見出し画像

トレジャーガーデンナーサリースクール (宝の園のこども園)(2)

大切な出会い

心の成長と「心と心」の関係

高校時代、私は高校に非常勤で来られていたカウンセラー、井上麻耶子先生(現在、日本フェミニストカウンセリング学会代表理事)に出会いました。
彼女は、アメリカのシカゴ大学で1年間聴講をされて帰ってこられたばかりでした。この出会いについては、また詳しく後で書くことがあると思います。とにかく私は感化され、将来はセラピスト/カウンセラーになろうと密かに思っていました。

高校では、母の希望もあって理系の大学受験の勉強をしていました。母は私に、経済的に自立できるような職業、例えば薬剤師、栄養士、、などを勧めていて、そのためには理系の勉強をという流れでした。でも、私の強みは、文系。国語なら、全く勉強しなくても大抵満点に近い成績でした。
「自分の得意なことをしないと、どんなに努力してもうまくいかない」という経験をして、さらに在学中に病気になった母のお手伝いと、遠距離の通学(往復3時間)で時間が余分に取られて、という言い訳付きで、国立大学への受験勉強は失敗に終わり、「数学、化学、国語」で受験できた私立の女子大学に、入学を決めました。自宅通学で、奨学金と家庭教師のアルバイト料を足せば、自力で卒業できるめども立っていました。偏差値で言うなら、難易度の高い大学で、卒業後教師になる人も多い大学でした。

それにしても、「なぜ、この大学なんだろうか」。自分で入学を決めたものの、100人以上の女子大生と大講義室で講義を受けながら、「何か理由があって、私は今ここにいるにちがいない」と外の新緑を横目に考えていました。

教育心理学は、畠瀬稔教授の授業でした。奥様の直子先生と稔先生は共にクライアント中心のカウンセリングを提唱したアメリカのカール・ロジャーズ氏のもとで学び、「ロージャーズ全集」(全18巻)を友田不二男・伊東博・堀淑昭・佐治守夫・村山正治(敬称略)らと共に翻訳・編集して、ロジャリアンのセラピーを日本に伝えました。今でこそ「傾聴」や「クライアント中心」のカウンセリングはカウンセリングの前提条件のようになっていますが、私の中では、「この先生から学ぶためにこの大学に来たのだ」と思いました。

『グロリアと3人のセラピスト』の映像は、心理学を学ぶ人には有名なビデオですが、セラピストの手法の違いなどがよくわかり、相談者を分析せず、傾聴して、真摯に心と心でむきあっていく、カールロジャーズの接し方に、感銘を受け、多くを学びました。