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【雑誌】文藝春秋 三月特別号(『東京都同情塔』)

SF小説が芥川賞をとったということで、単行本も出ていますが今回は文藝春秋を買ってみました。

芥川賞を受賞した九段理江『東京都同情塔』ものすごく面白かったです!

ザハ・ハディド案の国立競技場が建設され東京オリンピックも予定通り2020年に開催されたという現実とのわずかな相違がある現代から近未来の東京で、言葉にひたすらこだわりながら、バベルの塔のディスコミュニケーションがあらわになっていく物語です。

『プラン75』のような社会派的な面と、イーガン作品のような人間性がすこし歪んだ人々のやりとり、武田砂鉄氏のコラムのように言葉にこだわる箇所、AIが人間の精神と社会に入り込む現代性、これらにかなり興奮しました。

もっとSF的なディテールやオチもほしくはあったものの、そこは純文学的なまとめ方で、これはこれで良いです。
純文学だし。

文藝春秋という雑誌は初めて買ったのですがいろんな記事が載っていて面白いですね。
SF的には、小川哲氏がAIを語ったりしてます。

政治関連だと「派閥とカネ」本音で語る、なんていう座談会があって、この萩生田さんには笑ってしまいます。
「それにしてもこの男、ノリノリである」としか言えません(怒)。

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