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ミステリの古典を読みたい

 僕のミステリ原体験はモーリス・ルブランの『813の謎』である。これは小学校低学年の頃に子ども向けの本で読んだ。

 『813』についてはもうすっかり内容をも忘れてしまったが、これが面白かったらしく、その後にはアーサー・コナン・ドイルの『赤毛組合』、当時読んだ本のタイトルでは『赤髪者同盟』だったような気がする。

 それから、小学校の図書室には江戸川乱歩の少年探偵シリーズがずらりとそろっていたので、それを一生懸命読んでいた。結構な数を読んだのではないだろうか。

 そうやって、いかにも小さい頃からミステリに慣れ親しんで来たように思わせつつ、実はその後はミステリから離れてしまう。中高生の頃はゲームや小説でファンタジーが流行っていて、僕も『指輪物語』や『ドラゴンランス戦記』ばかりの読書生活になってしまった。ミステリは本当にゼロ。まったく読まなかった。

 それが、大学の頃友人に勧められた『十角館の殺人』で一気に方向転換してしまう。子どもの頃読んでいた少年探偵団は特段ミステリを意識して読んでいたわけではなかったから、ミステリというジャンルに戻ってきたというよりは、まったく新しいタイプの小説を読んでいる感じだった。さすが新本格。

 それから綾辻行人の館シリーズはよく読んだ。他にも法月綸太郎とか有栖川有栖、我孫子武丸などなど、当時若手だった作家のミステリをいろいろ読み漁った。何しろ学生で時間あったから。余談だが、我孫子武丸はゲーム『かまいたちの夜』でもシナリオを担当していて、ゲーム好きでもあった僕からすると最高の人選だったように思う。

 そんなわけで、気づくと新本格以降のミステリばかり読んでいる。これは今日まで続いているわけだけど、その分いわゆる古典のミステリというのを読んでいない。コナン・ドイルとか江戸川乱歩は古典だろうけど、ほぼそれしか読んでいない。子どもの頃映画で『オリエント急行殺人事件』を見たので犯人が誰かは知っているが、原作は読んでいない。

 そんなことを思い返して、そろそろ古典のミステリが読みたいと思っていたのだ。有言実行。今日から始めてみようか。そうしよう。


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