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【社会】新卒採用についての意見

今年は、新卒で入社した社員がすぐ辞めるとの話題がよく見られますね。
私は新卒採用に関わったことがなく、自分も普通の就職活動とはちょっと違う経緯で稼ぎ手になったので、その程度の知見しかありませんが、人事担当者のつらい思いはお察しできます。

一方で、そんなに辞める人が多いのであれば、その人たち向けに6月入社とかで募集の網貼ったほうが効率いいんじゃない? 4月なんていう年度替わりで忙しい時に新人受け入れするのも大変だし。とか思ったりします。
あと学生の方も、高校受験とか大学受験みたいに就職活動をとらえている感じがして、会社員になったのに学生気分なのはそもそもこのシステムだからいけないんじゃない? とかも思います。
学生時代はしっかり勉強しろよとも思うわけですね。

このように新卒採用に距離をおく感覚は、多くの会社員に共有されてるんでしょうか?
されてないか。
大半は新卒入社を経験してるわけですからね。
私は経験してないから、「同期」とかいって会社員どうしが同級生みたいにつるんでたりすることや、人事部門がそういう扱いをしていることに否定的です。
前職の会社がそういう感じでしたからね。
その頃、新卒採用っていびつだよなって思ってて、もう少しいい採用方法はないのかと思ってました。

というわけで考えたのが、「卒論の内容をプレゼンテーションさせる」を主な材料にしてはということ。
つまり、「卒論をしっかりやってること」という学生の本分を、「第三者に説明する」という企業で求められる資質にコンバートさせる、橋渡しとなる課題です。

課題は、学生にきちんと勉強させることを重視した上で、採りたい学生を選ぶ方法はないのかということ。
現在、面接や集団面接でいろんなアクティビティをして、自社にマッチするか探ってますが、学生から見れば、今やるべき勉強とはあまり関係ないことにどんどんチャレンジしなければならないわけで、そりゃ勉強どころじゃなくなるわけです。
一方で、大学でも、就職に結びつきやすいゼミを選ぶとか本末転倒なことになりがち。
それが本末転倒だってみんな気づいてくれ…… 本来、営利企業で役に立つかもわからないようないろんな学問を、良好な環境でしっかり学び研究するのが大学というもののはずです。
そういうところに4年も在籍しながら勉強してもいないような若者を、自社に合うからと思って採用しても、そりゃむしろミスマッチが起きて無理はないんじゃないでしょうか。
目の前のことをきちんとやらない会社員はダメですけど、就職活動の名のもとにダメな学生ができあがっていたら、それを採ったらダメな社員になる可能性も高いわけですよね。
そもそも、「内定」をゴールにするような奴が入社してきたら、そいつはそこで終わりですからね(おっと、言葉が汚くなって失礼)。

それだと、専攻と企業の親和性に寄ってしまうんじゃない? と思うでしょうが、ギャップがあったほうが良い可能性も高いと思ってます。
例えば想像するに……
理論物理学をやってる学生が、その論文の内容を、理論も物理もない(のかどうか知りませんが)アパレル企業に説明するとか。
論文化している理論のポイントを簡潔明瞭に、できるだけ魅力的に説明するわけですが、基本的にその分野の知識や興味を持たない人に話すことになるので、プレゼン力に重きがおかれていきます。
面接官は、理論の正確性などは評価できないでしょうが、それだけに、学生側が理論の課題などを誠実に説明することも重要でしょう。
これは、会社員の多くがどこかで持つべき営業的スキルに直結するもので、興味も知識もない相手に適切にものを売り込む能力の訓練になります。

このパターンはプレゼン力に偏りぎみになるかもしれませんが、いくらまじめでも研究ひとすじみたいな学生を採りたくて募集しているわけではないでしょうから、勉強もその説明もおろそかにしない人、という意味では企業が求める人材は見極めやすいのではないでしょうか。

一方で、自動車関連の工学をやってる学生が自動車メーカーを志望するような場合。
これなら有利に決まってるじゃん! というのが甘いことは、たいていの社会人には想像がつくでしょう。
同じようなことをいう学生ばかり集まってくるし、企業側が話の内容を100%以上に理解できていたりするので、きちんと勉強しているかどうかはすぐに見抜かれます。
こうなると、基礎的な理解をアピールするか、斬新な取り組みを紹介するか、話のわかりやすさに注力するか、工夫のしどころは増え、戦略の難易度が増します。
でも、そういう募集にエントリーできている時点で大いに有利なのは間違いないですよね。

また、いずれの場合でも、学生が志望企業を研究しなければならないのもこれまでと同じです。
自分の専攻と志望企業のコアコンピテンシーにどれだけの距離があるのかを考えることで、プレゼン力の比重を上げるか、専門性に力を入れるかの判断が重要になってきます。
企業で大事なのは、相手にあわせて説明の仕方を変えることですので、その課題にこの段階で向き合ってもらいます。
あるいは志望企業の選び方にも基準が持てるという意味で、学生にも益はあるとの考えです。

あともうひとつ、最近は卒業論文を課さない大学も多いと聞きます。
卒業論文も卒業制作もないような大卒資格になんの意味があるか、私にはわかりませんので、この案では考慮してません。
企業も、大卒者を募集するなら卒業証書ではなく論文をもってこいという姿勢になるべきとの思いもあって、この案を考えてます。

問題はスケジュール感でしょうね。
理想をいえば、1月上旬に論文提出して、その直後から志望企業向けプレゼンの準備に入るので、本番は2月ぐらいってことになるでしょうか。
それで3月初旬には内定者を決める……っていうスケジュールは企業にとってタイトすぎるかもしれませんね。
プレゼンを録画して、社内の複数の人に見てもらうというプロセスも入れたいところですが、ちょっと大変ですね。
しかしまあ、乱暴なことを言うようですが、プロセスに時間をかければかけるほど良い採用ができるというものでもないでしょう。
特に選ぶ側が死ぬほど熟慮したって、合わない人は合わないです。
「内定が出たら引越しが……」とかの学生もいるでしょうから、そこは転居を5月にできるような休みを与えてそれまでリモートメインで研修するとか、調整は可能でしょう(引越もオフピークしましょう)。
あとはそもそも、冒頭に述べたように6月入社にしちゃうとか、それも企業側にはメリットありそうです(学生には、入社お祝い金としてプラスのお金を支払ってください……勝手なこと言ってます)。

中途採用の世界では「明日から来てください」とか「来月から」とか普通なので、半年も前に内定を出すことにこだわることはないでしょう。
早すぎる内定の問題ですが、多分、内定が早ければ早いほど、「売れ残りではない、いい学生をおさえた」と社内アピールしやすいという人事部門の思惑が大きいんでしょうね。
でもそういうことをずーっとやってきて、この春は多くの退職者を出したのであれば、あらゆることを見直すチャンスではないでしょうか。

などということを提案したいなー、って前職で思ってるうちに、今の外資系企業に移ってしまいました。
こちらは全員中途入社ですので、上の話は全部他人事として、机上の空論、一部暴論を述べております。

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