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「何もできない」という人は、スキルの言語化をサボっているだけ!

つい先日、仲の良い友達がアメリカ赴任から帰国しました。

彼女は大手企業でキャリアを重ね、憧れだった海外赴任も数年間経験し、帰国後も海外と仕事をする部門で働くそうです。

大学時代から英語を使う仕事を目指していた彼女は、希望のキャリアのど真ん中を歩いているようにも見えました。

そんな彼女と今後のキャリアについて話しているポツリと「私には胸を張れるスキルがないから…」とつぶやきました。

いやいやいや!バリッバリのバリキャリじゃん!

と突っ込むと、「英語もまだまだ上達させないといけないし、仕事の規模が大きいから自分一人でできることもないし…。希望しない土地に転勤になった時に続けられる保証もないから、先が見えなくて…。」と悩んでいる様子。

確かに、大手ゆえに個人の裁量が少なく、自分のキャリアをデザインしにくいという点では閉塞感があるのかもしれません。外からは見えない悩みも色々とあることでしょう。

私はブルゾンちえみの口調で彼女にこう伝えました。

「いい!?確かに、エンジニアとか調理師とかドライバーみたいに、何ができるのか分かりやすい職種もあるよ!」

「でも、ほとんどの会社員が“わかりにくいスキル”を使って仕事をしてるの!」

「会社の中にいると、どんなスキルを発揮しているのか言う必要がないから、ほとんどの人が言語化できてないのね。」

「現状、それで困らないなら言語化しなくても構わないけど、転職や独立をしたり、将来のことを考えるのに必要なら、がんばって言語化してみようよ!」

「スキルがない」と悩む会社員は多い

これ、彼女に限った話じゃありません。

かなりの総合職、一般職の方が、「これといったスキルがない」と悩んでいます。

専門職、技術職の方がその類の悩みを抱えているのはあまり聞きません。

総合職採用でも、WEB関連、法務、人事、経理、広報、クリエイティブ職あたりの方は、「自分のスキルはコレ」と自信がある方が多いようです。

私の印象だと、営業、事務、総務など職種の方に、悩んでいる人が多い気がします。企画系だと、1人で進行するタイプの企画職より、大きな仕事をチームで行う人の方が悩んでいるようです。

でも、彼らが言う「これといったスキルがない」って、本当なのでしょうか?

今の日本は、完全なる窓際族って絶滅傾向にあると思います。会社に何の貢献もせずに仕事をしているふりだけしていられるほど、余裕のある会社ってもうありません。(もし、本当にスキルゼロ貢献ゼロで給料がもらえているなら、それはそれで周囲に好かれる才能か何かが優れまくっている気も…。)

自覚していないだけで、誰もが何かしらのスキルを発揮しています。

言語化ができていないだけです。というか、言語化する必要に迫られていないのをいいことに、言語化することをサボっているだけです。

自分の職種を言語化してみよう

どんな仕事でも、本質を抽出してスキルを言語化することはできるはずです。

例えば、営業職はどうでしょうか。

「営業くらいしかできません」なんて、自虐交じりに謙遜している営業の方、結構多いんです。

もしかしたらふた昔前くらいまでは、客先に出向いた回数、交際費を使った額、ゴルフと接待の満足度で、受注に繋がったりもしたのかもしれません。でも、今、そんな営業スタイルって主流ですか?そんなことないですよね。ひたすら足を使う、接待しまくるだけではないはずです。

どのクライアントも、もう馴染みがあるからという理由だけでは発注できません。相見積を取って、どの提案が優れているかを定量的・定性的に評価して、内部に説明できる形でないと、採用しにくい時代だと思います。

業界の変化も早く、最新の情報を得るのも一苦労。

現代の営業はめちゃくちゃ頭を使っています。

対人の折衝力やプレゼンテーション能力、傾聴力などはもちろん発揮しています。

自社の商品知識自体はほかでは役に立たないかもしれませんが、その商品やサービスに共通する知識や、市場の知識は外でも使えます。

最適な提案をするための情報収集能力、分析力も必要です。

社内の関係部門をまとめる調整力や、全体の進行をスムーズに行う計画力も大切です。

営業と言うと「売る」点に意識が向きがちですが、実はさまざまなスキルを複合的に使っていると思います。

営業職の方が複業をはじめようとすると、ついつい「売る力」を活かすことばかりに目が行きますが、たとえば要点を整理するのが得意なのを活かしてプレゼン資料の作成代行をする、市場の知識を紹介するブログを立ち上げる、みたいな働き方だってできる訳です。

言語化の参考になるキーワード

一人で言語化するのが難しい場合、既存のフレームワークや理論を調べてみてください。

スキルを「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」に分けた「カッツモデル」や、厚生労働省が推進する「ポータブルスキル」などは参考になると思います。ぜひ調べてみてください。

また、現在の仕事だけで考えにくい場合は、気になる職種や業界を複数挙げたうえで「ここならどんなスキルを活かして働けるかな?」とブレストしてみましょう。

キャリアに関する「共通言語」はまだまだ発達途上なので、自分にぴったりの言葉が見つからず、苦戦するかもしれません。

でも、逆に言えば、自分と同様にスキルの言語化ができていない人の方が多いので、ちょっと上手に表現するだけで、格段に「できる人」になれます。

転職の予定はなくても、自分のスキルに自覚的になることは、自信につながります。

日頃の業務の中で「今どんなスキルを使っているのだろう?」と考える癖をつけてみませんか。

パラレルキャリア研究所代表 慶野英里名

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