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沖縄の唄三線、アキサミヨーなこと 【唄三線 ≡ ましゅんく節】

アラフィフのある日、近所(都内)を歩いているときにどこからか三線の音色が聴こえてきて、
「そうだ、三線を弾こう!」
と突然思い立った私。
ネットで三線を扱う店を調べた次の日には、新宿のちんだみ三線店へ出向き、お値ごろ価格の三線を注文していた。
それが、2019年の夏の終わりごろ。
以来、地元での三線仲間との出会いや、宮古島出身と本島出身の二人の師や教室仲間にも恵まれ、日々楽しく三線に触れている。
せっかくなので、沖縄民謡に触れて思ったこと、感じたことを書き留めておこうと思う。

さて、

唄三線を習い始めて知ったのは、沖縄の民謡は「身もふたもない歌詞のものがけっこうある」ということ。
よく言えば、万葉集的な大らかさに満ち満ちており、
悪く言うと、今日的こんにちてきにはコンプライアンス的にダメなやつが多い。

あの独特な音階と、ほぼ外国語なウチナーグチ(沖縄言葉)で唄われているもんだから、異国の音色に身をゆだねていい気分で聞いちゃうんだけれど、では、どんな意味なのかしらん、、、とよくよく調べてみると、
「ええっと……今、なんて?」
と聞き返してしまうようなことを唄っていたりするのだ。
ウチナーグチでいったらアキサミヨー(あきれて驚いているときの言葉)な感じかしら。

ただいま練習中の「ましゅんく節」も、そんな唄。
マシュンクとナビィという二人の女性のことを1番で唄っている。
歌詞はこんな感じ(囃子・繰り返し部分、略)。

 ましゅんくとなびとみくらびてみりばよー
 (訳・マシュンクとナビィを見比べてみたら)
 ましゅんくやうしゅさなびやちゅらちゅらさよー
 (訳・マシュンクは見劣りがしてナビィはたいへん美しい)

これは、、、中学生男子が、
「お前1組の正代と奈美だったら、どっち? やっぱ正代はイマイチだよな。奈美、マジ可愛い❤」
と言うのを高らかと歌い上げているわけで、、、

「ええっ、そんな唄だったのぉ?!」と、脱力しましたわ。

しかも、マシュンクの名のついた唄なのだから、このあとマシュンク挽回の歌詞が来るのかと思いきや、「垣根の上にヘチマの花が咲いて実が生ったら彼にあげたい」とか「式部官の家で若い男女が集っていちゃいちゃしてる」とか「畑の野菜で作ったなますと麦飯が一鉢ずつ、あとお偉いさんがもってくるのは饅頭」など、ダイナミック?な展開があって、気がつけば、「あれ、マシュンクはどこに?」という感じ。
なかなかにミステリアスな妄想を呼ぶ唄なのだ。

ましゅんく節の訳には諸説あり、ましゅんくは土鍋でなびは鉄鍋のことだとか、ましゅんくは男だとかいった解釈もあるそう。
とはいえ、唄の意として公にとられられているのは「マシュンクはイマイチ、ナビィは美しい」で、舞台となった伊江島の歌碑を紹介する地元・伊江村のサイトでもこの訳が採用されている。つまり、まぁ、これでいいか、とたいていの人が納得して、民謡として親しみ、後世に唄い継いでいるいうことだ。

『源氏物語』の雨夜の品定めの昔から現代の修学旅行の夜の恋バナまで、いつの時代も異性の品評会は人の世のお楽しみ。
まぁ、民謡だし(苦笑)
って感じでよしとしているのを、「ルッキズム容認歌かーい」とつっこみを入れつつも、しょうがないなぁ、と一緒に苦笑しながら唄ってしまう50代の私である。
つっこみを入れられる今の世に感謝もしている。

三線をはじめた当初はBEGINの歌やポップスが弾ければいいかなと思っていたけれど、沖縄の民謡、知れば知るほど面白い。なんというか、人間の”性”と言ったら、大げさかしら、思ったことをそのまま唄にしちゃってる「あけすけさ」が面白いのかな。

そんなことを想いながら、
「ウネシュクテントゥンテン」(←囃子)
と今日も練習している。



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