死が最大の不幸という死生観は正しいのか?

批判を覚悟でもある、こうした考え方。 死こそが最大の不幸という価値観は、この際やめたらどうかと思う。

そうでなければ、人が死ぬたびに大騒ぎとなり、そしてそのことで良いことはまずない。これは老若男女問わずである。

産まれ出でることそのものが悪とする〝反出生主義〟という思想もあるが、そこまで認めるのは厳しくても、せめて死くらいはもっと認めていいのではないかということ。
ほんらい死は当たり前に日常にあるものなのである。隠し忌むべきという発想を止めたらどれだけ我々は楽になるか?……解剖学者として死体と人生を懸けて向き合ってきた養老孟司先生は、死が都会から異常に隠されていると嘆いている。

死はそんなに忌むべきものか? もう一度そこに考察の光を当ててみたい。
誰かが自殺すれば、ただただ悪いこと、忌むべきこととするのは良くないと思う。自殺の増加が悪だから? その根拠は? 哲学の不徹底がこうした背景にあるだろう。 しかしでは殺人は? 誰か他者の生きる権利を奪う行為は✖。 これは正解だと思う。

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