2000年前から変わらない時間の悩み
「時間術」に関する本は、手を替え品を替え、次から次へと書店に並べられる。
数年前に平積みされていた本のタイトルはもう思い出せないが、今並べらている本と書いてある内容はほぼ同じだろう。
時間は有限で、失った分を取り戻すことができない点で、ある意味お金よりも貴重だし、
大富豪もホームレスも1日に流れる時間が86400秒で変わらないという意味では、全ての人に平等に与えられた資産とも言える。
その有限で価値ある資産が失われていくことに対する漠然とした不安もまた全ての人間に平等に付きまとい、時間術に関する本が売れ続ける要因なのだろう。
いつから時間について悩んでるの?
最近、Amazon Prime Reading対象商品をボーッと眺めていたらある一冊の本に出会った。セネカの『人生の短さについて』だ。
2000年前の哲学者が書いた本ということで、今に残るような本を書いた昔の人は「人生の短さについて」どう考えていたのか気になった。
読んでいる途中から家の中で一人、声を出して笑ってしまった。
今の書店に並んでいる時間術の本と書いてあることが全く同じだったからだ。
「市民のために〜しなければいけない」と多忙を極める皇帝や要職に就いている官僚たちは、「他人の時間」を生き、いつか自由になるために今一生懸命働いている。そして死ぬ間際になって、もっと「自分の時間」を生きればよかったと気づく。
一方、金はあるが教養のない人間は、酒、女、娯楽に漫然と時間を費やし、これまたあっという間に時間が経っている。
結局どうすればいいの?
他人の時間を生きても、怠惰に生きても、時間は無常に過ぎていき、死ぬ前には後悔が待つ。
ではどうすれば時間は無駄にならないのか?
答えは”「自分の時間」を「積極的」に生きる”こと。
具体的にどうするかは人によって異なるが、エッセンスはいつの時代も変わらない。
セネカの出した答えは、ソクラテスやアリトテレストいった(彼が生きていた時点も)過去の大賢人が辿った思考過程をじっくり堪能することだった。
賢人が人生を懸けて見つけた「本物の知恵」を得ることに「自分の時間」を使えば、その時間は無駄になっていないということらしい。
幸い僕たちはセネカより2000年以上後の時代を生きているので、それだけ時の試練を潜り抜けた思想、芸術、科学などの「本物」に触れることができる。
大切な人と「本物の知恵」に触れる時間を共有することが、今も昔も、そしてこれからも変わらない、最も効率の良いの時間の「浪費」の仕方なのかもしれない。
早めに気付いてよかった大事なこと
1. 仕事をしてお金を貯めても使わずに死んだらタダ働きをしたのと同じ。ほどほどに働いて、「自分の時間」を生きる時間を作ろう
2. 時間が限られていると何かをしなくちゃと思うが、「何もしない」時間も脳・心・体には必要で、結果的に多くの時間を効率的に使うことにつながる
3. . 自分の時間を生きればいいし、自分の時間を眠ればいい
これまで何冊かの売れている時間術の本を読み、現実的に実践できる方法をいろいろ試し、最後にセネカの本を読んで分かったことです。
社会的立場や環境の変化によりマイナーチェンジをすることはあっても、2000年前から変わらない内容なので、これからも大きく変更することはないでしょう。
keijas
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