見出し画像

出張でパソコンを忘れ呆然としたが、実は豊かな時間だった

福島に取材の仕事で出張した。
音楽機器の使用例のインタビューで、ライブ前のインタビューと撮影、ライブ中の撮影、という仕事だった。ライブが終わるのが遅いので泊まりの予定で、パソコンなどの仕事道具も持ち歩く予定だった。

実は移動の新幹線とかホテルで仕事するのが好きなので出張は大好物だ。
今回も東京駅から新幹線に乗って、わざわざデスクトレインみたいな、仕事するモードの指定席にして、鞄を開けたら、PCを家に置き忘れてきたのだった。

しばらく放心していたが、ないものはない、とりに帰れないということで、腹をくくり、辛うじて持っていたiPhoneで音楽をききながら、車窓からの眺めを楽しんだり、うたたねをしたり、すこしKindleの本を読んだりした。

で、考えてみたんだが、iPhoneがあるだけまだましで、ほんの10年前の出張というのは、ウオークマンとガラケーと文庫本でどこまでも新幹線に乗っていたのだ。音楽を聴きながら外を眺めながら、今日の出張の事から、次のお休みのこととか、もっと先のことまで考えぼんやり考えたりと、豊かな時間だった。

昭和の御代では、だいたい仙台とか金沢とか、新幹線がない頃だったら宿泊は前提で、仕事はもっていけないわけだから、同僚や相手先と飲みに行くのが普通だったしな。

AI時代の今は、あえてパソコンを忘れていかない限り、このような豊かな時間が持てない。これは悲劇なのかもしれない。

こんど隙を見て、あえてパソコンを忘れて出張に行こうと思う、のだった。


出張先の福島のインタビュー後の空が美しかったので下に貼っておく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?