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Vol 2. ★力強さと輝きを増す アフリカン  アーバンミュージック          古い価値観を頑固に守ろうとせず、柔軟な頭と広い心でいた方が世の中、楽しく、平和になる。

 アフリカの大都会の都市化は結構、進んではいるが、ほとんどはいまだインフラの整備が充分でない。西アフリカだけでも電気にアクセスできない人口は1億5,000万人以上だという。経済的にもインフレがひどく飲み物一つ買うにもすごい量の紙幣がいるし、通貨の流通が滞っている国ではひどい時は銀行に現金がないということでお金を引き出せない時もある。だいいちみんな銀行口座なんて持ってない。そんな中、徐々に仮想通貨が利用されるようになってきている地域もある。そういう意味で実際アフリカは、近代化が行き届いてない分、逆に一気に飛び越えて最新のテクノロジーが入り込み余地があるとも言える。

そんな アフリカの都会で今 一番人気のある音楽が、アフロアーバンミュージック、アフロエレクトリックミュージックなどと言われる最新のアフリカンミュージックだ。2019年には、初めて?大きな ”アフリカン アーバン  ミュージック  フェスティバル”が、スイスで開催され、アフリカのいろいろな国から今をときめく?アーティスト達が集まった。もちろん アフリカ大陸での人気は今や何万人もの観客が動員される一大コンサートとなっている。またその一方で、地元では、若者達が壊れかかったようなパソコンやステレオ、マイクなど中古の機材をストリートに出してきてラップ大会のようなこともあちこちで行われている。途中 機材が故障したり、突如 停電になったり、かと思えば近所のおばさんが文句言いに来たり、ポリスが取り締まり、いや賄賂を請求しに来たりと数々のハプニングを交えながら夜な夜なライブは続けられたりと、なかなかこれまた、アフリカローカルな感じがたまらない!

 そして、ヨーロッパでも、各地に広がっているアフリカの移民達もそれぞれの地で新しい音楽を作っている。例えば、アンゴラの”Kuduro”は、リスボンで。ナイジェリアの“Afrobeats”やガーナの”Azonto”などは、ロンドンで。コンゴやカメルーンなどのフランス語圏の国々はカナダやヨーロッパのフランス語圏の国々に広まっている”Afrotrap”など。と言う具合に、自分達のルーツであるアフリカとヨーロッパをミックスさせ音楽を作るなど、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸が音楽を通し行き来し、繋がっているのだ。欧米社会のクラブシーンも新しいものを求めているので、それは欧米各地のクラブへと広まっていった

 そして、今では DrakeKendrick Lamarに代表されるようなアメリカのラッパー達もこぞって、ナイジェリアのWizkidOlamdeなどアフリカのミュージシャン達をフィーチャリングしたり、最近ではBiyonceが南アフリカのGgomを取り入れていたりと、彼らを通し世界に広まっていく。こうして、やっとアフリカンミュージックもメインストリームに堂々と登場してきたのだ。
こうして、それぞれが独自の動きをしながらも、いろんな国のアーティストが交錯し、相互作用を起こし成長しながら新しい音楽の世界を作っている。
 
 古い方法、考え方、価値観を頑固に守ろうとせず、柔軟な頭と広い心でいた方が世の中、楽しく、平和になると言う訳だ。何百年も昔、連れて来られた奴隷達が新しい土地で音楽を生み出していったように、今ではアフリカン達が新しいアフリカの音楽を世界に散らばっている兄弟達と共に新しい音楽を発信しているのだ。そして、それは力強さと輝きを増しているように思う。
   
 ★CAMEROON 


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