彼の青春の一部

テルテルてる子さんの企画に参加します。
noteの中で何かに参加する、なんて初めてです！
(/ω＼*)きゃー。

ごめんなさい。

https://note.com/20210708_rainy/n/ne586d2d9c43f

同窓会って何かあるよね。
いつも。

これは教え子が30歳になった時の同窓会。
呼ばれて行った。
久しぶりの正式(？)な場だったので、一張羅を着た。

会場に入ったとたん、男の子達(と言っても30歳)に囲まれ
「先生、あの頃は言うこと聞かなくてゴメン！」
と真っ先に言われた。
「は？ごめんってあなた達！あの時わたし大変だったのよ！毎日陰で悔しくて泣いてたんだから！」
「先生の反応が見たかったんだよ。だから困らせた。でもかっこよかったよ、先生。冬月先生みたいだった！」
「そうそう！」(その他大勢)
そんな会話を交わした。

問題児化していた彼らは、当時テレビドラマであっていた『GTO』の松嶋菜々子が扮する冬月先生のようだったと、今さら都合のいいことを言う。

笑。ま、いいけどさ。
もう過ぎたことだし。
腹立たしいけど、でもどこか嬉しかった。

その後、私のところに1人の教え子がやってきた。
まるでホストのようなスーツを着たイケメン。
誰だかすぐに分かる。

「先生、実はねオレ、先生のことマジで好きだったんだ。」
「え？」
「ほんと。だから、結婚した時、なんでこいつなんだ！ってすっごい悔しかったんだ」
照れもせず、私を見つめて彼はそう言う。
なんだか手慣れた感じもする。
何人の女の子泣かせて来たのだろう。
そんな雰囲気を醸す彼。

戸惑いながら、ちょっと遠くにいる旦那を見る。
私は職場恋愛で、後に結婚した旦那は、この子の担任だった。
この子達が卒業した後に結婚したのだ。

そうか。
私が彼の立場だったら、同じように悔しかっただろうな。

そんなことを考えた矢先、彼はまた照れもせず私を見つめてこう言う。

「先生。先生はやっぱり綺麗だね。オレが思った通りの人だった。オレは、先生はいくつになっても綺麗なままだって思ってた。」

綺麗。。思った通りの人。。。
そんなこと言われたの初めてで、ドキッとしてしまう。

そういえば、私、感じたことあったかも、と思い出した。

美術科に進学したいと言う彼と放課後、デッサンの練習をした後だった。
廊下で、ついてくる彼を背中に、ゾクッとした瞬間があった。
何かを感じたな、あの時。そういうことだったのか。

暗がりの中学校を思い出す。

家庭の事情もあり精神的に安定せず、私の授業も逃げ出したことあったな。

そんな彼の青春の一部。

私をあなたの中に入れてくれてありがとう。