未来の音楽は子どもの中に
土曜日に子どもたちに音楽を教えています。
楽器はピアノ。子どもたちはピアノを習いに来ています。レッスン形態はman to man。
私は歌を歌って音楽を伝えようと奮闘していて、なるべくピアノは弾かぬ様に気をつけています。何故なら。。。
理想は子どもの中に芽生えた音楽を、ピアノという楽器を借りて引き出すことです。
音の長さ、音色、音楽の速さ、リズム感などは子ども自身の内面に備わっているものであり、教師が決めるものではない。教師が行うべきことは様々な要素の調子を整えること、即ち調整と考えています。
私は子どもたちと創造的な時間を過ごしたいと願っている。。。
実際には、レッスンの振り返りを記してお家の方に読んでいただいたり、練習用動画の作成、レッスン中の様子をビデオ撮影して記録、課題を視覚で確認できる様な教材の作成、課題提示する為の歌の練習及び歌詞の暗記、レッスン計画、課題設定、レッスンに取り入れる音楽素材探しなど、これらが循環して30分という時間に凝縮されます。
例をあげると、直近に使用した素材が、絵本「おとえほん」エルヴェ・トュレ作、たにかわしゅんたろう訳、ポプラ社出版でした。導入期の子どもに提示しました。
先ず私は音は連続的と捉えますが、ピアノは音を点でとらえる楽器ではないでしょうか。「おとえほん」は音を色を塗った小さな丸であらわして、物語を始めます。
私たちは事前に音の大きさ(強弱)を簡単に押さえた上で、絵本を楽しみます。
そして、絵本は丸に触ってごらんと誘います。その丸に至る道のりは子どもの個性そのもの。その後、私がピアノで弾いてみてとお願いすると、子どもは工夫しながら絵を音にしてくれました。何故、私がこの絵本を課題に設定したか、それは正解が無いから。とても難しい課題のひとつだと思います。
そして、子どもの興味関心は多岐に渡ります。恐竜、動物、虫、植物、アニメ、キャラクターなど限りないですね。レッスン導入時に子どもの興味関心に沿い、子どもとお家の人の要望に応えていく事で信頼を勝ち得て、私の提案も受け入れてもらえる様に努力していく。
私は、この様にして子どもと一緒に扉を開き、未来の音楽の手元に引き寄せる様な活動を目指しています。
多くの保護者が仰ります。ご自身の子どもを音楽家にしたい訳ではないと。音楽は素晴らしい、だからピアノを習わせたいと。
私ができることは、音楽表現やピアノ演奏を通じて、子どもが未来をしあわせに生きる術を一緒に見つけていくことだと考えています。
音楽は必ず誰かに届く。はじめは母子間、父子間に拡がり、家族、親戚、先生、友だち、異年齢の友だち、そして社会へと。
そして相対。私は相手の立場で見て感じることを音楽を通じて子どもたちに伝えたい。
何故なら、「相手の立場に立って仕事をしなさい」これが父の遺言だったからです。
子どもはお母さんが苦しくて悲しくて涙を流すと一緒に泣く、子どもが嬉しい時、お母さんも舞うように喜ぶ。この心の座が人間らしさではないでしょうか。
私が大切にしている言葉でこの話を結びたいと思います。
君が憂いにわれは泣き、わが喜びに君は舞う。
拙い文章でした。最後まで読んでくださり、本当に有難う御座いました。
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