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NO.17 「あるくみるさがす」富士山五合目お勧めプラン(2023年6月下旬)

 富士山が世界遺産10周年を迎えるその前日、富士登山に行ってきた。
 と言っても頂上まで登った訳ではない。五合目から日帰りのトレッキングを楽しんできた。
 今までは車やバスでしか富士山に行ったことがなく、自分の足で部分的にでも登ったのだから、富士登山を体験したと言っても嘘にはならないだろう、と勝手に思っている。

 多くの人にとって、「富士山に行く」とは、「富士山頂に到達する」又は「五合目等に行く」のほぼどちらかになるのではないかと思われる。
 実は、自分にとってはどちらも富士山の楽しみ方としては最良とは言えない。
 富士山は登るより眺める山だと思うし、ほとんど木のない急な山肌を登っていくのはつらさを感じてしまうだけだ。
 五合目は車やバスで楽に行け、天気が良ければ下界の景色、頂上までそびえ立つダイナミックな日本一の山肌を楽しめる観光スポットで食堂や土産店もある。
 一方半分の高さまで時間をかけて上がって来た割には、楽しみ方法は少ないと感じる。それはおそらく体も使った自然体験が少ないからだろう。
 
 歩くのが好きな人向けには「五合目発のミニトレッキング」というコースが昔からある。
 富士山の主な登山ルートは、吉田ルート、富士宮ルート、須走ルート、御殿場ルートの4本。この4本にはそれぞれ別々の「五合目」があり、そこを起点に1時間から5時間程度のトレッキングルートがあるのだ。
  
 これらは登山客から見たら頂上に行けないし、一般観光客から見たら登山客向けに見え、富士山の大自然や魅力を体験できる過ごし方であるにも関わらず、あまり喧伝されては来なかったように感じる。
 また五合目に行く観光ツアーは短い滞在時間で次の目的地に急いでお客様をお連れするものが多く、さらに登山向けのウエアや装備も安全上少なからず必要になるので、ツアープランとしては作りづらかった事情もあったかもしれない。
 しかし、大事なのはその満足度がどうかという点だ。

 今回、私が友人と二人で来たのは、乗用車で富士宮口五合目に行き車を止め、六合目を経由して、宝永火口、宝永山をトレッキングして戻ってくるという単純なコースだ。雄大な山肌と景色をたっぷりと楽しむことができ、充実した半日を過ごすことができた。
 火山弾の砂を登るのは少し辛いがゆっくりと自分のペースで歩けば大丈夫だし、もし厳しいと感じたら来た道を戻ればよい。ウエアや装備はやはり短いコースとは言え必要だ。
 富士山に抱かれた自分を五感で感じることは、かけがいのない心が洗われる体験だ。

宝永山馬の背から富士山の頂上を望む

 頂上を目指さなくとも、頂上までは体力的にいけない人でも富士登山は楽しめるということは、もっと提案され、知らされていいのではないだろうか?

 五号目は、4か所あるので少なくとも4回以上の違う自然体験ができることは、富士山ファンにとってうれしい限りだ。

  コースの詳細情報 https://hellonavi.jp/mtfuji/5th-station/fujinomiya.html

江戸時代に噴火した宝永火口


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