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SDGs取組事例集 20230310解説

御縁があって、先日、「東京弁護士会中小企業法律支援センターSDGsPT」の先生方とお話しする機会がありました。

東京弁護士会中小企業法律支援センターとは

まず、「東京弁護士会中小企業法律支援センター」自体について。
同センターは2014年に立ち上げられた、中小企業向けの法律相談の窓口です。

「コンシェルジュ弁護士(聴き取り担当弁護士)」と「相談担当弁護士」による2段階での紹介システム

というのが特徴です。

事業をしている以上、法務トラブルは避けられない

中小企業(なかでも小規模事業者)や個人事業主・フリーランスで、顧問弁護士と契約しているところは少ないと思われますが、契約トラブル、未払い・不払い、立ち退き、労務トラブル、知財トラブル等々に直面し、対処しなければならない場面があります。私もありましたし、これからもあるでしょう。
そういう場合に、誰に相談したらいいかわからない、弁護士の知り合いはいない、もしくは、知り合いだと相談しにくい、等々の理由で、時間だけだってしまうことで、事態が悪化していくこともあります。

「コンシェルジュ弁護士(聴き取り担当弁護士)」

そこで、まずはどんな専門分野の弁護士が対応したらよいか、無料で聞き取って、適切な相談相手を選んで紹介してくれるのが「コンシェルジュ弁護士(聴き取り担当弁護士)」。
総合病院の相談窓口みたいなものですね。

「相談担当弁護士」

で、紹介された「相談担当弁護士」と、個別具体的な相談をして、その先は問題の内容や程度等によって、対応を依頼するのか、料金はどうするのか、などは相対で決める。ちなみに初回相談30分までは無料です。
整形外科とか、皮膚科とか、適切な専門外来の診察を受けて、治療法を決めていくようなイメージですね。病院だと初診料がかかりますが、初回30分無料はありあがたいですね!

詳しくは、こちらでご確認ください。

SDGsPTとは

さて、その中小企業法律支援センターに、2021年1月、SDGsPTが設置されました。PTは、プロジェクトチーム(ProjectTeam)の略ですね。

SDGsプロジェクトチームを立ち上げました

このSDGsPTで、SDGs17の目標ごとの取組事例がまとめられて、公表されたのです。下記ページより、PDFでダウンロードできます。

東京弁護士会中小企業法律支援センターSDGsPTにおいて、「SDGs17の目標 取組事例集」を発刊しました

いきなり事例探しを始める前に

企業がSDGsに取り組む際の壁

SDGsについて、「知らない・わからない・関係ない」の壁を何とか越えた後に来るのが、「何をどうしたらよいかわからない」の壁です。逆に、「何をどうしたらよいかわからない」という先入観があるために、「知らない・わからない・関係ない」と他人事の姿勢を強化・正当化したくなり、自分で壁を高く堅くしている、という面もあるかもしれません。

そこで、「何をどうしたらよいか」探しのために、この取組事例集が有用です。また、じっくり見ていくと「あれ、自社でやっていることが載っているよ」という発見もあるかもしれません。

WHYから始めよ

ただ、個々の事例を見る前に、「はしがき」をじっくりと読んでいただきたいと思います。そこには、

企業がSDGsに取り組むべき理由については、①パーパス、②イノベーション、③コンプライアンスの3つの観点から整理することが可能です。

と書かれています。
上記3つのキーワードについて、私なりに簡単に説明すれば、、、

  1. パーパスとは、企業が何のために存在するのか。

  2. イノベーションとは、価値を提供し続けられる会社であるために、社会と市場に自社を適合させ続けること。

  3. コンプライアンスとは、法令遵守を基本として、「よい会社のよい会社」であり続けること。

といったところでしょうか。
WHYから始めよ、というのは、「ゴールデン・サークル」で有名なサイモン・シネックの著書名ですが、パーパスとはまさに、企業が存在する理由=WHYです。
暫し、ここに思いを致してから、取組事例集の個々の取組=WHAT探しをしてみてください。

※一部内容、訂正しました。

この記事を書いたのは・・・

サステイナブル歴30+2年の「眼」

SDGs/ESGに関連するキーワードを勉強するならこの本で

  • 1回目:キーワード解説集として読む。基本的に、1キーワード3論点でまとめてあります。問題は解かずに、解説を読んで内容を理解する。それから、「どこを問題にしたのかな?」と問題文の選択肢と、解説文を見比べる。そして、不正解肢はどれで、解説文のどこをどう変えたかを確認する。

  • 2回目:知識の定着度を確認するために、問題を解いてみる。そのときに、1回目の思考のプロセスを思い出す。

  • 3回目~:実際に銀行業務検定試験を受ける方は、全問正解になるまで繰り返す。