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国際女性デーに思い出す話

先週の水曜日(2023/3/8)は、言わずもがな国際女性デーでしたね。LinkedInやらFacebookやら、何やらにその投稿が溢れていましたが、個人的にはだいぶ前に聞いた前職時代の女性リーダーの教えが、今の私の基礎になっているので、ちょっと遅れた投稿ですが、今回はそのシェアをしたいと思います

前職は15年ぐらいアメリカの会社にいたのですが、今じゃもうそんなに聞かないコングロマリット(conglomerate)企業だったので、15年の前半は不動産金融ビジネスに身を置き、後半はヘルスケアビジネスに転籍をして、2つのビジネスで働きました(ビジネスサイクルの早い金融から、遅いヘルスケアへの転籍・・・これはこれで思い出話が結構ありますので、それはまた別の機会にでも)。今日の思い出話は、不動産金融ビジネス時代の話なので、もう10年ぐらい前の話ですね(そんなに私歳取った???大汗!)

今じゃ5年ひと昔と言われるから、10年前なんてもう2 Decadesとかそんな感じになって、その話今じゃもう通用しないんじゃないか?と、思いきや、そうでもない。今の世の中でも十分私の教訓として、生きています

さて、どんな話かというと、アメリカ本社からアメリカ人女性CIOが来日しまして、"Women in IT"みたいなタイトルで、「女性技術者を増やそう」的なキャンペーンのシェアを設定されたRound Tableがありました。要は今日本で叫ばれている女性活用とか、女性マネージャーの比率を上げていこう!のアクションの1つだったのですが、やはりRound Tableの出席者として選ばれたので何か質問せねばならないと思いまして、当時の無い知恵絞って考えた質問が「日本でこのキャンペーンをやるのは理解できるけれども、どうしてアメリカでやっているの?勝手なる想像だけど、日本より働いている女性は多いからそんなことしなくても増えるきがするけれども・・・」でした

そして、この質問をそのまま彼女にぶつけたのですが、その時に彼女の回答をこの国際女性デーに思い出すのです。彼女の回答は、こうでした

「まず第一に、性差として一般的に、女性は男性よりもアピールが下手です。もちろん、個人差はあるけれども、女性は今までの教育や生活環境も相まって、自分が達成したことを『このぐらいはやって当然』と思いアピールしません。それに比べて男性は、ちょっと何かをやっただけで、如何に自分が優れた結果を出したのかをアピールします。オス、メスの観点で考えても実はとても理にかなった行動であるともいえます」

「なので、私たち女性はまずアピールをすることに慣れなくてはいけないし、効果的にアピールできる方法/手段を考える必要があります。何故かというと、女性がAggressiveな言葉を使うと『気が強い人』と映り、男性だと『リーダーシップがある』と映ります。正に、無意識のバイアス/偏見(Unconscious Bias)があるわけです」

と、前置きをした後に、彼女の物語が始まりました

「私は転勤を一切受けずにCIOになりました。子供達の教育と夫の仕事を犠牲にして、私に付いてきてと言える立場ではなかったの。だから、人一倍アピールをする必要があったのよ。転勤をしなくても、彼女にはやる気があるんだ、彼女はReadyだって思ってもらわなくては、こういったポジションは手にできないものなのよ」

「私がそれに気が付いたのは、とある経験からよ。私の上司が違うポジションに異動してね、その席が空いたの。そう、ちょうどクリスマスホリデーの直前だった。もちろん、私もそのポジションをやりたい!できる!って思ってたわよ。毎年の年末の総括(年間の自己評価)にも、この先マネージャー職をやりたいって書き続けてたし、人事だって知ってるってわかってた。だからね、クリスマス・イブの日もオフィスにいて、一生懸命仕事ができる姿をアピールしていたの。そしたらその日にね、私の同僚の男性がそのポジションに選ばれたってアナウンスがあったのよ。わかる?こんなに一生懸命働いているのに、何故自分が選ばれなかったのか?という惨めな気持ち。その男性はそのアナウンスメールにReply Allして、『今、家族とホリデーを楽しんでる!とても嬉しいクリスマスプレゼントだ!』とか言うの。オフィスには私だけよ・・・本当に惨めだった」

「でも、私はそれで終わらなかった。惨めな気持ちをどうにかしないとダメだと立ち上がって、異動する上司と担当人事と話したわ。何故、彼が選ばれたのか?何故私じゃないのか?それを聞いたの」

「そしたら、担当人事は『え?マネージャーポジションやりたかったの?』と聞いてくるし、上司も『今の仕事が好きだからずっとそれをやりたいと思ってた』と。私の事全然理解していなかったのだけれども、その時にハッキリ上司に言われたのよ。『君は黙々と仕事をしてどうしたいのかがよくわからなかったけれど、彼はこれを達成した、あれを達成したと着実に前に進んでいるのもわかったし、彼の成長だって手に取るようにわかってたし、何よりも彼がこのポジションをやりたいって僕は知っていたから』と。わかる?私は自分で思っているだけで終わってたの。誰にも何もアピールしていなかった。他人には全く違う自分が映ってたってわけ

「だからね、女性マネージャーを増やすには、自分がやりたい事、できる事を先ずはアピールしなさい、ってみんなに言っている。年末の評価に書くだけで満足してちゃダメ。年末の評価だと年に1回しか話題に上らない。それって多分国は関係ない。性別だと思う。待っていても欲しい物は手に入らないわよ。本当に手に入れたいなら、自分から掴みにいきなさい」と、最後はポジションを超えて、一人の女性としてアツいメッセージをくれました

それからというもの、私も自分がどうしたいのか?何ができるのか?を、上司と人事には事あるごとにしつこく言うようになりましたが、使う言葉の種類によってAggressiveとなってしまうところが、結構紆余曲折(これまた別の機会の話にでもします)していて、ここが日本企業ではもう働けない感じなんだろうと思っています

しかし、国際女性デー当日にあった日経ビジネスのイベント谷口 真美さんが「管理職になりたくない女性が多いのはどうしたらいいか?」という質問に「そもそも採用の時に管理職になりたい!という女性を採用していますか?」と返していたのに納得して、私も次の転職は日系企業でいけるかも?と、淡い期待をしたそんな日でした~!


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