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【いだろぐ782】「飛ぶ鳥跡を濁さず」仕事の辞め方と今の環境でやり切る大切さ。

鈴木おさむさんの『仕事の辞め方』を読みました。

鈴木さんは、森三中の大島さんの旦那さんであり、『スマスマ』などの人気番組で32年間も放送作家として活躍されていました。

放送作家を辞めると決めた背景や辞める時に考えたこと、またマンネリを打破し人生を取り戻す方法などが、この本のテーマとして描かれています。

「なぜ仕事を辞めるのか」「あなたの代わりはすでにいる」「仕事がワクワクしなくなったら辞めるべき」「40代がしんどい理由」「どうやって辞めるのか」「辞める前にすべきこと」「手放すことで入ってくるもの」といった内容で章立てされ、整理されています。

鈴木さんは「続けない勇気」「俯瞰して面白いかどうか判断する」「ワクワクすることを追求する」など、変わった視点からアドバイスされています。

「40代からソフト老害」という言葉が使われていることも印象的で、リアルで臨場感のあるエピソードが多く、自分も老害になっていたのかもしれないと考えさせられました。

特に印象に残ったのは「必要悪」と「ソフト老害」の違いを論じた章です。
年齢や立場に応じて自分のポジションが変わる中で、それを客観視して意識するかどうかでポジショニングが大きく変わると書かれています。

私自身、エンジニアになる前はアパレル店長として13年間働いていましたが、ある程度一回りやりきった感覚とマンネリ化が重なって転職しました。

本来好きなファッションとは関係のない人間関係やマネジメントの仕事が増え、プレイヤー志向の自分とは違う業務に時間が取られるようになり、次第にワクワクしなくなっていました。

中堅的な立場で、もしかしたらソフト老害になり、若手の意見を潰したり、自分が立ちはだかってしまったこともあったかもしれません。

「この人がいなくなったらどうなるんだろう」という人たちが次々と辞めていくのをたくさん見てきましたが、結局代わりになる人がいて、次の人が必ず現れるものです。

本に書かれていた「あなたには代わりがいる」という言葉を考え、ワクワクしなくなったら老害になっていることを自覚して次に進むべきかもしれません。

転職後はその経験がリセットされ、初心者の気持ちで取り組み、リフレッシュされました。ワクワクしなくなったときが辞めるサインであり、収入的に減ることを受け入れつつ新しいことを試すのも一つの選択肢と感じています。

この本で特に印象に残った言葉は、「努力を努力と思わず頑張れることは才能」「思いつきが天職のサイン」「DNAが発信している思いつきを行動に移すと天職になる」というものでした。

エンジニアはどこも人材不足で転職しやすい環境です。周りでも多くの人が転職していますが、その場から逃げるように辞めたり、職場と対立して辞めたりするケースも多いように感じます。

飛ぶ鳥跡を濁さずという言葉もありますが、そうした場合、次の職場でもうまくいっていないことも多い。

今ある環境でどれだけやり切れるか、後悔なく次に進めるかが、辞めるときにも大切なのかもしれません。

努力を努力と思わないこと、思いつきは自分のDNAの発信だとアンテナを張り、今いる環境でどれだけやりきれるか、自分のキャリアの行き先を考えながら立ち回ることが大切だと感じました。

過去の経験とこれからのキャリアについて考えさせられた本でした。
よかったら読んでみてください。ご参考になれば幸いです。

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