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『岬のマヨイガ(2021)』を観ました。

どうしても絵を見ただけで「なんかいまいちかもなあ」などと思ってしまってすいませんでした。
東日本大震災をモチーフとした作品ってことも知らなかったし、原作が児童文学作家の柏葉 幸子 という方の作品だなんてのも知りませんでした。

震災の避難所に居た元高校生(学校を辞めたらしい)のユイ(声は芦田愛菜)と、あまりのショックに声が出なくなっている小学2年生のヒヨリ。そこに元気なお婆さん(声は大竹しのぶ)が現れ、この2人に救いの手を差し伸べるように「いっしょに3人で私の家に住もう」と言い岬にある家に住み始める。しかしその家は普通の家ではなかったのです。
ここまで知っていたら、私は間違いなくすぐに観ました。

東日本大震災が起きたことによって揺さぶられる人々の気持ち。そういうものがおかしな飾り気もなく、そのまま素直に描かれていると思いました。観終わってやさしい気持ちになるような作品でおすすめです。(私はプライムビデオで観ました)

東日本大震災を扱った作品をいくつか見ていますが、正直「大震災をネタに利用した」ように感じるものも何作かありました。でも今作にはそういうものは感じなかったのがうれしかったです。

今作でお婆さんが話す昔話の絵の感じがとってもよかったです。筆で書いたような線がぐんぐん太くなったりするのです。

私の親の世代くらいが「田舎を出て都会で新しい生き方をしていくのだ」「見えないものなんて存在しないんだ」って団地なんかに住むようになったような気がします。そして、その親の子供の私なんかは、今頃になって逆に街から山奥に戻ったようなことになったりしてて、「どうしてあんなところに出て行ってしまったのだろう」「どうしてあんなに見えないものを否定したかったのだろう」とかグルッと一回りしてしまった感じたりしています。

私の父親なんかは見えない存在の話をするとよく怒りました。「そんなものただの迷信なんだ!」「そんなもんあるわけないだろう!」と怒る姿はなにか見えないものを怖がっているようにも見えました。
ここにきて私なんかは「見えないものの存在があってはじめて、見えるものが存在してるんじゃないか」とか思ったりします。

「人のことなんか考えてると自分が足元すくわれるぞ」みたいなことにはもう耳を貸さなくていいんじゃないかと思うのです。いつまでもそんなことやってる人たちのとこからは一刻も早く離れた方がいいと思うのです。「多少イタい思いをしてもそんな寝ぼけた考えからは早く目を覚まして、ちゃんとした場所でちゃんとした人たちと生きていきましょうよ」とか思ったりするのでした。

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