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3ステップで「前提」を書き換えて、可能性を解き放つ

前回のnoteで、前提は思考や感情、行動に大きな影響を及ぼすと書きました。

その後、noteを読んだりVoicyを聴いてくださった方から、「前提が大切なのはわかったけど、具体的にどのように前提を書き換えればいいのか」と質問をいただきました。

そこで今回は、自分の持っている前提を書き換えるための方法を書いていきます。

「前提」に縛られて、行動できなくなってしまう状況は、誰もが一度は陥った経験があるのではないでしょうか。

人生経験を積んできた私たち大人が、これからのキャリアや人生をさらに充実させるためには、いままでの経験から信じるようになった「当たり前」や「前提」を見直すことが、新たな可能性を見出すための鍵になります。

前提に縛られて思考停止し、行動ができない事例

これまで同じ会社に30年勤めてきた、50代前半の管理職のある方がこんな悩みを持っているとします。

「会社の業績が厳しくて、早期退職か、または降格して子会社に出向することを勧められているんです。
でも、この歳で他の仕事なんて見つけられるとは思えないし、いまさら転職なんて考えられない。
まだ家のローンもあるし、降格や収入が減ることを我慢して耐えるしかないかなって思っています。」

切実な悩み

この方の言葉には、ひとつの大きな「前提」が隠れています。

それは、「50代の転職は難しい」というものです。

だから「いまさら転職なんて考えられない、耐えるしかない、と思ってしまうのですね。

しかし、この前提を疑うことなく受け入れてしまうと、現実を変えるための行動をしなくなるため、この前提の通りになり、自らキャリアの可能性を狭めてしまいます。

もしこの前提を手放すことができたら、この方のキャリアにはどんな可能性が広がるでしょうか?

このようなケースでどうやって前提を書き換えるのか、3つのステップでご説明します。

Step1:前提の理由を深掘りして、ブレーキをゆるめる

最初のステップは、「なぜその前提を持っているのか」を深掘りすることです。

この方が「50代の転職は難しい」という前提を持つに至った経験や情報はどんなものだったのでしょうか。

「求人サイトを見ても、若い人向けの求人がほとんどだった」
「同年代の友人が転職先がなかなか決まらず、かなり苦労していた」

あるあるです

このような事象があると、自分も転職は難しいと思うのも無理はありませんね。

それに加え、自分の経験が他の会社で通用するかどうかわからないという恐れの気持ちや、転職に失敗して恥をかきたくない、こんな気持ちもあるかもしれません。

大切なのは、この前提を持つようになった理由を深掘りしたうえで、あらためて「本当に自分にも当てはまるか?」と問い直すことです。

実際、50代で転職に成功して、活躍しているひとも大勢います。

前提を深掘りすることで「そういう人が多かったというだけで、自分がそうなるというわけではないのだ」と、気づくことができます。

「50代の転職は難しい、以上!」という凝り固まった思考停止の状態から抜け出して、行動のブレーキを緩めることにつながります

Step2:「as if」の質問で視点を変え、可能性を広げる

次は「As Ifの質問」を使って、新しい視点から可能性を広げていきます

「as ifの質問」とは

「もし〇〇だったら?」と仮定することで、自分の思考の枠組みを取り外し、別の視点から物事を考えたり、イメージすることができるようになる質問のひとつです。

コーチングでもよく使います

「もしも」という言葉で、いままでの前提を手放すことへの抵抗感やストレスを取り除くことができます。
たとえば、こんな質問が考えられます。

「もしも、あなたが会社の社長なら、あなたという人材にどんな仕事を任せたいと思いますか」

あくまで、もしも、という話です。「だって社長じゃないし」みたいな、現実的な考えは一旦脇に置きます。

また、真面目に考えすぎるよりも、ちょっとした遊び心も発揮するとさらに発想が広がり、今までと違う視点から、自分の置かれた状況やキャリアを考えることができます。

今の会社とは別の環境で、これまでの経験が存分に活かせるのだとしたら、ずっとやってみたいと思っていたことに挑戦するチャンスになるかもしれません。

実際、30年以上のビジネス経験は、若い世代には到底追いつけない大きな強みです。

こうして「50代の転職は難しい」という前提を、「50代だからこそ価値を発揮できる場所がある」という新しい視点で書き換えることで、可能性を広げていくことができます。

Step3:スモールステップ&スモールサクセスで現実を動かす

今まで持っていた前提から抜け出し、as ifの質問で視点を変えて、新しい前提に書き換えることができたら、実際に行動を起こしていきます。

私がいつもお伝えしているように、「あなたの現実を動かすのは、あなたの行動だけ」だからです。

たとえばすぐできることとして、このようなことが考えられます。

・自分の経験やスキルを整理し、どこにどんな価値があるのかを書き出す。
・LinkedInやSNSで同年代の転職成功事例を探し、参考にする。

このようなスモールステップであれば、大きなリスクもないですしコストもかかりません。

行動すれば成果が得られ、スモールサクセスを積み上げていくことができます。

スモールステップとスモールサクセスを積み重ねることで、「自分にもできる」という自信が得られるようになっていきます。

前提の力をより活用していくために

ところで、前提の書き換えって、思っている以上に自分に大きな影響を与えるものなのです。

いままで自分の家の見取り図をみていたのに、世界地図に持ち変えるくらいのインパクトがあって、物事の見え方がかなり変わります。だからつい、思い切った行動を起こしたい気持ちにもなります。

もしもスモールステップではなくいきなりビッグステップ、たとえば勢いですぐ会社を辞めてしまったりなどの大きな行動を起こすとどうなるでしょうか。

それでもなんとかなる可能性ももちろんあります。

ただ、転職に限らずですが、何も準備せず勢いで行動すると、準備不足でチャンスを逃してしまう可能性が高いですよね。なにより長年勤めた会社、そんな辞め方はしたくないものですよね。

新たな可能性を育てていくためにも、特にキャリアに関わる前提を書き換えた時は、スモールステップ&スモールサクセスを積み上げていくことをお勧めします。

この3ステップで前提を書き換えて、理想のキャリア、理想の生き方の実現に向けて、新たな行動を起こしてみてくださいね。


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Voicyのミアビータチャンネルで毎週土曜朝8時のパーソナリティを担当しています。
音声配信後、内容を加筆修正して作成しているのがこのnoteです。Voicyのほうもぜひ聴いてみてくださいね。


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小川恵子
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