ミッションクリティカルという呪縛
さて、利益相反シリーズの最後は、経営者としても最も悩ましい話。
ミッションクリティカルについてだ。
ミッションクリティカルとは、ユーザーの生活や社会活動に影響を及ぼしてしまうようなサービスに向けて言われることが多い。
まぁ、簡単に言うと人の生死とか安心安全とか、生活インフラ(電気ガス水道通信など)はミッションクリティカルと言われる。
コロナになってから、エッセンシャルワーカーという言葉も流行ったが、社会インフラを支える人間は、昔からこういう仕事というかサービスの定義をしてきた。
さて、ミッションクリティカルの何が難しいか?
ミッションクリティカルとはいえ、デジタルトランスフォーメーションの時代になり、サービス提供速度の改善が求められている。
では、クラウド移行して良いものだろうか?
では、今までのような品質重視の製造をヤメて良いものだろうか?
どんな手法を取ろうともQCDSのバランスを保たなくてはイケないのは変わらない。
速度を上げれば品質が下がるのだ。これは、摂理だ。
(もちろんコストも上げられない)
顧客の要求(早く、安く、品質良く)に無理がある。
そして、経営者が悩ましいのは、ミッションクリティカルな業務は大体が業法というものがある。
止めたら国に怒られるのだ。たまに通信会社とかが謝罪会見をしている。
しかし、当然だが、できることとできないことがある。
経営者は、これをしっかりゾーニングし、余計なコストをかけないこと。ミッションクリティカルに引っ張られないようにすべきだ。
また、SLO(サービスレベルの指標)を明確にし、100%の安心安全完璧の夢を抱かせないことだ。
もちろん、社内でもしっかりと分けて議論する。
できれば体制も分けないと、1担当者の右脳と左脳がごっちゃになる。
ミッションクリティカルは呪縛だ。引っ張られる。
100%を守ろうとした方が判断も無く楽だし、反省や改善も示しやすい。
しかし、それだと、会社の成果は上がらない。
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