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コールセンター失敗談

先週ご紹介したコールセンター小ネタ集で、tamadoca様より失敗談を書いてほしいとオーダーを頂戴しました。

いやいや、理知的じゃないから頑張ってるんですけどね💦

では、本日書く失敗談は、私が見聞きした失敗談ということで、承りましょう。
よろしいですね。私の失敗談では、決して決してありませんからね。
その辺り、お間違えのないように願います😁

では、ご了解いただいたところで、この担当者をA子ちゃんとしましょう。
所属しているのは、ベンダー(コールセンターを丸ごと引き受ける会社)のB社です。
引き受けているのはクライアントであるC社の窓口です。

それではまいります。

メールを書きながら電話を取ったら

電話を取れば、まず社名を名乗ります。

しかしコールセンターは、電話だけを取っているわけではありません。メールのお問い合わせにも対応しているので、電話の合間も忙しいのです。

さて、メールに「~ではございません」と書いているときに電話が掛かってきました。
果たしてA子ちゃんはなんと名乗ったでしょうか?
  ・
  ・
  ・
ご推察のとおり、
「お電話ありがとうございます。C社ではございません。」

その場に居た全員がA子ちゃんを振り返りましたが、
電話を掛けてきたお客さまは
「あ、すいません、ちょっといいですかぁ」と
何も気にせず話し出しましたとさ。

クライアントから電話が掛かってきた直後にお客さまから電話が掛かってきたら

通常、管理者はお客さまからの電話を取らず、「上司を出せ!」と言われたり、一次担当者が対応できない問い合わせのときのみ電話を代わって出ることになります。ひっきょう、社名を名乗ることはほぼありません。

しかし、その日は予定外の休みが出て、SV(コールセンターの実務を管理する立場)であるA子ちゃんも電話に出なければなりませんでした。

そこへ、クライアントであるC社から管理者席に電話が掛かってきました。もちろんベンダーですから「はい!B社です!」と電話に出ます。
クライアントとの会話を問題なくこなし、ホッとする間もなくオペレーター席にある電話が鳴りました。
とっさに電話を取ったA子ちゃんは先ほどと同じく「はい!B社です!」と名乗ってしまいました……。
それがお客さまからの電話だと気付いたのは、お客さまが話し出した後でしたとさ。

転職したら

A子ちゃんはB社の営業マンでしたが、転職してライバル会社のD社に就職しました。

D社ではB社で華々しい売り上げを挙げてきたA子ちゃんに、その頃の話を聞いて盛り上がっていました。
さて、そこへ一本の電話が掛かってきました。
意気揚々と自慢話をしていたA子ちゃんの名乗りは

「お電話ありがとうございます。B社でございます。」

電話を掛けてきた人が、B社時代の自分の顧客でなかったことだけが救いでしたとさ。

最後に一つ、保留の失敗をご紹介しましょう。

二つのクライアントの窓口を兼務したら

A子ちゃんはめったに電話が掛かってくることのないB社とD社、両方の電話を取っています。
もちろん電話機も2台、目の前にあります。

B社の電話を取ると、お客さまから商品の在庫があるかどうかを質問されました。
A子ちゃんは
「商品の在庫についてのお問い合わせですね、少々お待ちください💛」と
電話越しにも明るい笑顔が伝わるような美しい声で保留にしました。

いえ、このとき保留にしたのは実は取っていないD社の電話機だったのですが、そのときのA子ちゃんは、もちろんB社の電話機を保留にしたと信じてそれを疑うこともありませんでした。

さて、A子ちゃんは管理者に向かって大声で質問します。
「ねぇねぇ!あれってさ、もう無かったよねぇ?」
管理者も大声で面倒くさそうに回答します。
「ん?もう、昨日売り切れたよ~!もう入ってこないよ~!」

A子ちゃんは保留を解除しようとして、保留のランプが光っていないことに愕然とします。受話器を耳に当てると、向こうの息遣いが聞こえてくるではありませんか。

やばい‼

A子ちゃんは、その一瞬で腹を決めました。

「お待たせいたしました💛申し訳ございませんが、そちらの商品はご好評をいただき、売り切れてしまいました💖」

相手が電話の向こうで唖然としているのが、顔が見えなくてもひしひしと伝わってきましたとさ。

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さて、今回はコールセンターでの失敗談を書いてまいりましたが、
楽しんでいただけたでしょうか。
それでは、また。

コールセンターで働いている人は、どんな質問にも瞬時に答えられる言葉上手な人と思われがちですが、そんなことはありません。
電話応対も人間がやる仕事ですから、こんなミスも当然出てきます。
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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。