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トークはスポーツ

トークはバレエです。

バレエでバーレッスンを繰り返し繰り返し行うように、トークでも、はじめの挨拶などよく使うフレーズは毎日繰り返し行い、体に染み込ませます。

バレエの先生はレッスンのあいだ中ずっと指先や姿勢や顔の向きなど細かいところまでチェックし続けますよね。トークでは、バレエのように練習時間を長く取ることはできませんが、通話中の語尾や声の調子などをチェックし続け、何度も何度も繰り返し指導し続けることが大切です。

経理の作業なら、わからないところがあっても一旦わかってしまえば同じ問題で困ることはないでしょう。
しかし、トークは違います。頭で何が正しいかわかっても、そのとおりに口は動きません。

だから、何度も何度も何度も何度も、注意し指摘しその度に意識しなおして自分の話し方を矯正してもらいます。綺麗な指の動きや視線の送り方まで洗練されるように、やわらかな語尾、わかりやすい言葉選び、聞き取りやすい発声などなど、その会社の顔にふさわしいトークを身につけていくのです。
そうすると、誰もがやがて素敵なプリマドンナになっていきます。
トークの仕事はみんなが主役なのです。

トークはテニスです。

♪コートでは、誰でも一人ひとりきり~♪
そうです、電話に出ている間、プレーヤーはあなたしかいません。
そのときに、上司や周りの人を気にしてはいけません。ひたすらお客さまだけに全神経を集中するのです。「私、こんなことを言って、上司に叱られないかしら。」「こんなに謝ってたら、周りの同僚にカッコ悪いって思われないかな。」と思いながら話す言葉では、簡単に打ち返されてしまいます。
そして、ボールが飛んで来たら、信頼できるのは、体に染み付いたものだけです。頭で考えていたらボールに間に合いません。ボールを見て勝手に足が動き出すようにならなければなりません。それが日頃の鍛錬です。情報を調べるには、物理的に時間がかかります。適宜保留時間を取ることに誰しも納得します。しかし、会社の代表としての心構えは、電話に出てから身につけるのでは遅いのです。
そのうえで、“どうにも自分が劣勢だ、このままではいけない”と思ったなら、“タイム”をとりましょう。もう一度自分のリズムを取り戻し、戦略を立てなおします。そして、準備ができたら、もう一度コートに戻るのです。
テニスとは異なり、電話では、何度でも“タイム”が取れます。30秒でも、明日の12時まででも、“タイム”の時間にもかなり融通がききます。この“タイム”は有効に使いましょう。

トークは野球です。

どれだけ練習しても勉強しても、自画自賛できるようなトークは稀です。
クレームのお客さまにいくら一生懸命対応しても、「ありがとう、あなたに対応してもらえてよかったわ」と言ってもらえることは滅多にありません。

工場で何かを作っているなら、慣れてくれば何度やってもうまく作れるかもしれません。うまく作れるのが一人前で、普通のことかもしれません。けれどトークはスポーツです。一度できたからと言ってずっとうまく行くとは限りません。ときにスランプもあります。

3割打者なら素晴らしいと自分をほめましょう。
試合の全てを三振でおさえられるピッチャーもいないと知りましょう。
打たれた打球はチームメイトがフォローしてくれます。下を向くのではなく、自分のミスから学び、学びを次につなげましょう。スランプがあっても真面目に練習し、いつかスランプを脱することを信じましょう。

トークはサッカーです。

ゴールにボールを打ち込むことを目指します。

ただ、トークの場合、ゴールは動きます。最初からゴールの位置は決まっていません。お客さまの要望と、会社側の理論の間で、ちょうど良いところにゴールを設置します。
この設置の仕方と設置場所で、ボールの入れやすさがかなり変わってきます。簡単な場所に設置できれば、すぐゴールできるでしょう。入れづらいところに設置せざるを得ないなら、ドリブルやシュートの高い技術が必要になります。

相手をよく見て、相手に合った戦略で臨みましょう。今まで対応したケースから、なぜうまくいったのか、なぜうまくいかなかったのかの分析を行い、うまくいかない原因を排除し、うまくいく原因を再現できるようシミュレーションを繰り返します。そのようにして、自分が使える戦略をいくつも身につけていくのです。そして状況は変わります。臨機応変に戦略を切り替えながら対応しましょう。使える戦略が多ければ多いほど、有利です。

トークはスポーツです。
腹筋とほっぺたと舌に力を入れて、今日も一日、頑張りましょう!

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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。