見出し画像

育休明けの私が感じたデザイナーとしての「ゆるやかな死」

クラウドファンディング事業の会社「CAMPFIRE」でデザイナーをしている、お塩さん(@oshiokeiko)です。
昨年の10月に第二子を出産し、今年の4月に職場復帰をしました。
育休から職場復帰して仕事に取り組む中で感じた挫折感。そして葛藤している今をありのままに書きました。

育休明けに感じたデザイナーとしての「ゆるやかな死」

モンブランさんがnoteで2018年に投稿された記事ですが、ご覧になったことありますか?

要約するとインプット&アウトプットを怠るとデザイナーとしての能力は枯渇していく。デザイナーたるものインプット&アウトプットを怠るな。という内容です。

なぜ私がこの記事をとりあげたかというと、4月に育休から復帰した私が、まさしくデザイナーとしてのゆるやかな死に直面した(している?)からに他なりません。

最初のデザイン業務で感じた枯渇感

私は2019年10月に第二子を出産。2020年4月に職場復帰しました。
自分の中では「子どもも2人授かったし、これからは自分のキャリアを立て直す!」と仕事やってくぞモード全開。しかし、最初に取り組んだデザイン業務でこれまでに無い感覚を覚えます。

「あれ...課題の整理が上手にできないな。。」焦り初めて手を動かします。「あれ...うまくまとめられないな。。というかアイデアでないな。。」

育休明けだから仕方ない。感覚がまだ戻って無いんじゃない?こう思う人もいるかもしれませんが、私は自分の中の課題解決力や表現するセンスがポッカリなくなってしまったような...枯渇して干からびてしまっているような感覚を覚えました。

その時、このモンブランさんの「ゆるやかな死」の記事を思い出しました。

不妊治療からの妊娠、そして出産

独身時代はデザイン制作会社で働いていました。総合代理店(電通や博報堂)からの下請け業務で午前様な毎日。でも成長を感じて楽しんでいたように思います。

その後、結婚。夫の仕事に合わせて仕事を辞め宮崎に移住します。そして、なかなか子どもができないことに悩みはじめます。

不妊治療も開始しました。

不妊治療はメンタル的に不安定になることが多かったように思います。治療に取り組んだからといって確実に成果が得られるものではありません。友人の懐妊報告を素直に喜べなかったり、そういう自分に自己嫌悪に陥ったり。

デリケートな分野なので夫婦の価値観をすり合わせる作業も神経を使いました。"体を整える"ことに主軸を置き、デザインに向き合う労力を一旦下げることにしました。

責任重大そうなデザイン業務は極力避けていたように思います。
デザインはある程度の経験をつめば"見栄え"をよくすることは簡単です。そうやってなんとな〜くいい感じにデザインこなす日々となりました。成長とか課題に向き合うとか、真剣に考えていたのかな。。見栄えをよくすれば喜んでくれる人はそれなりに多くいるので、そこである程度の満足感を得て、日々を過ごしていたように思います。

そうこうしているうちに、めでたく懐妊。

第一子出産後は、念願の子どもだったこともあり、仕事より育児を優先していました。そしてありがたいことに第二子妊娠。そして出産。

そしてふと考えます。自分このままの仕事の向き合い方でいいのかな...。
ずっと感じていた違和感。これまで子どもを優先してきたけどほんとにそれでいいのかな...。

コーチングなども活用し掘り下げていく中で、やはりデザイン業務に真剣に向き合いたい。そう決意し育休から復帰しました。

しかし5.6年もデザインと真剣に向き合っていなかった私が、そうそうすぐに活躍できるはずもありません。今、私はとても苦しみながら、枯渇した自分の能力を芝生に変えたいともがいています。

女性デザイナーには「ゆるやかな死」が起こりやすい?

まず言えることは女性は妊娠、出産することができます。選べる時代と言いつつ、子孫を残すことは本能に組み込まれていることなので、産む産まない産める産めない問題は必ず悩みの種となります。

これから先、女性がもっともっと社会で活躍できる時代です。高齢出産が加速していく中で、私のように不妊で悩む女性も増えていくと思っています。そうした中で仕事への向き合い方を改めたり、一旦優先度を低くする女性って一定数はいるのでは?

そう考えると、実は個人の問題ではなく、社会全体が抱える問題のようにも思えます。

仕事のキャリアではなく人生という観点で見る

と、しばらくデザインに向き合ってこなかったせいで今すごく苦労してて後悔してます。という内容を綴ってきましたが、それは"仕事のキャリア"という一部の面から見た場合ってことです。

人生と観点で見ると、自分の過去の選択には後悔はありません。過去の自分には不妊治療をしながらデザインを真剣に考えるマルチタスク能力は備えていなかったし、割り切ったからこそ今子どもに恵まれた。

最近、そんな風に自分を許せるようになってきました。
そして今キャリアを再構築できる場所に戻ってこられた。万事OKな気がします。

人生いろいろありますよね。頑張っていきましょう!
最後まで読んで下さりありがとうございました。

▼Twitterもやってます。フォローしてもらえると嬉しいです!
https://twitter.com/oshiokeiko





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?