも改善を試みる癖が付きました。

そしてそれは全て、ひとつひとつの発信に対して真摯に応じてくれる先輩方や周りの人のおかげです。周囲への信頼度が増すことで、より一層発信することや考えることの意味を感じることができるようになった気がします。

そもそものマインドセットにも変化があったように思います。

特に信頼関係の構築は重要視するようになりました。他人との間に信頼を生むためには、「小さな成功体験の積み重ね」が必要不可欠です。たとえば時間を守ったり、感情に走ることを避けたり、丁寧な文書作成を心がけることだったり。

自分を律することがとっっても苦手な私も、体育会という環境で自分に厳しい人が非常に多い環境の中、どうにか信頼を積み重ねるべく考えて行動するようになったという変化が……と堂々と言いたいんですが、このnoteを書き上げなくてはならなかった締切は普通に過ぎてました。別のところでどうにか巻き返します。

・まとめ

ここまでで述べたように、自然と色んな角度からモチベーションや成長の機会を私に与えてくれるのが、「部活」という環境や「端艇部カヌー部門」という組織です。

様々な要素が絡み合いモチベーションが生まれ、それが自分のやりがいになる。自分がきちんとやりがいを感じられることに時間を注ぐのは決して「楽」ではなくても、「楽しい」です。

チームメイトのため、これから入ってくる新入生のため、そして自分のため。端艇部カヌー部門で過ごす4年間がより一層価値あるものになるよう、マネージャー後半戦、楽しんでいきたいと思っています。


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