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レジ袋は有料がよいのか? 20211013解説(というか、私見です)

ヒーロー登場?

「レジ袋、すごい!」と思ったのは、小学3年か4年か、という年頃でした。

私、実家が酒屋でして、その年ごろには店番をし、レジも打っていました。

当時(というのは、1970年代後半のこと)、お買い上げいただいた商品を入れて渡すのは茶色い角型の紙袋。

とくに防水加工もされていなければ、薄手のペラペラで強度もありません。そこに冷蔵庫から出した品物を入れれば、結露ですぐに濡れて破れます。

「コカコーラの1リットルガラス瓶」とか「大びんのびんビール」とか、ほんとに申し訳ないというか。なんとかならないかな、と思っていました。

そこにある日、「レジ袋」が現れたのです。当時はレジ袋と言わず、「ビニール袋」と呼んでいたと思います(材質的にはビニールではないってことを知ったのは、だいぶ後の話です)。

ともあれ、「レジ袋」は軽くて強くて丈夫で、濡れても破れない。しかも安い。「画期的な顧客サービスだ!」という言葉で当時考えたわけではなかったですが、「これはすごい!」と思ったのは確かです。

以降、とにかくどんどん、「袋入れますか?」、いや、聞かずとも「袋入れますね」と言って、じゃんじゃん使いました。

だんだん悪役?に

しかし、時の経過とともに、レジ袋は当たり前のものになり、ないと困るものになり、道端で風に吹かれて舞うレジ袋、土に埋もれていつまでも残っているレジ袋が目に付くようになっていきました。

やがて世の中でも、レジ袋に対する風当たりが強くなっていき、有料化論や廃止論が出てきました。

ついに目の敵に?

そして長い年月がすぎ、ついに2020年7月1日~、国の政策として、レジ袋有料化が実行されました。

それから1年。レジ袋の辞退率は7割以上で、導入前の3倍程度に増加したというニュース。

それから3ヶ月。やっぱり、有料化やめてほしいという議論も出てきているようで。

(さらに、「それ決めたのは○ではない」とか言ってる人の話題も出ていますが、それは捨て置いて)

いろいろな観点から、いろいろな論拠が持ち出されて侃々諤々の議論が行われているのは、それ自体はよいことだと思います。

で、私の考えですが、、、

有料化継続で、いいんじゃないでしょうか?

理由は、個人的には、普段持ち歩くカバン類には、エコバッグを入れるようになったので、それを忘れたとき以外は、レジ袋はいりません。

忘れたときも、コンビニの買い物であれば、そんなに大量ではないので、レジ袋はいりません。

スーパーの買い物では、そうもいかないときがあるので、そのときは仕方がない。有料で買った袋は、なるべく有効利用します。

社会的には、「辞退率7割以上」ということであれば、国民の大多数は、積極的か消極的かは別にして、有料化を受け入れ、「適応」していると考えられます。

私がこども時代にやっていたように、店側がタダであげるから、もらっていただけ、という人も少なからずいたのではないでしょうか。若い世代は、それが当たり前、というか、そうでない世界は経験することもなかったわけですし。

タダと、タダじゃない、の「差」

飲食店の「おひや」と同じで、店側がタダで出してくれるのが当たり前と思っていれば、タダでもセルフと言われれば面倒と感じ、有料と言われるとなんだよ、なんて思ったりしてしまう。

しかし、外国に行って、水はタダでは出てこない環境になれば、水を飲みたいか飲みたくないかよく考えて、お金を払って買うか、いらないか、決めますね。

タダでくれるからもらっておこう、から、いるかいらないか考えて決めよう、へ。

グリーン購入のはじめの1歩

実はそれ、グリーン購入の第1原則に則った消費行動ということになります。

1.「必要性の考慮」
購入する前に必要性を十分に考える

「タダでくれるもの」が、たとえわずかな金額でも、対価が設定されることで、「商品」同様、損得勘定の対象となり、人々の判断、そして、行動が変わるわけです。

難しく言うと、「経済的手法」。

ESD(持続可能な開発のための教育)の格好の題材ではないでしょうか。

大学の講義で、学生たちにディスカッションしてもらうにも、よい論題だと思います(高校生でも中学生でも小学生でも、よいでしょう)。

ところで、レジで、レジ袋より気になるのが・・・

先日、スーパーのレジ待ちの列に並んで、ほかより全然進まないなーと思ってみていると、前の人が、とてもたくさんの買い物をされていて、それが入るだけの大きなエコバッグをお持ちでした。

レジ係の人は、肉とか魚とかの生鮮品1品ごとに、何て呼ぶのかわかりませんが、「半透明の袋」に入れていました。たぶん10枚以上。レジ袋1枚より、資源消費量は多いでしょう。

有料化の対象外なので、どんどん、じゃんじゃん。

日本のスーパーでは、生鮮品は、たいてい「プラスチックトレー」にのせてさらに「ラップ」がかけられています。衛生的な包装という意味では、それですでに必要十分なはず。

臭いうつりをふせぐのか、ドリップがもれるのを防ぐためか、それをさらに「半透明の袋」に入れるわけですが、あれ、どの程度必要でしょうか?必要な場合もあるでしょうけど、必要でない場合の方が多いような気もします。

これも有料化したら、「いらないです」の人、増えるかな?










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