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5年間勤めたホワイト企業を卒業してフリーランスになった理由

「会社員からの、卒業だね。」

最終出勤日、同じ部署で働いていた嘱託社員のおじさまに言われた。
私は、5年間勤めていた会社を退職した。

私が勤めていたのは、中小のIT企業。
管理部門に所属し、契約関連の事務職をしていた。

会社の業績は、順調。
実直で真面目な社員さんが多く、残業時間は法令遵守内。女性の産休育休の取得率は100%で、ワーママさんも多い。給与はそれほど高くないが、決算賞与は毎年出ていた。

私にとっては3社目に勤めた会社だった。その前の勤務先は、立ち仕事が一日中あったり、月80〜100時間の長時間残業があったりした。また、出張続きで1週間家に帰れないことも少なくなかった。今までの仕事は、とにかく『体力勝負』だった。
その影響で体調を崩すことがしばしばあり、30歳になる頃には体力の限界を感じ、内勤OLに憧れるようになった。

だから、事務職をスタートさせた時は、幸せだった。

時間に追い立てられることなく、決められた仕事を椅子に座ってコツコツこなす。定時になったらチャイムが鳴り、デスクを片付けて家路に着く。残業はほとんどなく、土日休み。友人や家族と過ごす時間が多くなり、私生活を楽しむ余裕も生まれた。
世間一般では、普通のことなのかもしれないけれど、少なくとも当時の私にとっては、素敵な職場環境だった。

徐々に仕事に慣れてきたら、積極的に改善提案をしたり、チームが円滑に動くためのコミュニケーションをとったりするように努めた。システムチームと連携して自動化と業務の整理を進め、元々2名体制だった業務を1人で完結できるようにもした。

特別楽しくはないけれど、苦でもない。息をするような感覚で仕事をしていたが、だんだん漠然とした不安感を覚えるようになった。

今までの『体力勝負』の仕事は、自ら勉強することが必要だったし、業務の中での学びも多かった。お客さんや仲間から感謝されるやりがいもあったし、自分が成長している実感があった。

もちろん、事務の仕事でも学びや進歩がゼロではない。でも、次第に物足りなさを感じるようになった。事務という仕事の性質上、業務は基本的にルーチンワーク。自身の頭で考えて行動することが少なくなっているようにも思えた。漠然とした不安は、次第にキャリアが前に進んでいない恐怖へと変化していった。

恐怖から逃れるため、私は行動した。

まず、Webスキル習得のために、キャリアスクールに入会した。平日の日中は事務の仕事をし、夜と土日は自身の勉強をするようになった。

キャリアスクールは、前向き女性が集まるコミュニティだった。自分の将来について真剣に考えて、未来を切り開いていくためパワフルに行動している人達ばかりだった。

日常は忙しいものへと変わったが、充実していった。
周りの仲間たちがどんどんキャリアチェンジしたり、副業を始めたりしていく環境は、とても刺激的だった。

自分の未来は自分でしか変えられないと肌で感じたし、自分自身も社会の中で「やりたいこと」や「できること」を考えるようになった。
スキルを学ぶために入会したけれど、自己肯定感アップなどマインド面が変化したことほうが、私にとってはプラスだったように思う。

次第に、コンテンツやコミュニティに興味を持つようになった。
勉強していくうちにさまざまなコンテンツにであうことがでたし、自分で作っていく人にも出会うことができた。ワクワクするコンテンツは魅力的だし、できるならば関わってみたい。

また、自身の今までを振り返ってみると、誰かのお手伝いをして、感謝を述べられることに強いやりがいを感じていた。
あと、自分ではあまり意識したことがないのだが、私には『巻き込み力』があるらしい。これは世話好きの母譲りの気質だと思う。

これらの理由から、素敵なコンテンツを作ったり、仲間が楽しくコミュニケーションを取れるようなお手伝いする仕事をしたいと思うようになった。

次のステップとして、私は副業をはじめた。

自ら応募したキャリアスクールのカウンセリング業務と、知人の紹介のライティング業務をスタートした。また、副業ではないが、興味のあったコミュニティ運営を3ヶ月お手伝いさせてもらう機会も得た。

キャリアスクールでスキルを習得したことと、自己肯定感が上がったことより、案件に手を上げやすくなったように思っている。

気がつけば、不安に駆られることもなくなっていた。それは、行動し続けていれば、必ず結果がでることを、周囲を見て知ったからかもしれない。

コンテンツについてもっと知るために、オンラインサロンにも入会した。
さらには今年に入り、縁あってオンラインサロンのコミュニティマネージャーの仕事も決まった。

カウンセリングの仕事も、コミュニティマネージャーの仕事も、とても楽しい。今まで、仕事をしていて楽しいと思ったことは一度もなかった。好きな人たちとやりがいを持って仕事ができていることは心底嬉しくて、大事にしていきたい、と思った。

私は、5年という区切りで会社を退職することに決めた。
これからは、時間を切り売りするような仕事ではなく、楽しく働きながらキャリアを積んでいけるような仕事をしたい。
幸い、夫にも理解が得られた。

キャリアスクールやオンラインサロンで、会社員以外の人がたくさんいた影響も大きい。多様な働き方に触れるうちに、会社に属さない働き方をしてみるのもいいのではないか、と思うようになった。

今後は、コンテンツとコミュニティを軸に、今まで関わってきた「食」に携わる人たちと一緒に仕事をしていきたい。

最初の一歩は、すごく勇気がいることだ。
でも、行動することで確実に未来は変わる。

これからも、一歩一歩進んでいきたい。

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