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中山七里 デビュー10周年記念 12ヶ月連続新作企画に乗ってみよう

 2010年に『さよならドビュッシー』でデビューした中山七里が今年で10周年だそうだ。それを記念して、なんと12ヶ月連続で新作を刊行するという大胆な企画を行うらしい。うーん、すごいね。

 中山七里と言えば、個人的には最初に読んだ『連続殺人鬼 カエル男』のインパクトが強かった。カエル男という意表を突いたネーミング。そして、本当にカエル男が描かれた装丁。それでいて、中身はシリアルキラーもののミステリ。これはすごい小説を見つけたな、と嬉しくなったものだ。

 デビュー以降かなりのハイペースで新作を書き続け、この10年で50作近くを発表している。48歳デビューという遅咲きを取り戻すかのような勢いだ。僕も中山作品は結構読んだつもりでいたけど、実は半分も読めていなかった。全作品を把握するだけでも一苦労だ。

 そんな多作の中山七里が、毎月新作を出すというのだから、この企画に乗っかって、毎月読んでやろうって気にもなろうというもの。とか言いつつ、すでに2月も終わり。すでに2冊の新刊が発売になっている。もうすぐ3月の新作も出てしまう(ちなみに『夜がどれほど長くとも』は3/14発売だ)。よーし、気合い入れて読むぞ。好きな作家の作品を集中して読むとなると、自然にモチベーションも高まってくる。

 とりあえず、その12ヶ月連続刊行作品の一覧を並べておこう。

1月 『騒がしい楽園』 朝日新聞出版
2月『帝都地下迷宮』 PHP研究所
3月『夜がどれほど長くとも』 角川春樹事務所
4月『合唱 岬洋介の帰還』 宝島社
5月『カインの傲慢』 KADOKAWA
6月『ヒポクラテスの試練』 祥伝社
7月『毒島刑事最後の事件』 幻冬社
8月『テロリストの家』 双葉社
9月『隣はシリアルキラー』 集英社
10月『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』 文藝春秋
11月『復讐の協奏曲』 講談社
12月『境界線』 NHK出版

 いや、出版社12社を横断して新刊を出すってのもなんだか凄い。今年1年はこれだけでも楽しみができたってものである。しかし、単発でまったくの新作である作品に混ざって、これまでのシリーズの続編もあるようだ。『合唱 岬洋介の帰還』『ヒポクラテスの試練』『毒島刑事最後の事件』『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』は、そのタイトルからシリーズ作品とわかる。他にも続編があるのだろうか。ファンなら関連作品も押さえなければならないか。先走ってそんなことを考えるのさえ楽しい。うん、やっぱり今から楽しみだ。がんばって読もう。

 そう言えば、中山七里が1冊だけ出しているエッセイが未読だった。いい機会なので、こちらも近く読んでおこう。


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