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慶大2023年小論文、良問ベストは総合政策学部!(by 独断と偏見)

毎年楽しみに待っている慶大入試ファンの一人としてひとこと言わせて!

という恒例の記事です、はい。年に一回くらい許してほしい。

私は慶大で出題される小論文のファンで毎年楽しみにしてます。

(って毎年書いてますが、今年もまた書かせて頂きます)

今年(2023年)の総合政策学部の出題はとても良かったです!

慶大五学部のなかで今年一番の良問だったのではないでしょうか。

逆に学部内で問題になりそうなのが経済学部です。

21年の非対称性とか19年のダイバーシティとかは凄く良かったのに!)

ともあれ、今年はこのような感じ( )でした。


【 2023年・慶大入試小論文(一般)五学部の寸評 】


文:現代文化・芸術に関するほぼ想定内の出題

 → スタンダードで取り組み易かった。

法:国家民主主義について問う伝統的出題、情報技術を絡めたのが注目点

 → 恒例の思考の自由度が高い出題、具体的な解決策を求めたのは新傾向

経済:合理性について問う出題、電車の席を題材としたのに驚き

 → 題材の選択に失敗か、行動経済学のいまいちな研究みたいな・・

総合:大学教育について問う出題、J・S・ミルと経団連の提言を対比

 → デジタル化やGX(企業経営の環境シフト)など最新テーマを絡めた

環境:都市郊外での暮らし・建築・自然・生命などについての研究を構想

 → さいきん多い数学的設問はなく、文章を比較して論じる文系的な出題


・・・というわけで。以下、個的な見解です。

学部内で物言いがつきそうなのが経済学部。

事例えらぶのに失敗したのではって言われそう。

行動経済学かゲーム理論の観点で出題しようとの意図だろうとおもうので。

電車の席でなく待機児童や旅行支援(GoToなど)を選ぶべきだったのでは?

(電車の席とちがって公益性かなりあるし多様な案が期待できる)


総合政策学部はそれと対照的でした

①いままさに重要なテーマ(DXやGX)を扱っており、

②事例の選択(大学教育と社会的要請との関係を問う)が的確で、

③意見の分かれるテーマで自分なりの考えを示さねばならない。

いやもう、三拍子そろってて完璧じゃないですか!

今年は文句なしに総合政策の出題が一番じゃないですかね。


例年、総合政策学部の出題にはいろいろ言ってしまいましたが・・

    ↓      ↓

    ↓      ↓


今年の総合政策の小論文は、読書について考えさせるところも面白い。

(このテーマ、もうしばらく総合政策では出題されないでしょうが・・)

一方では大学教育や読書のように普遍的なテーマを出し。

他方ではDXやGXのような現代的テーマを出すバランス感覚が絶妙です。


※「DXやGXって何?」という受験生はコチラ( ↓ )参考にして下さい。

DX:「デジタルトランスフォーメーション」の略称

 → 企業がデジタル化を進め、産業構造が変化すること

GX:「グリーントランスフォーメーション」の略称

 → 脱炭素に向け産業構造や社会構造を変えてゆくこと


じつは私、GXという用語が出るのは予想外だったのですが。

環境問題とデジタル化は重要テーマとして事前に挙げていたんですよ。


 ↓ こちらで説明してます。


しかも〝デジタル化の遅れ〟が課題ってハッキリ書いてますからね。

対処を考える必要がある項目も具体的に明示してました。

(もちろん合格の知らせが続々届いたことは言うまでもありません)


【まとめ】

テーマ・事例選択において的確、かつ思考力を求める出題でした。

難易度も適切で手応えあり、直近の総合政策の出題は良問が続いています

今年は慶應法や環境情報の実験的な出題も注目されますが。

完成度や求められる深さという点では総合政策がより高く評価できます。

過去問と時事を分析し入念に準備することの重要性が分かる出題でした。

次回もまた、今年のような質の高い出題に期待しています!


【解くためのヒント】

最後に今年の志望者の皆さんへ総合政策2023年の問題を解くためのヒント。

①DXやGXは今まさに重要なテーマ、ある程度の知識が必須。

 → どちらか一方だけでも、分野・事例・背景など調べておくべき

②問1は古典的テーマ、教養重視・専門重視・その中間のいずれかで書く。

 → 文章①と文章②の比較を主軸として③か④を絡めると書き易い

③問2が差のつく設問で、実際の政策を事例として挙げなければならない。

 → 海外だと先進的事例、国内だと「知」の活かされてない事例が好適


これらを元に、「自分だったらどう書くか」が重要になります。


なお大手予備校でも2023総合政策の解答例だしてますが。

現役生におススメできる例はこの大手予備校の例4です。

 ↓ ここは解答例が4つもあり受験生が参考例を自分で選べるのがいい!

https://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/23/

例4で取り上げられたスペイン風邪や「戦争と平和」は世界史で習います。

(トルストイの「戦争と平和」はナポレオン戦争とロシア遠征が舞台に)

世界史選択の受験生にとっては参考になるのではないでしょうか。

ただ論の展開については更なるひと工夫できるようにしておきましょう。


以上です。2023年の総合政策の問題を解く際には、参考にして下さいね!

ご質問などはこちらまで。 → 慶大入試小論文を12年連続で的中/ Twitter







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