マガジンのカバー画像

毎週水曜日はコールセンターの話

185
コールセンターのオペレーターからリーダー、SV、企業向け電話応対研修講師へと叩き上げた経験から学んだことを書いていきます。電話応対に必要なこと、コールセンター運営に必要なこと、コ… もっと読む
運営しているクリエイター

#オンライン講座

様々な定義を使った電話応対への活用

様々な定義を使った電話応対への活用

先日、マニュアルを作成する際には、4つの定義を意識しながら作ると良いでしょうというお話をしました。

この、4つの定義は、電話対応をしている、まさにそのときにも役立てることができます。今回は、そんな活用を考えてみたいと思います。

単語だけで質問されたら……例えば、注文受付窓口に初めて電話してくださったお客さまに、まず登録を促したところ、お客さまが「登録ってぇ…。」と言いよどんだとしましょう。

もっとみる
「クッション言葉」を様々に定義する

「クッション言葉」を様々に定義する

以前、様々な定義について説明しました。

そこで今回は、コールセンターに実際にあてはめるとどうなるかという例をお見せしようと思います。
サンプルは「クッション言葉」です。

1)直示的定義物事を指し示して定義する。

クッション言葉とは、”恐れ入りますが””失礼ですが”などの言葉を指します。

2)発生的定義どのような経緯でそれができたか、という点から説明する。

クッション言葉がないと、些細な質

もっとみる
「すぐ先生につないで!」にどう対応するか

「すぐ先生につないで!」にどう対応するか

医師は「お医者さま」と呼ばれ、医者であることそのものが偉いと誰もが認識していました。そして「医は仁術」として、医師であるだけで「お医者さま」は人格者としても認められてきました。

日本で初めて「インフォームドコンセント」という言葉が論文で取り上げられたのは1970年のことだそうですが、「ガン患者にガンの告知なんてできるわけがない!」という考え方が、今や患者自身が正しい情報を知り、治療の選択肢の決定

もっとみる
クレームの地域性~大阪

クレームの地域性~大阪

国民性があるように、日本の中でもその地域その地域によって人柄に特徴があります。
特定の県や地域だけを対象にしているコールセンターだと、その中でも◯◯市は~だ、▽△市は~な人が多い、という特徴があるようです。
食べ物・風習が異なるように、地域によっても異なるクレームについて書いてみたいと思います。

前回は東京のクレームについてご紹介しました。

今回は、大阪です。

大阪のクレームは東京と逆ですね

もっとみる
依頼形

依頼形

とある企業のコールセンターに電話をかけたときの体験談です。

「~でよろしいでしょうか」と言われて「いえ、それでは困ります」と答えると、びっくりされてしまいました。

「~でよろしいでしょうか」と質問されているのですから、答えは「はい」か「いいえ」です。そして私は質問されているのですから、どちらを答えてもいいはずです。

それなのにびっくりされる。これは非常におかしな話ではないでしょうか。

コー

もっとみる
クレームは映画を観るように聴く

クレームは映画を観るように聴く

特にクレームのときですが、傾聴が苦手な人を見ていると、お客さまとの距離が近すぎる人が多い気がします。
共感能力が低いのではなく、距離が適切に取れていない。

距離が取れていないとこうなるお客さまが怒っていると、まるで自分が殴られているかのように萎縮してしまったり、逆に防衛に走って言い訳をしてしまったり。
こんなとき、私は「電話では殴られないから安心しろ!」とはっぱをかけます😉

普段なら丁重にお

もっとみる
トークはスポーツ

トークはスポーツ

トークはバレエです。バレエでバーレッスンを繰り返し繰り返し行うように、トークでも、はじめの挨拶などよく使うフレーズは毎日繰り返し行い、体に染み込ませます。

バレエの先生はレッスンのあいだ中ずっと指先や姿勢や顔の向きなど細かいところまでチェックし続けますよね。トークでは、バレエのように練習時間を長く取ることはできませんが、通話中の語尾や声の調子などをチェックし続け、何度も何度も繰り返し指導し続ける

もっとみる
一生懸命やればやるほど

一生懸命やればやるほど

皆さま、本年もよろしくお願いいたします。
2021年1回目のコールセンターブログです。

以前私は、『私はお客さまのお役に立とうとしている』という一点において自信をもってほしいと書きましたが、それは簡単なことではないかもしれません。

電話応対の難しさ電話応対は難しい仕事かもしれません。

人間を相手にする仕事であり、いろいろなお客さまがいらっしゃるからです。自分の苦手なタイプというものも誰しもあ

もっとみる
情報提供とコミュニケーション

情報提供とコミュニケーション

電話応対を苦役だと感じている人も多いと思います。一方で電話応対を楽しんでいる人もいます。どうせなら苦役ではなく楽しんで仕事に向かってほしい、今回はそんなことが伝わればなと思いながら書きました。

さて前回、自分の体に取り込んだうえでの的確な感情表現は、お客さまの感情を浄化することすらできると、ちょっと大げさなことを書きました。

浄化するかどうかは別として、少なくとも感情表現は単なる情報提供ではあ

もっとみる

サービスにおける平等

大きい人には大きいベッド、小さい人には小さいベッドを与えるのが平等か、大きい人にも小さい人にも同じベッドを与えるのが平等かという政治学上の議論がありますが、コールセンターにおけるサービスの提供においては、絶対的に前者だと思います。

「ホームページをご覧ください」で分かる人にそれ以上の時間を使うのは、お互いにもったいない。一方で、ホームページと聞いただけで苦手意識を感じる人には、丁寧にご説明申し上

もっとみる