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広めたい日本文化
私は以前から茶道に興味があった。
たまたま母が通っていたカルチャーセンターの短歌教室に先生がいらして紹介してもらい、お教室に入った。
お稽古は、先生がゆったりとした方だったのでお着物でもなく、客になる時は正座ができない私に牛乳パックで作られた椅子を提供してくれた。
牛乳パックが椅子になるなんて!と初めて知って驚いたが、教員をしてた母によるとよく作ったと言う。
これは先生の小さなSDGs。今うたわれていることを考えると、先生早くから取り入れてたのね。
お茶の世界では学ぶことはお点前だけではない。
襖の開け閉め、畳の歩き方、正座からの立ち方と様々。
一回驚いたことがある。
「おとこ」。
先生、急になんで男性の話をし始めたの?と思ってしまった。
そうしたら床の間を「お床」と言っていたことが判明!
なんてお上品な言葉遣いなんだろう。
そのお床に飾られるお軸も茶花もお茶の世界では覚えなければならないものの一つ。
私が通っていたのは裏千家。とってもクリーミーな泡をたてる。
逆に表さんは泡をあまりたてない。
これも通って知ったこと。
許状にも驚いた。
私はてっきり一つのお稽古の修了後にお家元からいただけるものかと思っていたがその逆で、ここまでのことを教えてもいいですよ、という許可の許状だったの!
こうして始めた裏千家。数多くあるお点前。
季節ごとに違うため、年に数回を毎年繰り返し覚えていく。
季節によっても炉を使う時期と使わない時期とがあり、それによって道具の扱い方も違ってくる。
使う炭でさえ、炭点前というものがある。
本当にお茶の世界は奥深い。
先生の教室はそれだけではなく、お喋りも楽しかった。夏の時期には決まって紫蘇ジュースを、炉開きの時は粟餅を出していただいた。とても美味しくおかわりしたいくらいだった。
イメージとして、お茶というとお着物を着て厳しい先生を抱いてきたが、普段着でよく、ただし、神聖な場所を汚さぬようにと白い靴下だけは履き、気楽な気持ちでお点前を学んだ。
そこに流行病。
肺疾患を持つ母が怖がり休学することに。
だからずっと過去形で語ってきた。
先生は日本に茶道という文化 を広めたい、という信念で意欲的に幼稚園や施設でボランティアとして、お茶を点てる。
若者にもっと興味を持ってもらいたいと言われる。
母くらいのお年の先生。
私も早く復活して、茶道教室が開けるくらい習得したい。
そんな小さな目標の話。
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