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エンゲージメントツールとペーパーモデリング

こんにちは。イギリス(スコットランド)にある大学、The Glasgow School of Artでサービスデザインを勉強している大倉です。

先日、リサーチで利用するツール(Design Artefacts)とペーパーモデリングについて習いましたので、忘れないうちにそれぞれの概要を書き留めておきます。 ただ、まだ私の理解が浅い部分があるので、異なる解釈とかもあるかもしれませんが、あくまで私が理解した範囲で記録を残しておきます。

デザインリサーチや、サービスデザインについて興味がある方やイギリスへのデザイン留学に興味がある方のお役に立てば幸いです。

エンゲージメントツールとしてのArtefacts

ワークショップでのコミュニケーションを円滑にしたり、リサーチの際にユーザへの理解を深めるために利用するツールをDesign Artefactsと言います。イメージしやすいものだと、ジャーニーマップ、Miro、カード、付箋などのツールがあります。

Design Artefactsの種類

2つの異なる分野をつなぐ架け橋としてのツール(Boundry Objects)と人の考えを目に見える形にするためのツール(Knowledge Artefacts)があります。

ツールを使う目的

1. ワークショップで利用する(Generative tools): ワークショップなどで新しいアイデアを創出するための補助ツールとして利用する。ワークショップで付箋を使ったり、シートに記載してもらったりすることで、互いのアイデアを共有しやすくし、コミュニケーションを円滑にします。また、アイデアをツールを利用して表現することで、互いの視点のズレをなくす目的もあります。

2. 文脈を理解するためのリサーチで利用する(Cultural Probes): 初期段階のリサーチで利用するツール。ユーザーに日記や写真などを通して記録をつけてもらうことで、文脈理解をする。一人のユーザーに対してツールを送ります。しばらく記録をつけてもらったら、そのユーザーとデザイナーさんがツールを見ながら話をし、文脈理解を深めます。

↓Cultural Probesについてわかりやすく説明しているYoutubeです

ワークショップで使うツールはなんとなくイメージが湧いたのですが、Cultural Probesについてはあまり経験や知見がなかったので、最初はイメージが湧きませんでした。 これだけ長い時間をかけてユーザーと信頼関係を気付きながら、彼らの視点や環境を理解すると、新しい気づきが色々あるのだと推測できます。海外で行うリサーチや、かなり特殊な環境にいるユーザーのリサーチ、そして時間をかけられる場合に使えたら面白そうですね。

また、倫理についての話も多くありました。プライバシーの保護のための施策や、同意書、センシティブな話をする場合は専門家をつけるなど...。守られた状況に参加者を置くことで、参加者もオープンに話しやすくなります。直接関係ないように見えますが、大事なポイントです。

ペーパーモデリング

紙で立体物を作るワークがありました。ペーパープロトタイプということで、紙に殴り書きでプロトタイプを描く、というのはやったことがありましたが、立体物を作るというのは初めてでした。

ただ、作ってみて思ったことは、たとえ簡素な紙であっても、文章だけよりビジュアルがある方がメッセージが伝わりやすいということです。また、生徒の中には本当に紙で作ったの?というぐらいすごい作品を作っている人も...(さすが美大)。低コストでどこにいても簡単に形にすることができ、作りながら考えることもしやすいので、紙ってすごいと改めて実感しました。

ペーパーモデルのテーマは、未来のシナリオ、都市 というお題でした。初めは早くて安い交通機関があったら...というテーマで考えていましたが、作っているうちに、安くて早い交通機関と、精度の高いVRがある未来がきたら、あなたはどっちを選びますか?というテーマになりました。そのような世界で、実際に人に会うことの意味ってどうなるんでしょう。Zoomの授業があったり、色々な国にいる友人や同僚と連絡を取る中で、ふとそんなことを思ったのでした。そして...もっと表現力を磨きたいです。

完成品

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そんな感じでいい刺激を受けています。 今のところ授業は少しゆっくりですが、これからどんどん忙しくなる模様。時間があるうちに、生活に慣れたり、楽しんだり、色々勉強を進めたりしていこうと思います。きっとあっという間の1年なので、気合入れて進めます!


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