相手を尊重した適切な批評(フィードバック)
本記事の想定読者
・弊社に興味関心がある方
・外資系ITスタートアップ企業の文化や働き方に興味がある方
僕の働く外資系ITスタートアップでは、近年は以下に力を入れている。
チームで勝つという事
相手を尊重した適切な批評(フィードバック)
日系・外資問わずに手法や考え方は若干の違えはあれど、実践されている企業・チームは多いんじゃないかと思う。自分の整理も兼ねて、上記の想定読者に向けて何を大切にして実践いる会社なのかポイントを記載します。
本記事は「相手を尊重した適切な批評(フィードバック)」にフォーカスします。
チーム作りの共通課題
弊社は2022年1月時点ではPre-IPOフェーズにいるため、直近1〜2年間位は単に売上を成長させるだけではなく、組織作りも大きく変わってきている。組織作りでは単に組織構造の最適化、メンバーの適材適所な配置調整、新たに適任者を採用する事に留まらず、コンプライアンスや法務観点の全社的な教育に加え、チームで勝つという事の意識作りなどを積極的にやっている。そして、チームメンバーの事を理解し、協力し合って、生産性高く、大きなゴールを成し遂げていく「High Performance Culture」というキーワードが経営陣からのプレゼンや日常的なSlackなど至る所に登場する。
それを実践するためには、相手を尊重した上での適切なフィードバック(以下FB)が大事になってくる。FBの内容はそれぞれだが、FBするベクトルは大きく3つだと思う。
#1は日々の1on1や案件ベースで実施しているが、実は中身が「薄い」ものだったりする可能性もある。#2はやる人もいれば、やらない人もいる。メンバー間の相性もあると思う。3は少ない。この#1〜3を活発化しつつ、FBの質も高めることがチームで勝つ事に繋がる可能性があるが、ただ、このFBを行うって事がなかなか出来ない。これは別に日本チームに限った話ではなく、グローバルチーム全体での共通課題だ。そして、これは弊社に限った話ではなく、多くの企業共通の課題なんだと思う。
Constructive Conflict
そのチーム作りの前提として、概念的な姿勢として経営陣から聞くようになったキーワードが「Constructive Conflict」だ。日本語的には建設的な意見の対立だろう。個々が自分の意見を持ち、それを自由に発言し合えるような環境があり、みんなが他人の意見を真摯な気持ちで聞いて議論するという場があってこそ本当のチームワークが作れる。そのような側面の強化が大事だと思ったのかと思う。ただ、それは前提となる考え方や姿勢であり、実践できるツールやフレームワークではない。
Blind Spot
Constructive Conflictの意識作りや、まずはFBを行うキッカケ作りのために、Blind Spotを知るワークショップを通して意図的に「相手について考える、FBする、知る」機会を作ったりもした。Blind Spot(死角)とは、端的に言えば、周りから言われてハッと気づき改善・成長させることができそうな伸び代の事だ。
実際にワークショップを行った際には、以下の点を前提とした。
そんな訳でFBする際に、なぜか皆「XXX君、今から色々言うけど攻撃じゃないから!いつもありがとう!愛しているよ」っていう不思議な前置きからスタートする事になり談笑する感じで出来たのを覚えている。弊社特徴として、20〜25名しかいない日本チーム、案件ベースでのコミュニケーションは個々で密な点、そもそも外資でフラットに話すことに慣れている人が多いことは他とは違うかもしれない。
因みに、このワークショップの際に、僕の場合は、note初稿でも記載した「知る人ぞ知る存在になっているから社内外に発信した方が良い」というFBを頂いた。
Radical Candor
そんな流れの中で、グローバル全体としては新たなキーワード「Radical Candor」が社内を席巻するようになった。Radical Candorは端的に言えば、上司・部下など問わずに、徹底した率直なFBを行うマネジメントスタイルだ。Radical CandorについてはこちらのNewsweekのコラム記事を参照すると良いでしょう。
そして、2021年7月にはRadical Candor提唱者のKim Scott氏を招聘しセッションも開催した。Kimさん、めちゃくちゃ喋る方で理解が深まりました。
日々のリマインドと実践
こんな感じで、チームで勝つための土台作りも強化している近年だが、弊社はオフィスを手放し(事務的な観点ではWeWorkに移行)、フルリモートな環境になる中で、相手を尊重した適切な批評(フィードバック)は、言うは易し行うは難しって事を感じることは否めません。それでもAPAC MDやリーダー層からの定期的なリマインドがあり(最近マネージャーになったばかりのY君は一時期Weekly Meetingの資料表紙にRadical Candorの図解を貼り付けていた)、個々間では必要に応じて実践しているものだと思います。
以上、想定読者に対して「相手を尊重した適切な批評(フィードバック)を行う意識が高い組織なんですよ」ってことが少しでも伝われば幸いです。
もう一つの「チームで勝つという事」に関しては別投稿をご参照ください。
もし不明点や確認事項があれば、こっそりDMしてくれてもOKですよ。
では、またnote記事で会いましょう。
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