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なぜ社内研修は効果がないのか

コールセンターに入ると、まず電話応対研修が行われる。
そして、コールセンターにもよるが、定期的にそして必要に応じてトークがチェックされ、課題を出されたりする。

研修をする間、電話を取ることはできないがもちろん時給は発生する。
トークのチェックはその訓練を受けた者が行うが、それでも数分でできる作業ではないから、その評価をする時間の時給は発生する。チェック数が多ければ、その費用もバカにならない。そしてフィードバックのときにも、フィードバックする側、される側の時間が取られることになる。
そうやって会社は、なんとか応対品質を上げようと頑張っている。
それでも、なかなか効果が出ない。そしてよくあることだが、研修で一番変わってほしい人ほど研修の効果が全く見えない。
期待も空しく今日も応対クレームに追われ、上司は頭を抱えることになる。

一方で、ストアカでやっている研修を受講してくれた人は、どこの馬の骨とも分からないような初めて会った私の講座内容に希望を見いだし、実業務においては一人きりで努力して応対品質を上げ、私にお礼のメッセージをくれる。
もちろん私なりにノウハウを詰め込み工夫を凝らして講座を開催してはいるが、そうはいっても社内でやっていた頃の研修とストアカでやっている講座とでは、そんなにも極端に差が出るような違いがあろうはずはない。何が違うのかといえば、なんとかして自分の対応を直したいと大枚をはたいて自分のために講座を受けているか、興味もないつまらない研修になんとか耐え抜くことこそを仕事と捉えているかの違いだろう。

では、コールセンターはもう電話応対研修などやらなければいいのだろうか。実際に教育部門をカットしてしまったベンダー(コールセンターなどを請け負う会社)も知っている。そもそも人が対応しなければ応対クレームにならないから、チャットボットなどに既に取って代わられた部分もあるだろう。

ならばいっそのこと、スキルは各人が磨くべきとして、コールセンターで働く人々の時給を倍に上げてはどうだろうか。

応募すればほぼ採用されるが時給は安く、一方でコミュニケーションスキルを磨くこともないから会話の主導権も握れないまま客に翻弄されて心を病んでいるようでは、おもてなしとは程遠い。

このままでは、コールセンターからもおもてなしの心は消えてしまうのではないだろうか。

それでは、また。

世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。