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CO2排出量可視化サービスで急成長。日本発のクライメートテック。【前編】

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2022年2月創業のスタートアップ、e-dash株式会社が手掛ける CO2排出量可視化サービスが急速に伸びています。同年4月の有償版のリリース以降、すでに4,500を超える拠点で導入されています。
三井物産株式会社からスピンアウトした同社を率いるのは、山崎冬馬さん。
モロッコで巨額の発電事業に携わり、シリコンバレーでクライメートテックへの投資を手掛けていた山崎さんがなぜ起業にいたったのか、前半ではその歩みについて尋ねました。

(聞き手/川内 イオ)


山崎 冬馬氏 e-dash株式会社 代表取締役社長

建築史の研究室から商社へ

――まず、起業にいたるまでの道のりを教えてください。早稲田大学理工学部に入学した当初は建築家を目指していたそうですね。

山崎 はい。ただ、なかなか厳しい世界でしたね。同期には優秀な人たちもたくさんいて、「これは敵わないな」と才能の限界を感じたので、建築の歴史を学ぶ研究室に進みました。

――なぜ建築史を研究しようと思ったのですか?

山崎 昔から古い建築物に心惹かれるところがあったんですよね。それで大学院までは好きに勉強したいなと思って、カンボジアのアンコールワットで有名なクメール建築の歴史を研究していました。延べ1年以上はカンボジアに詰めて、遺跡の修復工事をしたり、ランドクルーザーで駆け回って学術的に報告されてない遺跡を探したりしていました。

――楽しそうな生活ですね。その研究を続けようとは思わなかったのですか?

山崎 大学に残って研究者になることもすごく考えましたし、教授もそう期待していたと思います。でも、さすがに大学院まで行かせてもらったら、世の中に貢献しなきゃという気持ちが最後の瞬間で勝って、就活を始めました。

――就活では商社志望だったそうですね。

山崎 父が商社マンで世界を飛び回っている背中を見ていたので、憧れみたいなものもありました。あとは建築史の研究をしている時、カンボジアと周辺の国、タイやラオス、ベトナムの農村にも調査で足を運んだのですが、貧富の差と同時にインフラの差も強く感じたんですよね。そこになにか貢献したいという思いもありました。

モロッコからシリコンバレーへ

――もともと発展途上国のインフラ整備に関心があったんですね。2007年、三井物産に入社後はどのような仕事に携わりましたか?

山崎 プロジェクト本部という様々なインフラ開発を担う部署があり、そこに配属されました。それからは主に電力に関する事業開発、買収などを担当しました。

――2...

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