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馴れ馴れしい「ね。」をやめる方法

たとえば友人と連れ立ってお気に入りのレストランに行ったとき、たまたま休業日であれば何と言うでしょうか。「あぁ、お休みかぁ!残念だったね~。」などと言うかもしれません。
仕方がないので、別のレストランに行ったところ思いのほかおいしかったとすると、たとえば「すっごいおいしかったね~」などと言うかもしれません。
このように日常会話でよく出てくる言葉が「ね。」です。「ね。」は「私もそう思うし、あなたもそう思っているに違いない」ということを確認する場面で使います。したがって、「そうだよね~。」「うん。だよね~。」と言い合える仲は概して良い関係と言えます。しかし、だからといって、「ね。」と言えば仲が良くなるわけではありません。関係にそぐわない「ね。」は馴れ馴れしくかえって失礼に当たります。

そこで、コールセンターでは(おそらく多くの接客業も同様だと思いますが)、基本的に「ね。」を使いません。

「ね。」を使う場面と、使ってはいけない場面

上述の通り、「ね。」は「私もそう思うし、あなたもそう思っているに違いない」ということを確認する場面で使いますから、それがビジネスとしてふさわしい場面なら問題ありません。

たとえば、以下のようなやりとりです
客:明日の予約をお願いします。
対応者:明日のご予約です

一方で、「では、明日の状況を確認するので少しお待ちください。」と言うのは、関係が近すぎるかもしれません。これでは、「私はこれから確認をするのだから待つのは当然だとあなたも考えているに違いない」というニュアンスになってしまうからです。

「やめる」よりも別の言い方に換える

「では、明日の状況を確認するので少しお待ちください。」と言ってしまう人に対して、「では、明日の状況を確認するので少しお待ちください。」と言うように指導するのは、「ね」を省くだけなので簡単そうに思えます。
しかし実際には、普段やっていることをしないでくださいという指示は結構難しいものです。

そんなときは、禁止よりも代案を示したほうがよいでしょう。

今、「お待ちくださいね。」と言っているんだけれど、これからは「お待ちいただけますか。」と言ってもらえますか?

なんでもかんでも「いただけますか」を使うとそれはそれで問題が出てきますが、大きな問題から一つずつ解決していきましょう。

それでは、また。

世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。