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サッカー選手の素早い方向転換のための3つのポイント

「反力」と「重力」を使ったサッカー選手の減速スキル <総まとめnote>では、減速に関して、

アジリティの構造とトレーニングのヒント <無料PDF資料>では、アジリティの基本を書きました(こちらはPITTOCK ROOMの記事ではなく、一般公開の記事でした。もしも読んでない方はぜひそちらからご覧ください。)

180°の方向転換のように、方向転換の角度が大きければ、より減速の重要性が高まります。

逆に、方向転換の角度が小さければ、例えば斜め前方の角度で方向転換するのであれば、可能な限り減速せずに方向転換したいです。

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減速に関しては、上記リンク記事を参考にしていただくとして、今回は、減速の重要性が低くなる前方への方向転換、また、減速後の方向転換→加速をより効率よく、素早く行うための考え方、方法をまとめます。


■カッティング(オープンステップ)とバックフット・フロントフット

方向転換のステップには、一般的に

・カッティング(オープンステップ)
・クロスステップ

の2種類があります。

今回は特にカッティングに注目していきます。
(サイドステップやバックステップなどもありますが、ここは今回は触れずに次回以降にします。)

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アジリティの構造とトレーニングのヒント <無料PDF資料>より↑

カッティングは、方向転換の伴うスポーツでは基本になる動きです。
右→左→右と順に足をついていくパターン(1ステップ)と、右→右→左のように同じ足を2回連続で接地するパターンがあります。

2ステップは、サッカーやアメフト、ラグビーのオフェンス側で頻繁に見られるステップです。マシューズフェイント(最近は言いませんね笑)と呼ばれるのは2ステップになります。

このカッティングでも、バックフットとフロントフットの使い分けが重要になります。

バックフットとフロントフットをもう一度確認すると、

進行方向側の足:フロントフット
進行方向と反対側の足:バックフット

です。

180°の方向転換では

■減速時のバックフットでのより大きな減速
■方向転換時のバックフット(切り返し足)での
  ・小さな減速
  ・大きな進行方向への出力
  ・短い接地時間

が重要でした。

参考
Mechanical Determinants of Faster Change of Direction Speed Performance in Male Athletes.

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「反力」と「重力」を使ったサッカー選手の減速スキル <総まとめnote>では、「減速」に注目して書きましたが、ここでのポイントは前方への方向転換や、方向転換以前に大きな速度が伴わない(減速の必要がほぼない)方向転換でも重要なポイントです。

以下の動画は、方向転換以前に大きな速度が伴わない(減速の必要がほぼない)方向転換です。
静止状態から右方向へ移動しますが、この時、左足がバックフット、右足がフロントフットになります。

・外脚(バックフット)は方向転換のための姿勢を作る&進行方向への推進力(スイッチ・きっかけの役割)を生み出す
・内脚(フロントフット)で加速する

がポイントになります。


1. バックフットでスイッチを入れる

カッティング動作を行うバックフットをつく位置によって、下図のように効率の良い力発揮ができるかどうかが変わります。
もちろん遠くに接地すればよいというわけではありませんが、まずはバックフットでのスイッチと姿勢を作ることが素早い方向転換の第一歩と考えられます。

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