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様々な定義を使った電話応対への活用

先日、マニュアルを作成する際には、4つの定義を意識しながら作ると良いでしょうというお話をしました。

この、4つの定義は、電話対応をしている、まさにそのときにも役立てることができます。今回は、そんな活用を考えてみたいと思います。

単語だけで質問されたら……

例えば、注文受付窓口に初めて電話してくださったお客さまに、まず登録を促したところ、お客さまが「登録ってぇ…。」と言いよどんだとしましょう。

自分の気持ちを瞬時に把握し、適切な文章にしてから相手に質問のできる人は多くありません。

上記のように「何か引っかかるんだけど、何が引っかかるのか分からない」
「聞きたいことはあるんだけど、どう言ったらいいのかわからない」
「私のような質問が出てくるのは当然だから、ここまで言えば伝わるはず」など、各々の状況から、ほとんど単語だけで質問されるというようなこともよくあります。

そのとき、対応者にはお客さまの言いたいことが分かり、スムーズにご案内ができ、お客さまにも喜んでいただける、ということが常に起こるのであればそれに越したことはありません。

しかし、何を聞かれているのか分からなくてご案内に詰まることもあるでしょう。その際に、漠然と「何を聞きたいんだろう」と考えるよりも、「4つの定義のうちどれだろう」と考えたほうが、楽です。

登録に関する質問を4つの定義から考える

①「登録」と言われてもよくイメージできなくて質問なさっている方には「お客さまの個人情報を弊社でも記録させていただきたいのですが、いかがでしょうか。」と直示的に言い換えるご案内が有効でしょう。

②「なぜそんなことをしなくてはいけないんだろう」とお考えのお客さまには「ご注文ごとにお名前やご住所などを全て伺っていますとお時間がかかってしまいますので、ご注文時のお手間を省くために事前に登録ができるようにいたしました」と発生的定義を伝えたり、
③「一度ご登録になれば、お電話口ではIDと暗証番号を伺うだけで注文ができ、お手間も省けます」と機能的な定義をご案内します。

④単にやり方がわからない、というお客さまであれば、
「わたくしどものトップページ右上に『登録』というリンクがございます。そちらからお手続きができます」
という操作的定義をご案内することでお役に立てます。

どれか分からない場合

では、4つの定義のうち、今どれが求められているのかが分からない場合はどうしましょうか。
あなたが、「これかな」と感じたものから順番にご案内しましょう。

全く分からなければ、上から順番にご案内しましょう。
もし違っても構いません。人間は超能力者ではないのですから、相手の考えていることが確実に分かるなんてことはありません。落ち着いて、「失礼いたしました。それでは、なぜ登録が必要なのかが分からないということでしょうか」と、次の定義に沿って質問してみましょう。

会話の中で、お客さまの疑問が明確になってくる

お客さまが求めているご案内と違ったとしても、あなたのご案内によって、お客さまの中で「あぁ確かに今、登録について説明をされているけれど、私が聞きたかったのはこういうことじゃない」ということが段々はっきりしてきます。
多くのお客さまは「ありがとう、でもね、私の聞きたいことはそうじゃなくて…」と説明をしてくださるでしょう。
もし、ご案内の途中で遮られ、「で、どうすればいいの?」と聞かれたとしても、それはあなたのご案内が役に立った証拠です。お客さまの中で、疑問が明確になったのですから。
「ご登録いただけるということですね、ありがとうございます」と受けて操作的定義をご案内しましょう。

では、また。

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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。