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愛を包んだ餃子のお店

おはようございます。
今日も食日記ご覧いただきありがとうございます。

30度を超える真夏日がやってきましたね。
まだ6月半ばということを考えると、梅雨明けは先ですが湿気か恐ろしい暑さかと思うと、気が滅入りそうです。

すでにさっぱりしたものを体が欲していることに気づき始めました。



今日の食日記

餃子には人々を虜にする魅惑の旨みが詰まっている。

焼き餃子に水餃子。
僕にとっては全く異なる食べ物なのだが、素材は一緒。

焼くか煮込むかで大きく強みが変わる食べ物は他にあるだろうか。

焼けばパリッと軽やかなサウンドを奏で、その音を聞くたびに食欲は無限に湧き上がる。ジュワッと口の中で肉汁が解け、噛むたびに味わって行く感覚。
食べれば食べるだけ食べたくなる焼き餃子に、この世に生まれてきてくれてありがとうと本気で思う時さえある。

と焼き餃子を賞賛していると、水餃子のつるんともっちり病みつきの喉越しを思い返す。すると途端に涎が出る。
ぶよぶよに伸び切ったとろんととろける水餃子は、音なんて奏でない。
ただその生地のジューシーさ、喉越しがたまらなく美味しくて、これまた食べるたびに食べたくなってしまう。

結局焼き餃子も、水餃子も結末は同じという理由だ。

素材は一緒。
そう言及したように、全く異なる食べ物と僕の中では定義しているが、そうではない。同じ結末に辿り着いたことを考えると、その素材に餃子の全てが込められているということだ。

餡作り、皮で包む。
それらが仕込みとするならば、そこには愛が包まれている。
それもとびきりの愛が。

僕も実家にいる時は、よく餃子を包んで餃子パーティーを開催していたものだ。
食べる人の笑顔を浮かべながら、一番は自分が頬張る幸福を考えながら包み込む。
愛をたっぷり包み込む。
誰もが無条件に美味しいと言ってくれるために。

そりゃ魔法のような魅惑のグルメになるわけだ。そう感心している。



今日のお店

ずっと行きたいと思っていた餃子のお店。

餃子の亀(たからと読む)は家から近い場所にあるのだが、水木金土お昼のみという難易度の高さから、なかなか伺えず悔しい思いをしてきた。

今日という今日の日は、昨夜の胃もたれもあり、ちょうどお昼にお腹の鐘がなるベストタイミング、ベストコンディションに至った。

よし、今日こそ亀の日だ、と。


これが亀のノスタルジック看板

すぐに列は目に入った。
灼熱の中、人々は列をなし、蒸し風呂のような店内カウンターの真ん中に一人70代くらいのママが切り盛りしているのが見えた。

カウンターは8席ほどだが、ひたすらに餃子を食うおじさんからお兄さん、地元のおばちゃんたちまで、地元民の憩いの場として人が溢れかえっていた。

店内に入り席についてからも、一人のオベレーションということもあり、2ターン分の提供を待ってようやく餃子にありつけたのは入店40分後。

それでも、少しの嫌気もささず、むしろハートフルな気持ちに満たされた。

これが亀が憩いの場となり、人々から愛される理由なのか、と。

熱々の店内は、今日は35度に迫っていたのではないか。
ただ、誰よりも汗をかき、丁寧に仕上げてくれるお店のママを見ていては、弱音なんて吐く気にもならない。

焼き餃子と水餃子、米とお味噌汁のみのメニューを、せっせと提供してくれるその熱い気持ちに、体感の温度は比例するように熱くなる。

カウンターを囲む人々は、少しでも協力できたらと、紅生姜を回し合い、お皿を丁寧に片付け、お会計はしっかりと計算してからママに渡す。
台拭きはセルフで。

そんなママを囲んだこの狭い店内に、平和の象徴を写し見た。

ママが丹精込めて作ってくれた焼き餃子に水餃子。
感謝の念を爆発させそうになりながら、一つ一つ噛み締めるように食べた。


焼きも水もマスト。選ぶという選択肢はない

水餃子にはたっぷりの生姜とポン酢、紅生姜とラー油を垂らすのが亀流の美味しい食べ方。
これが悶絶級に旨い。
もちとろっとした大きな粒は、サンラータンのようなさっぱりとした食べ心地。
とろんと口の中で解けると、ニンニクとニラの強い風味、肉の旨みがじんわりと広がる。
なんだこれは、、、ママの優しさとどこまでも凛々しい力強さがしっかりと内包されている!!

パリッと軽やかな焼き餃子も、歯応えが旨い。
香ばしいニンニクとニラの香りが立ち上り、噛むたびに旨みが溢れる。

絶品二刀流を味わいながら、半々々ライスなる(つまりは、普通盛りの1/8ということだろう。朝ごはんに食べたい茶碗一杯分くらいの量だった)白米をかき込んだ。

愛ある物語をみた。

なぜここに人が来るのか、来たくなるのか。
ちょっとお茶しにくる、ご近所づきあいの感覚で餃子を囲む文化がこのお店にはある。

そして、ママは目一杯の愛をその餃子に込めて、汗をながしながら提供してくれる。
愛を包んだ餃子の店が近所にあってよかった。
なんせ餃子が好きだから。

ママ、末長くよろしくです!
しっかりと目を合わせて心で再訪を告げて店を出た。


美味しいひとときに、ごちそうさまでした。
では、また次回。



今日のお店:餃子の亀(栃木県那須塩原市共墾社79−5)



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