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社会復帰③

早いもので、もう9月ですね。逮捕されてから半年以上経ちました。

裁判所からの保釈条件だと、今の会社の仕事ができないようになっていますので休職という形をとっております。ですが、その期間も長期にわたっており、生きていくためには仕事をしなくてはならない状況まできました。
考えてみると元の職場に戻ることは現実的でなく、この先は退職して個人事業主で生計を立てていこうか、もしくは別の会社にお世話になろうかこの夏から色々思いを巡らせていました。

今日はこちらの話の続きです。

保釈されてからも半年近く経ち、裁判のこともこちらがお話しすることや証拠の検証など、今はひと段落しているような感じです。
現在は公判前整理手続の「打ち合わせ中」で実際には初公判まではまだまだ先の状態で毎日を過ごしております。

収入が途絶えた状態になっておりますので、それはそれで厳しいのですが、とは言っても大人しくしているしかありません。

2ヶ月ほど前に弁護士先生から「年内の結審は難しい」というお話がありましたので、ここで一念発起することに。

個人事業主はいつでもできるので、もう一つの方向性であるサラリーマンでの復帰にトライしてみました。しかし<刑事被告人>という立場のまま転職活動をするということ自体、普通の転職に比べたら何倍も大変な作業だということに気付かされるのであります。

裁判所からの判決は下っておりませんが、私自身はこの事件の犯人ではありませんし、法の下でも推定無罪という状況になっていますので、働くこと自体に制限はかかっておりません。ですが、応募する際「私は現在刑事事件で、これから裁判を控える被告人です」なんていうことを相手企業に伝えた瞬間、どこも私を採用するはずがありません。なので、そこは一旦お茶を濁しながら話を進めていくしかないのです。賞罰(罰は犯罪歴)についても聞かれますが、無罪に向かって全面的に争っているのは勿論、有罪判決が出ている訳でもありませんので、この時点では<無>と答えました。

これがなかなか心が痛むことで、相手を騙しているわけではないのですが、本当にこれで良いのかと何度も自問自答していました。

当然受けた会社が全て合格ではありませんので、不合格の通知を頂いたときは逆に何故かホッとしたものです。

10数社に書類選考をお願いし、そのうち7社が通過し最終選考へは4社進むことができました。中途採用としてはかなりの好打率のような気がします。その4社のうち、3社から内定をいただきました。

こんなに沢山の内定をいただけるとは思ってもいませんでしたので、この裁判のことをどうしようかと本気で悩みました。
最後は私の話を一番聞いてくれそうな会社に内定受諾の旨を伝えました。

最後の面談でその企業様へは「現職を退職するにあたり、色々とこちらも納得のいかない部分があり、争うことが予想されています。その際、法廷でのやり取りもあるかもしれませんが大丈夫でしょうか?」と思い切って聞いてみました。そうしたら「大丈夫!うちの社員も離婚やら相続やらで裁判沙汰になっている人間もいるから(笑)」というお言葉。私の場合とちょっと内容が違いますが、そんな話をしても、きちんと受け止めてくれましたので、この会社にお世話になることに決めました。

でも、超えなくてはならないハードルはまだまだあります。

検察官が今回の就業を同意してくれるか、裁判所が制限居住地の変更を許してくれるか・・・

針の穴に糸を通す作業はまだまだ続きます。

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