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高い方向転換能力には「1歩前の足の接地(Penultimate foot contact)での減速」よりさらに前の接地での減速能力が重要?

高い方向転換能力・アジリティには減速能力が重要であることをこれまでもご紹介してきました。

高い減速能力を発揮するためには、高い筋力・パワーを発揮できることが重要です。
エキセントリック収縮での筋力発揮が要求されることや、短い接地時間での力発揮が要求されることから、エキセントリック収縮での筋力トレーニングやプライオメックトレーニングがトレーニング方法として有効であると考えられます。

またスキルではPenultimate foot contact(切り返し足の1歩前の足での接地・最後から2番目の足での接地)での減速が重要であることが知られており、以下の2つの記事で取り上げています。

筋力・パワーが重要であることはもちろんのこと、それを発揮するためにも動作スキルのレベルを上げることが大切です。

減速

減速能力の関連過去記事
アスリートのアジリティ・減速能力を高める Penultimate footの使い方 ~傷害予防・パフォーマンス向上のために~

反力と重力を使ったサッカー選手の減速スキル <総まとめnote>


Penultimate foot contact(以下:PFC)での減速は実際のスポーツにおいて多くのシチュエーションで観察することができます。

しかし同時に本当にPFCが重要か?と感じるシチュエーションも多いのです。

今回の記事では以下の論文をもとに、これまでの主張とは異なる、
PFCでの減速が重要!とはいえないのではないか?
という視点で減速能力に関して書いていきます。

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■Antepenultimate foot contact(切り返し足の2歩前の足) がPFCより減速能力に貢献する?

上記の論文は、以前より紹介している2017年のPFCに関する論文(こちら)と同じ著者が執筆したのものです。

この研究ではPFCだけでなくさらに前の接地 APFC: Antepenultimate foot contact(最後から3番目の接地:切り返し足の2歩前)に注目しています。

APFCほか

・Antepenultimate foot contact(切り返し足の2歩前)
・Penultimate foot contact (切り返し足の1歩前)
・Final foot contact(切り返し足)

❶上記3つの接地での地面反力の特性の違い
その特性と方向転換走タイムとの関係性

を検証しています。

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