「わぁ」と歓声、6日ぶりに給水再開 20211010解説
和歌山で、「水道橋」が落ち、隣の「道路橋」に臨時の水道管を設置して、給水が再開されました、というニュースです。
6.すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
確保されていると思っていたものが、一瞬でそうでなくなったことで、あらためて、水の「ありがたみ」がわかりました。
SDGsのゴール6番。そして、ターゲット6.1・6.2です。
6.1 2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する。
6.2 2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女子、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。
11.包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
今回の橋の崩落が、どのような原因で起きたかの究明はこれからですが、元々、橋梁の維持管理は、大きな問題でしたし、これから、ますます大きな問題になっていきます。
SDGsのゴール11番。そして、ターゲット11.1。
11.1 2030年までに、すべての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。
橋梁にかぎらず、一度作ったインフラは、ずっと維持管理が必要ですし、維持管理の限界に到達する前に、更新しなければなりません。
それには、お金がかかります。それも、作ったときよりも、確実にたくさんのお金がかかります。
この30年(1990年代以降)はずっとデフレですが、その前(1980年代まで)はインフレでした。
今よりも物価の安かった50年前に作ったインフラを、同じスペックでつくるのに、同じ金額で済むわけがありません。
9.強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
でも、「同じスペック」でよいのかどうか?も考える必要がありますね。どうせインフラを更新するなら、何十年も前につくったものより、さらに「質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)」なものにしたいですよね。過剰スペックは不要ですが。
となると、SDGsのゴール9番。そして、ターゲット9.1。
9.1 すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。
ますます、お金がかかる話になります。お金をかけずに、「質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)」なインフラが作れる方向での技術革新が必要です。
8.包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
それにしても、今あるインフラは、いずれ使えなくなり、更新が必要になり、お金がかかることは間違いありません。ということは、その原資を生み出すための経済成長が必要不可欠です。
SDGsのゴール8番。そして、ターゲット8.1・8.2。日本の状況に応じた、一人当たり経済成長率はどのくらいなのでしょうか?
8.1 各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。
8.2 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
ちなみに、国土交通省所管のインフラだけに限ってみると、30年後の維持管理・更新費用は1.3倍になるようです。
なお、冒頭取り上げた「水道」は、厚生労働省所管であり、事業主体は基本的に自治体であるため、上記の推計には含まれません。
和歌山の水道橋崩落という一事例から、「インフラの高齢化」問題について、SDGsの観点から考えてみました。
海外では
こちらはレバノン、停電のニュース。
経済危機により燃料輸入ができず。