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TM NETWORKが思い出させてくれた、人生を豊かにする記憶のしくみ

こんにちは。人生・キャリア・ビジネスをリードし続ける大人のコーチ、小川恵子です。

2024年の挑戦として、毎週note(ブログ)を更新しています。私について、もしよければこちらのnoteもどうぞ。

さて、では今回の内容です。つい盛り上がりすぎて前置き長めです。共感してくれる40代後半〜の方がおられたらとても嬉しいです。

最近(2024年5月時点)、「シティーハンター」という昔の漫画が実写化されて、Netflixで放送されているそうです。

私は小学生の時に、少年ジャンプでシティハンターの原作漫画を読んでいました。
人気のある漫画だったのでテレビアニメ化もされ、リアルタイムでみていました。懐かしいです。

このテレビアニメの主題歌がTM NETWORKのGet Wildでした。

TM NETWORK、一時期よく聞いていたんですよね。
小学校高学年から中学生前半くらいでしょうか。

TM NETWORKご存知の方、または時々リバイバルヒットするGet Wild好きな方おられたら、こちらのバージョンおすすめです。映画バージョンとは異なる2022年のものですが、とんでもなくかっこいいのでぜひご覧ください

時代に合わせてこんなふうにアレンジできる小室さん、すごい。
ってか、ただ立っているだけで、しかもシルエットだけでかっこいいってすごい。もはやずるい。

もうこのブログもずっとTM NETWORKを聴きながら書いているんですけどね。(まったく筆が進みません。)

懐かしさのあまりYouTubeを徘徊しているうちに、GetWildからのSelf Controlにたどりつきました。

この曲は1987年2月のリリース。37年前の映像ですが、まったく古さがないのがすごいです。

変化のとても早いこの時代を生きる私たちに大人の心に響きます。
最後の『let yourself free for it.』というメッセージもいいですねぇ・・

余談ですがこのSelf Control。つい先日、こんなプレイリストも作ってここにも堂々とはいっています。

子供の頃、このSelf ControlやTM NETWORKの映像をテレビの歌番組などで見ていたはずなのですが、私は全く印象に残っておらず、まるで初見のようにワクワクしながら観ました。

さらに、楽曲のほうも曲のメロディやサビの部分ばかり覚えていて、それ以上の思い出は特に何もなかったのです。

でも37年後の2024年、51歳になった今聴くと、とってもいい歌詞だなと感じたんですよね。

で、ここからが今回の本題です。

全く同じ曲を聴いているのに、時が経つとこんなに感じること、受け取るものが違う。これって不思議なことだなあと改めて思ったのです。

人生経験を重ねてきた我々大人は、年齢の分だけさまざまな記憶がある。
この不思議な記憶の仕組みをわかっておくと、どんどん増えていく人生の体験と、その体験に紐づいた記憶を、さらにじっくり味わうことができるのではないかと思います。

そこで今回は、あらためてこの記憶の仕組みについてと、この仕組みの活用事例のひとつとして、職務経歴書への活用方法についてもお伝えしていきます。


変わらない「記録」と、再評価され続ける「記憶」

TM NETWORKの古い曲を聴き直した私に何が起きたのか、それは「記憶の再評価」でした。

ここでまず、似た言葉で「記録」と」記憶」の違いについて確認しておきましょう。

「記録」とは、変化しないものに残っている情報です。
紙に書いたメモや保存された動画データなどが記録です。
YouTubeでいつ誰が聴いても同じ、TM NETWORKの曲も記録ですね。

一方「記憶」とは、人の心に残っているものです。
子供のころに見ていたシティハンターや、TM NETWORKの曲のこと。
こういうものが「記憶」として私の心に残っていたのです。

私たちの記憶というものは、YouTubeの音楽データを再生するのとは違って、毎回同じではありません。
人が過去の記憶を思い出すとき、思い出すその時自分でもう一度、記憶をしなおしているのです。

私たちは日々、新たな人生経験を積みつづけているので、子供の頃の自分よりも多くの情報や経験を持っています。

そのため過去の記憶を思い出す時、今の自分が、当時の記憶に新たな解釈を加えて、記憶をしなおしていっていることになります。

これが「記憶の再評価」の仕組みです。

子供の頃、特に思い入れのなかった曲の歌詞。
大人になってから同じ曲を聴くとき、自分の過去の記憶に今だからこその解釈を加える。

昨日あった嫌なことも、一晩寝て起きて、翌朝コーヒーを飲みながら思い返すと、「まあ、そういうこともあるよね」と思えたりする。

こんなふうに日々、記憶の再評価は起きているものなのですよね。

もちろん仕事でも起きています。

私が新入社員の頃、仕事で大きな失敗をしたことがあります。
そのとき、当時の上司にこっぴどく怒られて悲しかった記憶がありました。

20年後、自分が上司の立場になって、メンバーがミスをしてお客様のところに謝りに行く時、この新入社員の時の記憶を思い出しました。

あの時の上司も、お客様に謝りに行く時一緒に来てくれていたのです。

当時は、「一人でも行けるのに」と不遜な態度をしていた私ですが、今思えば、新入社員を一人でお客様のところに行かせるわけにはいかないですよね。

帰り道に上司からいろいろ言われた言葉も、怒られたと受け取っていましたが、今思えば私の成長を願ってのことだったんだなと思えました。

これも記憶の再評価の仕組みが働いていたのです。

活用例:記憶の再評価の仕組みを応用して、職務経歴書に差をつける

この記憶の再評価の仕組み。
人生経験を重ねきた大人の私たちだからこそ、活用のしがいがあるように思えてきませんか。

そこで、意識してこの記憶の再評価の仕組みを活用してみる具体的な例として、職務経歴書への応用の仕方をお伝えします。

私はキャリアカウンセリングの資格を取得してから14年以上、かなりの数の職務経歴書も拝見してきました。

職務経歴書とは、転職の際などに履歴書と合わせて応募企業に提出する書類です。自分の仕事の経歴や具体的な職務内容などを記載するもので、選考の際に使われます。

いざ、作成しようとネットで検索すると、年表のようなフォーマットがたくさん出てきますよね。

いきなりこのフォーマットに合わせて書いていく人も多いのですが、私がキャリアサポートをさせていただくときには、まず下準備をします。

それは記憶の再評価の仕組みにくわえ、より具体的に当時のことを思い出して「職務経歴書に体温を宿らせる」プロセスです。

仕事、キャリアというものはあなたの人生の一部です。

転職をするからといって、仕事のことだけに限定して職務経歴書を書こうとすると、あなたの人生の一部分だけを参照していることになり、すごくもったいないんです。

仕事をしているときも、あなたの人生では実にいろいろなことが起きていたはずです。
仕事以外のさまざまな人との関係性の中で、そして社会の大きな動きに影響も受けながら生きていたはずなんです。

だからこそ、職務経歴を思い起こす時、「あの頃の自分の人生の中の仕事、どうだったのだろうか」と人生全体の視点で考えるほうが、より多くのことを思い出せるし、一気に体温の宿った生々しい記憶として蘇るはずなのです。

すると、「◯◯◯を達成した」といった事実の記述にとどまらず、その目標の達成が自分の人生に及びした影響という意味合いも見つけることができます。

まあ、まずはやってみてください。
以下に下書き用のサンプルと手順を書いておきますね。

このまま提出はしないように!あくまで下書きですよ

1)まず、年表形式、事実ベースで職務経歴を書き出していきます。
 
たとえば、「2010年に本社の営業部で、売上高で対予算200%を達成した」などでいいですね、

2)その横に、「誰と、どのように」という列を追加します。

  当時の営業部は何人くらいチームだったか。
  チーム内の自分の役割な何だったか。
  上司や同僚、後輩はどんな人たちで、どのような関係だっただろうか。
  よく覚えているお客様。印象的な契約。
  その時期に仕事をしながら自分が感じていたこと・・

できるだけ詳細に、がポイント。嫌いな上司とかも思い出したい。

 「誰と、どのように」というキーワードで、より具体的に当時のことを思い出すことができます。

3)さらにその横に、「当時人生で何が起きていたか」という列を追加します。
 
ここには仕事以外のこと、2010年当時の自分や周囲の環境について思い出します。

 当時よく聴いていた音楽。
 よく読んでいた漫画。
 付き合っていた人たち。
 社会で起きていた出来事。
 家族の状況。 

だんだん生々しくなって体温上がってきます。それでいいんです。

あなたの人生で起きていたことを思い出すと、そのような人生の状況の中で仕事に向き合っていた自分というものを、少し俯瞰した視点で思い出すことができます。

年齢を重ねるのが楽しみになる

記憶の再評価。
これは私たちが生きている限り、成長し変化し続けていることによって、特に意識しなくても自然に起きていることです。

ある出来事が起きた、という事実は変えることはできません。
記録として残ります。

でも私たちはその出来事が起きたという体験のあとも、生き続けて変化し続けています。

だからこそ、当時の記憶を思い出して、どう感じるか、どのような解釈を加えて、どの様に捉えるかは毎回違います。

前述の、私の新入社員時代の失敗の記憶のように、過去の失敗も、時が経てばあの失敗のおかげで今があると思えたりすることが起きるのです。

もしかしたら逆に、いままでうまくいった成功体験だと思っていたことが、10年後振り返った時にあらたな解釈が加わり、実は喜ぶ自分の陰で大切な人を傷つけていたかもしれない、と思い至ったり。
そんなほろ苦い思いをすることもあるかもしれませんね。

このようなことが起きていると思うと、日々起きているひとつひとつの出来事を大切にしたいと感じます。

本当にやりたいこと、挑戦したいことはやっておきたいものです。
その結果がどうであれ、私たちには行動したという体験が残るからです。

TM NETWORKのSelf Controlだって、数年後にもう一度聴き直したらきっと、また別の気持ちになるだろうと思います。

なんだか、年齢を重ねることが楽しみになってきますね。


ブログのアーカイブはこちらの私のサイトからご覧いただけます。一生懸命続けていますので、お時間ある時にのぞいてもらえると大変うれしいです。


音声で聴きたい方はVoicyのミアビータチャンネルからどうぞ。今回は音声配信後にかなりこのnoteに加筆しています。

それでは来週の更新もお楽しみに!

最後まで読んでいただきありがとうございます。もしよかったら、感想や気づきなど残していただけると励みになります。