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ガチ中華、身も心も委ねてしまって

こんばんは、今日もご覧いただきありがとうございます。
久しぶりにカレードリアなるものをお腹いっぱい食べた今日のお昼。
途端に眠気に襲われながらも忘れられないカレーなる体験でした。



今日の食日記

中華料理はこんなにも大衆化しているのに、どうしてここまで特別感があるのだろう。
僕の家はIHを使っているから、中華鍋を振り回せないからか?きっと間違いではない(高火力と致命的な油量が美味しさの決め手だ)

そもそも異国の料理。
中華料理は澱粉で閉じ込めたり、揚げ物や炒め物が多く、シンプルかつ大胆で、見た目も迫力が一際飛び出ている。

脂が多かったり、なかなかにワイルドで、胃もたれ不可避なんてお店も時々出てくるほどだ。
きっと、その異国感と内心ギルティーと思っている人が多数なここ日本においては、時々お腹いっぱいに頂く「あぁー、美味かった〜!」の目的地なのだろう。

そんな中華料理、今年トレンドとも言われている“ガチ中華”なるものが存在する。

その名の通り、まじの中華で、生々しいほどに熱苦しいのだ。
本場を感じられるとは、食体験においてものすごく貴重で、美味しさと、今この瞬間、ここで食べるからという付加価値がその美味しさの9割以上を占めている気がする。
実際500倍美味いのは事実だ。

いつまでもガヤガヤと千と千尋の世界観。
席は近く、何もかもを共有している気分になる(中華料理というのは、そもそも小出しされる料理ではない。大皿でてんこ盛り天国のように運ばれて、分けては食べるの繰り返し。美味しさをいつまでも共有できるというわけなのだ)。

言葉も通じなければ、なんとかメニューを注文し、1人ならば結局黙食で。至る所で中国語が飛び交い、日本にいても、いつだって中国旅行は簡単みたいだ。

そう、惜しみないほどにガチ中華なのだ。妙に孤独にはならず、こっそりジョッキをあげて乾杯だ。
このお店丸々とりわけ合おうじゃないか。

ガチ中華を染み込ませたかった。
煮物に落とし蓋を乗っけるように。じんわりとガチ中華を落とし込みたかった。


今日のお店

上野の老酒舗を目指した。


場違いが嬉しくなるこの外観よ

まあ、ごちゃごちゃしている。
お店の外までお店のような、その空気はお店の中を超え、外までバズーカの勢いで噴き出ているようだ。

これぞ日本の中の異国空間と言えようか。
もわっとした空気が立ち込め、店内は限りなくざわつきが広がる。

目の覚めるような勢いが、肌を一風した。
隅から隅までメニューが至る所に貼られ、とても整理されているとは言えない(中国語も混ざり、興奮する)。

中華街に降り立った、走り出したくなる好奇心に駆られる。

それにしても皆が自由だ。
相席なんて当たり前、気にする間も無くジョッキを担ぎテカテカの茶色の食べ物群を満面の笑みで頬張っている。

なんて欲まみれの場所なんだ。一人一人自然と解放してしまうのも分かる気がする(ガチ中華だ、、)。

相席の片隅、細々と座ると飲み込まれてしまいそうで、ちょっと無理をして姿勢を正す。勢いが大事だ、と部室のようなこの店で、自分でいなければ。

オーダーはフル中国語。
中国人の店員さんは日本語のメニューが読めないから、こちらがメニューに記載された番号を伝える。とてつもなく合理的で呆気に取られた(確かに、メニュー名をいちいち発さなくても、番号で意思疎通すればよっぽど早い)。

青唐辛子の卵炒めに焼き餃子を頼んでみた。
普通なのに、多分作ってきたフライパンとか油とか、そんな汗かきみたいなこれまでのシミが料理にひたひたに染みているのだろう。
一言では伝えられないし、きっと説明にはない歴史がそのフライパンを通じてスパイスとなっている。

惜しみない油加減もコク深く美味い。

もっちもちの餃子は、分厚く求肥のような弾力。半分皮で、でも肉厚がたまらなくって。

水餃子はニラと卵と海老を選んで、容赦ないニラ臭さがうますぎ。どよんと口が青くなる。

部室のような熱気は、刻々と増していく。
身体が中華の熱で火照り始める。

角煮の八角よ。しかも一つから注文できるなんて、、
思ったよりも味濃くなくて、癖になる八角の香りと程よいしっとり具合が、

このガヤガヤガチ中華にはとてつもなく繊細で。
また好きになってしまった。

熱気の中、人混みを這うように生き抜いたこのガチ中華。良い汗かいた、気分が爽やかでしょうがない。

抜かりないガチ中華は、気合いが必要だ。
度胸だっている。
でも、そこまでしても真っ向から挑みたくなる理由がある。そう、美味いから。

以上。乾杯。

美味しいひと時に、ごちそうさまでした。
では、また次回。




今日のお店:老酒舗(台東区 上野駅すぐ)



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