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電話応対研修の効果的な導入方法

私は、いくつかの電話応対研修を行っております。
受講者のほとんどは、職場の電話が苦手で、指導してくれる上司もおらず困っている方や、次の勤務先のためにできる準備はしておこうという方々です。そして、大方は講座内容に満足してくださいます。

そんな中、個人クリニックや中小企業など、小規模な電話窓口でマニュアルもなくスタッフの電話応対スキルに不安を抱える経営者が受講してくださることが時々あります。
先日も、スタッフにこの講座を受講させたいと言っていただけました。

このようなケースは大変嬉しいのですが、研修の依頼の仕方によっては、それではなんの効果もないのになぁと残念に思うケースもあります。

そこで、外部の電話応対研修を導入する場合に気を付けてほしいことと、やってはいけないことをお伝えしようと思います。

経営者(管理者)も受講する

できれば事前に経営者(管理者)が受講し、この内容なら役に立つと納得してからスタッフに受講させたほうが効果があります。
もし事前に受講できない場合は、スタッフとともに受講しても構いません。

管理者の中には、物事には正しい答えがあって、その通りにすればなんでもうまくいくと考えている人がいます。そのような人は本を渡して勉強させれば現在の状況は改善するし、研修を受けさせれば応対品質が上がると思います。けれど、実際にはそうはなりません。

必要性を理解しないまま読む本は流し読みで終わりますし、もっと悪い場合には管理者の意図と異なる箇所を学習してしまい、狙いと逆になることさえあります。何を学んでほしいのか、それを明確に伝えるためには、自身が読んで良いと思った本を勉強させましょう。

同様に、俺が電話に出るわけじゃないからとばかりに講座に全く興味を示さない管理者に依頼されて電話応対研修をやっても、内容がスタッフの心に残ることは少ないでしょう。ひどいときは、管理者が後ろに座り、ずっとパソコンで別業務をしていたこともありました。これでは、スタッフは聞く必要のないことを聞かされているだけになってしまいます。

受講目的が明確である

なぜ電話応対研修を受けさせるのか。スタッフ側からすればなぜ受講しなければならないのか。
大きくは2つです。

①今からやってもらう業務の説明
②困っていることの解決

①であれば、スタッフの同意などは不要です。
うちは、こういう対応をしてほしいんだという説明が電話応対研修を通して先にあれば、今後指導するにあたって、「こういう対応をしてほしいと説明したことができていないから注意した」と言えます。後出しじゃんけんや場当たり的な指導になったり、えこひいき、虫の居所が悪いなどと思われないために必要な研修です。

②は、例えば応対クレームが多く、クレーム対応をする管理者が通常業務に支障が出て、クレーム件数を減らしたいがために電話応対研修をスタッフに受けさせたいという場合です。このような場合、管理者だけで研修の実施を決めるのは危険です。時間と費用をかけて実施してもほぼ効果がない恐れがあります。

なぜか。
今、クレームになれば管理者が代わってくれているのに、自分の電話応対を変える努力をしてまでそんな大変な入電者の対応をしたいでしょうか。その動機がないまま電話応対研修を受けても、「受講しろというから受講しました、これでいいですよね」で終わりです。管理者がすべき仕事をスタッフに押し付けられまいと、なお一層クレームに拒絶感を示すようになるかもしれません。

実施にあたっては、スタッフに電話応対研修を受講したいという気持ちが必要です。

困っている人が答えを見つけるために受講する。これが基本です。

まずは相談する

電話応対研修を社内で実施しようと思ったら、まずはご相談ください。
どのような業務で、何に困っていて、どう変えたいのか。
私に限らず、電話応対研修を実施しているところなら、要望に合わせて研修内容をある程度カスタマイズできるところのほうがが多いと思います。

また、ご相談の内容によっては、研修よりも他に実施すべきことのご提案をすることもあります。困りごとが分からずに解決策は見つかりません。
何なりとご相談くださいませ。

それでは、また。


世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。