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【1年間の学びのまとめ】別のキャリアからスタートアップのデザイナーになるということ

ANKR DESIGNに入社して、そしてUXデザイナーという肩書きで仕事をするようになって、1年が経ちました。

(入社時に書いた記事はこちらです)

この1年は本当に変化が多い1年でした。2019年の私は、こんなに多くの変化があるとは想像もしていなかったでしょう。

コロナ禍の影響で、どの人にとっても今までと異なる1年だったと思います。私にとっても、コロナ禍に加えて、転職と大きな転機を迎えました。10000人規模の人材系の企業から10-20人規模のスタートアップに転職をし、新しい業界、そしてそれまでの営業などではなく、新しい職種にチャレンジした1年でした。

あっという間の1年だったので、忘れないうちに、UXデザイナーとしての仕事内容、リモートワークでの働き方、そしてスタートアップ環境で働いて気づいたこと……などを書きとめておこうと思います。

他の職種からデザイナーにキャリアチェンジしたい方や、スタートアップで働くことに興味がある方、他の職種・業界からみてデザイナーの何が興味深いかを知りたい方、リモートワークのヒントを得たい方、そしてANKR DESIGNが何をやってるのか知りたい方……などの参考になったら嬉しいです。

ANKR DESIGNのデザイナーは何をしているのか?

ANKR DESIGNはアイデアを形にすることを得意としている会社です。特に強みとしては、フワッとした企画段階から開発まで一気通貫で仕事ができることや、最新の海外の知見や実績があること、デザインリサーチやプロトタイピングの専門知識や実績があるところ、そしてデザイン会社でありながら、エンジニアリングへの深い知見があるところだと思っています。また、ユーザー目線でありながらも、その周辺環境(ビジネス面や影響を及ぼす人々のこと)も考えながながらデザインをしています。

ANKR DESIGNのデザイナーが関わるお客様やその業種・業態はかなり多彩です。また、実際の業務でも求められる範囲が広くなっています。私が実際にやっているのは、デザインリサーチ、プロトタイピング、UIデザインなどです。

例えば、アプリの新規開発や改良、もしくは業務改善や組織の方向性を見出すためのデザインリサーチをします。具体的には、インタビューや観察、そのインタビュー結果からのインサイト抽出などです。

アプリやプロダクトを作る場合はリサーチの結果をもとにプロトタイプを作成します。プロトタイプはLo-FiからHi-Fi(簡易なものから精度が高いもの)で作っていきます。初期段階のものは非常にラフなものが多く、10-15個ぐらいプロトタイプを作ることもあります。プロトタイプを作っている最中にユーザーテストを実施し、プロトタイプをより良いものにしていきます。

また、UIデザインもやっています。プロトタイプや今あるアプリを元にUIを作っていくという仕事です。色、フォント、マージンなどがちょっと変わるだけで見え方が全然変わってくるので奥深い仕事だと感じます。

そのため、デザイナーといえど、開発面を考慮することが求められますし、海外案件にアサインされたり、英語の資料を読むということもあります。常に勉強が必要ですし、柔軟性や広い視野を持つことも大切です。勉強のために、本を読むことも多いです。

デザイナーにキャリアチェンジしてよかったこと

課題解決をする仕事、アイデアを形にする仕事をしたいと考え、キャリアチェンジをしてみて、今までとスピード感や業界の雰囲気が違うため戸惑うことも多いのですが、やはり自分にはこっちの方が合っていると思うので、思い切ってキャリアチェンジをして正解でした。IT業界なので働き方の柔軟性は高いですし、常に勉強が必要な分、専門性やスキルが高まっていくところも自分の市場価値を高められるという点で魅力的です。

事前のオンラインコースでの勉強、普段からの学びのストック、その学びに対する考察の書き溜め、そして本を読み、考察をシェアすることなどで、未経験だった職種でも現在では実業務に支障がない程度にはキャッチアップ出来てきているのかなと自負しています。

また、営業や他の仕事での経験も役立っています。例えば、案件のハンドリングやインタビューなど、コミュニケーション力が求められる場合に今までの経験が役立ちますし、大手や中小で営業や事業推進などの職種で働いていたために、場合によっては相手の置かれている状況を想像できるという点も活かせていると思います。例えば、営業の人と話すときは営業の話がよく分かりますし、管理部門の人と話をするときは、社内でその人が置かれている状況を想像できます。

元々人と話をしたり、人を理解すること、そして問題の根本的な原因が何なのか?を見つけ出すことが好きだったこともあり、人材業界で働いていました。デザイナーとしても、ユーザー目線で考えることやインタビューの機会があります。仕事を通して、「人を理解する」ということ、インサイト抽出などを通して、その問題の根本を見出すこと、そしてそれを形にし解決することをできていると感じています。

また弊社の場合は海外との繋がりもあるので、業務で英語に触れる機会があったり、そのような案件に関われたり、社内で海外の話ができる……というのも嬉しいです。

それでは、実際に働いてみてどうだったのか。ここからは、この1年で得られた気づき・学びを3つのトピックで書いていこうと思います。

デザイナーの仕事の進め方について得た気づき

前職では営業や事業推進など、コミュニケーションや効率性、数字を強く求められる仕事をしていましたが、デザイナーになってからはアイデアを形にするという異なるスキルも求められるようになりました。私にとって新しい気づきだったことはこの2つです。

■まず、手を動かす、とにかく多くアイデアを出すことが求められる
デザイナーという職業と今までの仕事で一番違うと感じたのは「まず、手を動かす」というところです。それまでは、「考えてから作る」ということが多くありました。ところが、デザイナーという職で働くようになってからは、まずとにかくアイデアを数多く出すことを求められるようになりました。

それは、明らかに違う...と思うアイデアでも、とにかく紙に書き出していくことで、そこから新たなインスピレーションを得ることができ、良いアイデアにつながっていく、ということです。
アイデア出しの段階では、完成形を出すことや、ロジックを考えるのではなく、とにかくまず可能性を洗い出すことの大切さを学びました。

■異なるバックグラウンドの人たちと一緒にデザインすることが求められる
クライアントもリードデザイナーもジュニアデザイナーも、全員がデザインのプロセスに参加するというのも、新しい働き方だと感じました。

それぞれ異なるバックグラウンド(異なる立場、異なる経験)を持つ人々が、デザインを作るプロセスのディスカッションにフラットな立場で参加することで、新しい視点でデザインをみることができるようになるのです。
前職までの働き方だと、クライアント側に「完成物」を提案し、意見を聞くということが多くありました。また、立場的にも言えること、言えないことがありました。一方、デザインディスカッションではクライアントも含めてフラットな立場でディスカッションをします。

デザイナーとして働くようになってからはより一層、自分の主観や意見を伝えると同時に、他の人の考えや主観も尊重し、その背景を理解することも大切なのだと学びました。

スタートアップで働く人に求められること

前職は1万人規模の従業員がいる会社で、その前に在籍していた会社も100人規模の会社でした。10-20人規模の会社で働くことは、今までのどの会社で経験したこととも違う働き方でした。1年スタートアップで働いてみて、必要だと感じるスキルはこの2つです。

■スピード感を持って、多くの種類の仕事をこなすことを求められる
大手との一番の違いは、何よりも仕事のスピード感ではないでしょうか。新しい仕事が急に入ってきたりと、大きな会社にいる時よりも早いスピードで仕事のやりとりが行われます。仕事内容もデザイナーだけでなく、営業、PR、リサーチなど、幅広い仕事があります。

コミュニケーション手段も大きく変わりました。前職まではメールや電話で連絡をしていたのが、ANKR DESIGNではSlackになり、よりスピーディーでかつフラットなコミュニケーションをとるようになったと思いました。社風によると思いますが、大手企業に在籍していた時よりもう少しフラットな立場で働けています。その分求められる責任は大きいですがそれもスタートアップならではかなと思っています。

デザインスタジオなので、やってくる仕事も毎回新しい発見があります。常に勉強が必要で常に新しいことがあるので、大変な面もあります。それでも、ありがたいことに日々楽しく仕事をできていますす。

■とにかくやってみて、困ったときは助けを求めることが大切
やったことがないことでも、機会をいただけたら前向きにチャレンジしてみるようになったと思います。例えば、PR、ウェビナーの運営、プロジェクトのハンドリング等初めてのことばかりではありますが、とにかくやってみて、わからない時や困ったときは周りの人に助けを求めることで、できる仕事の幅も増えていると思っています。

常に、「自分にできることは何か?」という視点を持つということも意識するようになりました。とにかく、未知数のことやわからないこと、初めてのことが多いので、その中で自分は何ができるのか?と考え、できそうなことに対して手をあげるようになったと思います。例えば、営業資料作成や、インタビュー等は前職の経験を活かせますし、それ以外でも、イメージが湧くものはチャレンジしています。このように、役職に関係なく、柔軟にいろいろな仕事に挑戦させてもらえるのも、スタートアップならではだと思います。

こうして振り返ってみると、様々な仕事を体験したい、若手やジュニアレベルでも大きな仕事を経験してみたい、早いスピード感で変化があることが好きな人にはスタートアップは居心地が良いのではないでしょうか。

リモートでの働き方・考え方について得た学び

昨年弊社で実施したリモートワークに関するリサーチでもありますように、リモートワークの特徴として、相手が何をしているかわからない、必要なコミュニケーションしかしなくなる、仕事とプライベートの境界線が曖昧になる...…などがあげられます。1年間ほぼリモートで働く中で、その辺りをどう工夫しているかについても書いてみようと思います。


■仕事を共有することの重要性
リモートで働くようになってから、その日にやったこと、翌日にやりたいことを共有するようになりました。その日にやったことや翌日にやりたいことを共有することで、上司や同僚も目の前にいないその人の状況や仕事量を把握しやすくなるからです。「翌日の予定をリストアップする」については、リモートでない場合もやっていました。その理由は、元々朝が弱いので、朝起きたてだと何をするのか思い出せないということもあるからです...。翌日にやりたいこともその日のうちにリストアップすることで、仕事の後は仕事のことを忘れられ、仕事とプライベートを切り分けやすくなります。翌日も起きる時間だけ把握しておけば、心配なく仕事に取り掛かれます。

仕事の共有方法としては、スラックにそれ専用のチャンネルを作ったり(その日にやったことと翌日にやりたいことだけをかくチャンネル)、asanaというツールを使って業務管理をしたりしています。

■自分が何をして、何を学んだかを可視化することによる効果
リモートで働いていると、家という環境に身を置いているためか、そして、一人で働いているためか、どうしても、仕事をしている!と言う気持ちになりにくい時もありました。そこで、自分は仕事してるのだろうか...?とふと、疑問に思ったときは、その日にできたことのリストアップをし、それがどう会社や同僚、クライアントにとって役立っているのかを書き出すようにしています。失敗についても、どういう経験をし、その失敗から何を学んだのか?を書き出す...…ということをしています。また、上記で書いた、その日にやったことのリストアップは、「仕事の共有」だけでなく、「自分は仕事をしているんだな」と実感するためにも良いと思っています。(逆に仕事をあまりしていないな、ということも可視化できるので、サボり防止にもなります)

振り返ってみると、リモートワーク禍で、自分で自分を管理することもこの1年で試行錯誤し学んだと思います。

■雑談をすることの意味
リモートワークではついつい雑談の機会が減ってしまいがちだと思います。私自身も、初めは人と話す機会が減ったな...…と思っていました。この状況を打破するために、最近は、社内ミーティングなどで同僚と話す機会があれば、仕事の話だけでなく、雑談をするようになりました。弊社ではdiscordを使っており、ちょっとしたことでも話しかけやすいです。リモートで雑談が減ったことによって、仕事中の雑談が同僚との関係性を良くし、仕事をスムーズに進める効果があるのだな...…と実感しました。

今後も、オンラインランチなどの機会をもっと増やしていけたら良いなと思っています。


今後の目標

今後はUXデザイナーとしてだけではなく、UIデザイナーとしても能力を伸ばしていかなければと思っています。日々の生活の中でデザイナーの視点でアプリを使う、良いなと思ったWebサイトはストックしていくなど、ちょっとずつスキルを培っていきたいです。
今後の予定としては、9月よりサービスデザインを学びにイギリスの大学院へ留学予定です。海外の視点でデザインを学び、会社にももっと還元できるようにしていきたいなと考えています。

ANKR DESIGNと仕事をしてみたい、どんなことができるのかもっと詳しく知りたい!という方は下記までお気軽にお問い合わせください。


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