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73.今までにない経験をさせてくれた本のタイトル


夏休みです(息子が)
高校生ともなると友達とでかけるほうが断然楽しいわけで、家族でどこかへ行くということもあまりしなくなるわけだけれど、珍しく全員の休みがそろったので久しぶりに家族ででかけた帰り道、夫がふらっと本屋に立ち寄ったので、私も息子もあとに続いたのでした。

ちょっと歩くだけで汗が噴き出る猛暑な昨今、
涼をとりつつ、各々が気になるジャンルのコーナーをうろつく。


そういえば以前、本屋にいくと自分が手にすべき本が光って見える(本自体が光って見えるのかタイトルが光って見えるのかは忘れたけれど)というはなしを聞いたことがある。

残念ながらわたしにはそういう能力はないので、普通にぱっと見て惹かれたタイトルの本に手をのばすことが多いのだけど


あやうく一生懸命いきるところだった

このタイトルを見た瞬間、まるで時が止まったかのように本を手に取ることもなく、ただそのタイトルだけを見つめてそこに突っ立っていた。


うまくいえないけど、びっくりしたというか衝撃だったというか、、、
だけど、なぜかふっと肩の力が抜けるというか、気が楽になったというか、、とにかく自分の中の窮屈で淀んでいた部分に新しい水や空気が入ってきて清々しくなった、そんな感じがした。


と同時に、

え、まって(笑
一生懸命生きるって素晴らしいことじゃない?

わたしの「あやうく」なイメージって、おっとあやうくそうしちまうとこだったぜ、いけないいけない、、みたいな感じなんだけど、一生懸命生きるに「あやうく」ってつけちゃうんだ!?

わたしが推しているグループは、デビューする前から血のにじむような努力を欠かさずしてきて、ワールドワイドなスターになった今だって一つ一つのステージやダンス、コンテンツに一切手を抜かないし、真摯に音楽を作り続けてる。

どんな環境や境遇であっても、ひたむきに一生懸命に生きる彼らの姿に感動して、彼らに恥じないよう、自分も自分の場所で一生懸命生きようって思ったんじゃなかったっけ?

ガンになって手術から目が覚めたとき、目を覚ますことができたんだから、残りの人生を一生懸命生きようって思ったんじゃなかったっけ?

そう思って過ごしていた自分だって間違ってないはずじゃないか


なのになんでこんなタイトルに救われた気になってんの?それにまだ、言うほど一生懸命生きてないじゃん

って自分に問いかけてるわたしもいた。



ああ、そうか。

一生懸命生きるって素晴らしいことだ。
そうしようとするわたしはそのままいていい。

だけど、ものすごく秀でたところも、なんのとりえもないわたしができることなんて「一生懸命生きることくらいしかないんじゃん?」

そういう前提でそれをするのはちがう
そっちはもうしなくていい

あやうくそうして生きていこうとするところだった。


気づいたら夫も息子も本屋から出て外で待っていたので、今回は購入に至らず(ハ・ワンさん、ごめんなさい)、、、というわけで著者がこの本を通して伝えたかったことと私が感じたことは全然違うのかもしれないけれど、

タイトルだけで自己認識させる、という初めての体験をさせてくれた本なので、近日中にちゃんと買って読みます(笑)


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