少年ジャンプ2024年21号感想
前号:少年ジャンプ2024年20号
次号:少年ジャンプ2024年22号
2024年 4月22日 発売
表紙:極東ネクロマンス
巻頭カラー:極東ネクロマンス
センターカラー:願いのアストロ
センターカラー:アオのハコ
表紙は新連載の極東ネクロマンス。次回予告のカットで見たときは黒髪のキャラクターは女性だと思っていたんですが、普通に男性でしたね。テンマクキネマのときも同じこと言ってたな……と懐かしくなりました(マンガのキャラクターの性別がわからなくなりがち)。
あと普通にセンターカラーは2作品でした。
極東ネクロマンス
巻頭カラー
世界観を表したコンセプトアート的な「願いのアストロ」とは対照的に、メインキャラクター2人のイラスト。これはこれでインパクトがあっていいですね。おそらくキーアイテムになるだろう指輪もちゃんと対になっていてオシャレ。手前の飲み物も対になっているんだと思うんですが、文字で隠れちゃったのがちょっと残念ではあります。
第1話 スピリチュアル
私は前作をまだ読んでいないのでこれが初めての那波先生の作品になるんですが、さすが連載経験者だけあってとても安定した1話だと思いました。先週も同じことを言ったような気がしますが、絶対評価なのでこういうことが起きることもある。ご了承ください。
主人公である宇埜薫の紹介、相方(?)との出会い、事件を通して「死霊術士」を知って弟子入り(?)までの流れがとてもスムーズ。見るからにクセの強そうな天涅と薫の接点はどうするんだ?と思っていたんですが、そこは天涅と宇埜の父親がかつての仲間だったというエピソードで自然に話が進んでいく。
薫の祖母のピンチで驚いている場合じゃない!という状況下で死霊の登場&初使役と少年マンガらしい展開。ざっくりした説明はありましたが、細かい説明を次回以降に回して(もしかしたらない可能性もありますが)この話をすっきりさせているのもよかったです。
主人公+亡き父の同僚という組み合わせは最近だとカグラバチもそうなんですが、それぞれのキャラクター性の違いで全く違った味になっているので、物語ってすごい。
死霊に関して、特に使役している方についてはまだ見た目くらいしかわからないので、そのあたりが明かされる(だろう)次回が楽しみです。
それにしても現状、退魔もののマンガは呪術廻戦、鵺の陰陽師、累々戦記がある状態なので(累々戦記は今週で連載終了ですが……)、そこにこの新連載が来るのもなかなかすごいなというのが本音。ただ、この辺はそのときの流行なんかもあるので、そういうこともあるのかもしれません(実際、ジャンププラスの読み切りも退魔ものやオカルト系が結構多い気がする)。
ONE PIECE
鬼の子ヤマトの金稲荷代参
vol.3「餞別をやるから一つ頼まれてくれヤマト」
ぱっと見た瞬間、お小遣いをもらってるみたいに見えて(お小遣いだとは思う)、なにか見てはいけないものを見てしまった気がしましたが、別にそんなことはなかったです。多分錦えもんには城を出る暇がないため、何らかのお使いを頼まれているだけでしょう。
次に誰が出てくるのか楽しみです。
第1112話 〝ハードアスペクト〟
普通にサブタイトルの単語の意味を知らなかったので調べてみたんですが、西洋占星術で使う用語で「緊張や切迫した状態や不協和音」を表すらしく、太陽系の名前を持つ五老星が大暴れしている現状を示すにはなかなかぴったりな単語だなと思いました。ちょっとググって調べただけなので間違った解釈をしていたらすみません。
島の色々な場所で色々なことが起きているため、場面転換で忙しい回でした。
北東海岸:ボニー、フランキー、アトラス、くま(負傷)、巨人
研究層:ヨーク、マーズ聖
司令室:ステューシー、カク
研究層(裏口):サニー号、ナミ、ウソップ、チョッパー、ロビン、エジソン
島内:ルフィ、ドリー、ブロギー
多分こんな感じ?
北東海岸にナス寿郎聖、研究層(裏口)にサターン聖、島内ルフィのところにピーター聖(死んだ?)、ウォーキュリー聖で、マーズ聖はヨークと共にパンクレコーズへ……というところで〆。満遍なく五老星が散らばっているため、各所で戦闘が起きそうな雰囲気です。
戦闘力低めの北東海岸とサニー号付近が心配ですが、今回姿を見せていないゾロ、ジンベエ、サンジが上手く散らばってくれるのかもしれません。迷子になっている可能性もある。ステラのことも心配だし、配信も早く始まって欲しいし……。
しかし、さらっと言っていますが、ステューシーがここに残るって……、死ぬってこと!?ここに残ったら普通に殺されてしまうと思うんですが、そんなことになって欲しくなさ過ぎる。その上エジソンも自らバリアに突っ込んで破損、と想像以上に損害が大きくなってきていてめちゃくちゃ不安。エッグヘッドに到着した頃はここでこんなに大きな戦いが起こるなんて全然思ってなかったので、マジで最終章って怖いなと再認識しました。
来週は表紙&巻頭カラーとのことなので楽しみです。
夜桜さんちの大作戦
作戦223.軍団
ぬるっと全面戦争の火蓋が切って落とされ、前哨戦は怪獣大戦争となりました。ゴリアテの活躍を見るのは随分久しぶりな気がします。
ここでいきなり巨大犬 VS 巨大タコ VS レビヤタンというのもすごいセンスだ。というか、レビヤタンがこういう再登場をすると思っていなかったので結構意外でおもしろかったです。
これには成田良悟先生もよろこんでいました(なんで?)。
旦の目的が「双子」であり、「危険な存在」「取り除かなければならない」というのもなんだか不穏。ここは旦とは別件でなにか大きな問題がありそうですが、太陽たちから見ればそんな旦を許せるはずもないというムーヴがかっこいい。
ここで草助が出てくるっていうのも、なんだか大詰め感があります。個人的に序盤に出てきたキャラクターが物語終盤でも登場する展開が好きなので、他にもこういうキャラクターが出てくることに期待したいと思います(辛三の披露宴だけで終わって欲しくないキャラクターもいるため)。っていうか草助は言うほど序盤のキャラクターじゃないかも。
願いのアストロ
第2話 アストロ
今回も手堅くまとまった回でした。
世界がめちゃくちゃになってしまったので、現状どうなっているのか?という世界観を描きつつ、最初の敵対勢力となりそうな獅鷹サイド(鷹派だから名前が獅「鷹」なのか?)を描写、その下っ端とのバトルまでのきれいな導線が魅力的。いい意味で物語がするすると頭に入ってくるところがよかったです。
説明回にならないよう、2話で対人バトルを入れているのも流石なんですが、
「このドスをにぎって星に願った…」
「素手で人を殺してぇってよぉ」
これはキレキレすぎる。星にそんなん願うなすぎるし、ドス使ったら素手じゃなくない?すぎる。だからこそドスと合体=ドスを使っても素手という状態になったのかもしれませんが、そういうこと?言葉選びにセンスがありすぎて今後の期待も高まります。
相手勢力の下っ端を追っ払ったヒバルがその地を治める形になったのを見ると、もしかしてここから先は勢力争い、陣取り合戦のような形で話が進んで行くのか?という気もします。そもそもヒバルの目的自体が「極道」である以上、組織作りは必須になってくるのであり得ないこともなさそう。この「組織作り」は少年マンガとも相性がいいし、それこそ東京卍リベンジャーズでも得意としていた分野だと思うので、強みを生かしたいい展開だなと思います。
来週も100Pくらい読みたい。
超巡!超条先輩
第11話 非番の巡査長
11話にして回を跨ぐ大きなイベント回だなと思ったんですが、既に警視回で2話分割はやってましたね。話の流れ的には3話以上続く可能性もありそう。
犬養・恵那院のかっこいいカットと世間体、今さら知っても感が強く、この時点で相当おもしろいのがすごいを通り越して怖くなってきました。こんなおもしろいことあるんだ。
また、激重の警視と言えど仕事中(超条に関わっているとき以外)はしっかりしている&他人に迷惑をかけない(超条は他人ではないのでセーフ)、というラインをちゃんと守っている辺りのヘイト管理も上手かったです。警視がキモくならないようにする=メタ的にも警視にヘイトが集まらないようにする、というところで適度な緊張感もあってとにかくおもしろい。
メタ的に言えばこのまま超条と犬養が出会わないはずもないので、超条がどう出るのかというのが楽しみです。しかし、そもそも超条側も犬養にキモさを向けられることを好んでいるわけではなさそうなのでマジでどういう展開になるんだ?という気持ち。
溜め回でこのおもしろさっていうのも恐ろしいですね。
呪術廻戦
第257話 人外魔境新宿決戦㉙
人外魔境新宿決戦もそろそろ㉚になろうかというところで1Pに収めていいのか?という量の怒濤の情報が開示されました。個人的に芥見先生はこういうのはちゃんと説明したい方だろうと思っていたので明かされたこと自体に驚きはありませんが、タイミングと量には普通に驚く。
私と両面宿儺との出会いは地獄先生ぬ~べ~ですが、「呪術廻戦の両面宿儺は片面しかないんだな(?)」という疑問がこんなところで解決するとは思っていませんでした(これは両面=双子という解釈に基づく発言)。
宿儺が生まれる前に双子の片割れを食う(片割れ死亡)
この片割れの魂が巡り巡って虎杖悠仁の父に転生
虎杖悠仁の父と羂索(女の体)の間に虎杖悠仁が生まれる
(そのため?)虎杖悠仁の体には元々宿儺の指が封印されていた。
なるほど!(?????)
わかるけどわからないことが多すぎてびっくりマークよりもクエスチョンマークの方が多くなってしまう。言ってることはわかるんですが、なんかもう無茶苦茶なことになってきたなという印象もあります(悪い意味ではなく)。
あと地味に虎杖の体に宿儺の指が封印されていたのが魂の因果関係を発端としているのかどうかが微妙ですね。宿儺の言い方的にこれは自然に発生したことではなく、羂索がやったってことっぽいかな。
この情報を出してから「対!」って感じの4~5ページ目を出してくるセンスが最高。
私は術式系の設定はあまり覚えていない読者なんですが、虎杖が宿儺と同じ「御廚子」の術式を使えるというのはアツいし、同じ術式が術師によって差異があるというのもおもしろかったです。この場面で言うのもなんですが、切り取り線が出るのはかわいい。この切り取り線シールを発売して虎杖御廚子ごっこをさせて欲しいです(したいか?)。
このタイミングで七海周りの伏線も回収、更に黒閃、と高専側の猛攻が続き、流石にこれはこの物語のラストに近付いてきているのかも……、と感じさせる雰囲気。ここはもう「主人公だから」でもいいんですが、虎杖がここまで黒閃を連発させることができるのにはなにか設定があるのか気になります(単に「出すのが難しい」技ならあんまり気にならないんですが、黒閃ってどっちかと言うと「技」というよりも「現象」のように感じるので、それが連発できるのはなにか意味があるのかな?という疑問)。
アオのハコ
カラー
ハンガーに干されている面々がそれでも個性を出しているのがかわいい。三浦先生のこういうミニキャライラストっていつもかわいいので、このミニキャラでフレークシールとか作って欲しくなります。というか、三浦先生によるジャンプオールスターミニキャライラストとかめちゃくちゃ見たい。そう言えば最近そういう企画あんまり見てないな。
#146 お互いさまです
大喜、千夏組はしっかりテスト、しっかり部活、それから夏祭りへと相変わらず堅実なおつきあいを続けていていいですね。大喜の気遣いも千夏先輩の照れもマジでいい。正直なことをいうと、付き合ってから順風満帆なカップルの様子を見る楽しみってなんだろうと思っていたこともあるんですが、アオのハコを読んで完全に考えを改めました。このまま2人が順風満帆に過ごし、幸せになるところを見ていたい。
順番が前後しますが、逆にちょっと不穏な空気が出てきたのが匡と菖蒲(ここはもうフラグが立ったということでいいんだろうか……)。匡が元々好きだった人、という相手がこういう形で出てくるのはかなり心がざわつきます。でもアオのハコであからさまな悪女仕草みたいなものを見たくない!!!という気持ちがあるので、今後の動向が気になります。
あかね噺
第107席 昔の名
打ち上げ中に父と会話するあかねを見て、ここであかね噺の山のうち、1つを越えたんだなあとしみじみ……。二ツ目の推薦が確定したことだけではなく、あかねの「楽しいよ」という言葉によって「父と落語」の物語がようやく終わったのかもしれない、と思って胸がいっぱいになりました。父がしっかり「悔しかった」ことも伝えられてよかったなと思います。
そしてここからが問題なんですが、私はあかね噺の登場人物の名前と芸名(?)的なものをあまりちゃんと覚えていなかったので、「なにか大変なことが起きてるんだ!」くらいしかわからず……、もっとちゃんと人間関係に着目しておけばよかったなと思いました。これは言い訳ですが、誰が誰の弟子で、どこの派閥がどこの派生で……とかを覚えるのって大変で……、そのうち図解とかあるとうれしいです(完全に人任せになってしまった)。
それにしても過去のわだかまりは元を辿ればさらに過去のわだかまりに行き着く辺りは「人間」の物語ですね。
ここまででもかなり情報量の多い回でしたが、ここからさらにまいける兄さんの真打昇進試験の話まで持って行ってからこの回を〆るんだからマンガが上手い。
SAKAMOTO DAYS
DAYS 163 厄
先週の引き、これは篁さんだな……、からの篁さん登場。どこに行ったんだろうと思っていたらトイレだったのはちょっと笑ってしまいました。
というか、思っていたよりもスラー陣営に人数がいたことに驚き。言われてみればJCC編で結構な信者を得ていたのでこういうモブ構成員がいてもおかしくないとは思いますが、今まであまり語られていなかったので幹部しかいないものだと思ってました。幹部格の宇田くんはともかく、こんなにスパイに入り込まれている殺連って大丈夫なんでしょうか。美術館の警備もバッチリ!とのことでしたが、その人員の中にスパイがいるんじゃちょっと話が変わってくるような気がします。
しかし、このスパイ達はさくっと篁さんにやられて退場。トイレでこんな攻防が起こるの、怖すぎる。トイレの鍵開けた意味、全然ないし……。
正にホラーマンガの様相で表れた篁さんの戦い方は正に格の違いを感じさせるもので最高でした。最初気がつかなかったんですが、首を切られた人の視点で鏡に映った自分の生首を見ているシーンとか……、気がついた瞬間に「こんな構図見たことない!!!」みたいなテンションになりました。マジで構図と演出が上手すぎる。
その間に坂本たちはまた一悶着。さっさと有月を殺せという赤尾と、ずっと赤尾の人格でいればいいと提案する坂本・南雲。南雲はちょっと怪しいですが、坂本視点だと「赤尾でいて欲しいから」というよりも「赤尾の人格でいた方が死人が出ない」というところを重視しているっぽい感じで、それなら納得できないこともない。
しかし赤尾からしてみれば「私が乗っ取っちまったら有月の人生はどうなんだよ!」というのももっとも。殺されるのはよくて、乗っ取るのは駄目ってどういうこと?と一瞬思いましたが、これは普通に個人の尊厳の話ですね。意識が戻らないからって他人の体を勝手に使っていいって道理はない。ただここ、別にこの赤尾が本当に「有月の別人格」なら別に「乗っ取り」ではないと思うのと、この後の赤尾の反応を見るとこれが本物の赤尾の意識である可能性もまだあるような気がします。会長の反応や、時間がないって言ってるのを合わせてもちょっと怪しい。考えすぎだったら笑ってごまかします!!!
意外にもあの日別れてからの赤尾の心情が出たのはここが初めてなので、赤尾側からもちゃんと友情を感じていたこと、できることならそれが続けばよかったと思っていたことがわかったのがよかったです。結構しんみりしてしまった(ここに関しては「有月の記憶の中の赤尾」だったとしても、これだけ観察・再現が出来る有月の言葉であれば、本人が当時そう思っていたことは間違いないため)。
そしてそこからの有月・坂本・南雲が特A急抹殺対象に指定されるまでがあまりに早い。会長視点で「南雲が裏切った」と確定してしまうのは早計だと思うので、これは赤尾関連で「絶対に知られてはいけない情報」を赤尾が握っているとかそういうのがあるのかもしれません。十中八九、元会長暗殺の件かアルカマルの件だと思いますが……。
しれっとフルネームが開示され、急にORDERをクビになった南雲与市さん。店員ができるので転職先は決まったようなものですが、店長的にOKなのかは気になります。
シンと神々廻は南雲のクビに驚いている様子ですが、大佛はイマイチ表情が読めませんね。神々廻は起き上がれたなら早く大佛を止めて周くんを助けてあげて欲しいところ。
ここで赤尾の人格が引っ込み、有月に戻ったところで篁さんの登場。作中でも上位陣が集まっているこの状況からでも、3人が篁さんに勝てるビジョンが全く見えないのが恐ろしい。南雲がこんな焦って「ヤバ」とか言うの初めて見た気がします。
お気持ちを言うのであれば、私は篁さんは殺連に使われるような存在であって欲しくなかったので、ここで会長の思惑通りに坂本たちと戦うことになっちゃいそうなのが結構悲しい。なんか、その辺もスカッとするような解決がこの先に待っていることを願います。
アオリ文でもう「辻斬り」って言われちゃってるもんな。
キルアオ
page 50 伝説VS最強②
これもしかして、私先週のサブタイトル間違えてたかもしれません(伝説VS伝説って書いてた)。作業するときに直しておきます。
しかし、SAKAMOTO DAYSの直後に同じ殺し屋マンガのバトル回がくるというのも雑誌ならではって感じがありますね。同じバトル回でも描かれ方のアプローチが全然違うのが興味深い。
猫田&瑛里の戦いはキリのいい(?)ところでさくっと撤退。これは暗殺教室で言われていましたが、暗殺において直接戦闘はメインスキルではないことを考えると良い判断でしょう。そもそも戦闘員じゃなさそうな瑛里がここまで戦ったこと自体がすごすぎ。
十三大人バージョンと2代目の戦いは継続中。思ったよりも2代目の戦闘力が高く、普通に押され気味になっていたところは結構ハラハラしました。しかも必要なノレン以外はバスごと焼いてスクラップにしようという鬼畜ぶり。人気が出そうな雰囲気はあるんですが、ここまでやることが人としてアレだとどうなんだろうな……。私はキャラクターとしては嫌いじゃないです。
大切なものを傷つけられたことに激昂し、パワーアップの流れはしっかり少年マンガの文脈。それでも1発では調子を崩さない2代目の格を見せてからの〆。もうちょっとバトル展開が続きそうな感じですね。
ウィッチウォッチ
153 モモチの気持ち
ママみのあるモモチのお母さん、ママチが登場する回。ママチってどういうこと!?と思ったら名前が真知だったので普通に笑ってしまった。自己紹介が小パンチのことあるんだ。
いつも頼りにしている人のちょっと切ない昔話は暗くなりすぎない、いいバランスでした。また、モモチは偶然自分の脂肪を魔力にできたわけですが、そうじゃなかったとしてもママチはたくさんご飯を食べさせてくれたし、モモチは別の方法で自分の在り方を見つけられたんじゃないかなと思える書き方だったのもよかったです。
オチの「時々会う保護者がめちゃくちゃご飯を食べさせてくる」ネタはあるある。
アンデッドアンラック
No.204 得意不忘言
サブタイトルは「得意忘言」のもじりですね。
これはこれでよい教えですが、ニコは不忘なのでこういうアレンジになる様子。
イチコを失わずにニコの不忘を発現させる方法というのはこのループが始まった時点から読者の気になるところだったと思うので、今回はめちゃくちゃアツい展開でした。
イチコ(とファン)を一度失い、そこで不忘を発現させ、死理取りのルールで2人を復活させるというところまでは飲み込めたんですが、これだとニコの今ループの記憶が塗りつぶされてしまうため……、「アポカリプス」でUMAを呼び出し、そこから完全な記憶を再インストールする流れは納得するのと同時に、「無茶するなよ!!!」と言う気持ちに。最悪死ぬじゃん。
かなりぎりぎりの賭けだったと思うんですが、上手くいったようで本当によかった……、とはいえ現状ランゲージに勝てたわけでもないし、2人も失われたままです。ここからどうやって勝ち、かつ決着までに2人を復活させるかというのがニコの勝利条件となったわけで、ますます負けられない戦いになってきました。
しかし、アポカリプスの善意か悪意か、前ループ以前の記憶も全部突っ込まれたっぽいニコ。風子視点だと前ループの記憶を元に相談できる相手ができたことになり、かなり大きなメリットも生んでいます。最初からキーパーソンの1人でしたが、マジでキーパーソンすぎる。
また、ここでちゃんとイチコとニコの想いが通じ合ったのもよかったですね。よく考えたらこの2人の組み合わせを略すと「ニコイチ」になり、作者の強い思想が窺える(偶然かも)。
僕とロボコ
第182話 ごはんとお供
ごはんとロボコくらいのサブタイトルだと思ってたのに、完全にロボコが消失していてわらってしまいました。特に賞品などはない戦いってところがよかったです。
とはいえ、ごはんに合わせるとおいしいもの紹介の回なので感想は「おいしそうだな」以外にないんですが、とにかくおいしそうだったのが好印象でした。これは単に私が食いしん坊なだけかもしれない。
でも豚キムチよりも豚汁の方が飛び道具だと思います。
逃げ上手の若君
第154話 頭角1338
1ページ目よりもその横のスタンプ紹介ページのインパクトが大きい。
大きな戦までの小競り合い(と言っても人の命がかかっているのが恐ろしい時代)はダイジェストで進めていくスタイルらしいですね。というよりも時行がいない戦いをそうしてるのかも。史実の方を全然把握していないのでどの戦いが大きいのかイマイチわからない。
実際、現実には明確に「主人公」はいないため、時行が参加しなかった戦いも数多くあるわけで……、それをこういう形で済ますのは潔い感じ。文字が多いのでじっくり読むとちょっと疲れるのが難点ではあります。ただそれは歴史物の宿命ですね。
戦前のつかの間の平和パートでは物資の仕入れと、おそらく今後の戦いに関わってくる人物の顔見せノルマをクリア。のんきと言えばのんきなシーンですが、緩急の緩の部分でキャラクターへの理解を深めることでこの後の戦いが映える構成になっているんだと思います。次の戦いでは夏にスポットがあたりそうな雰囲気。
カグラバチ
第30話 乱入者
決して弱くはない敵3人に対して「片しとく」と軽い発言をかまし、本当にかなり軽くあしらっている柴さんですが、マジでこの人なんなんだろう。このレベルの強さの人が相棒みたいな位置にいるとチヒロの強さが霞みかねないんですが、そうはならないようにちゃんと物語や演出を使っているのもこのマンガの上手さのひとつだと思います。
しかし、宗也のこのハクリへの執着って本当になんなんだろう。私は宗也は兄弟みんなに対してこれなんだと思っていたんですが、他のメンバーの様子を見た感じ対ハクリ限定の感情っぽいので普通に怖かったです。マジでなに?
現状ハクリは戦闘力においてチヒロ、柴に劣る部分がありますが、その力量を理解した上でそれにあった役割を分担させる作戦が好印象でした。ちょっと弱い味方陣営が無理して頑張って成長!というのも嫌いではないんですが、作戦の時点では破綻していないにこしたことはないなと思うので……。そういう分担形式をチヒロも柴も「そういうもの」として受け入れているのも職人気質があってよかったですね。
しかし、チヒロと合流目前というところでチヒロとハクリが分断され、チヒロの前には父の仇が!?という強い引き。ここ、ハクリ視点で描いた後、ちょっと時間を戻してチヒロ視点だったことになかなか気がつけなくて最初に読んだときちょっと混乱しました。よく見るとページの真ん中にデカデカと「32秒前」って書いてあるので普通に私の読み落としです。
また、父を殺した怨敵かも……というのは完全にアオリ文で気付きました。編集さんありがとうございます。週一で読んでいるだけだとどうにも覚えられなくて……。
宗也の「わざわざ会いに来てくれたんだろ!?」に対するハクリの「違う!!」の勢いがよくてマジでおもしろかったです。宗也も驚いて「えっ!!!」ってなっちゃってるのがいい。
鵺の陰陽師
第47話 先輩は大人過ぎる
このマンガ、バトル時々ギャルゲー、みたいな方向性で行くと思っていたんですが、私が思っていたよりもギャルゲー路線強めのちょっとセクシー要素も増やしていく感じになるんだろうか……?どうなんだ……?
また、女性が多いことに対して学郎が「男女比偏ってる」と思っているシーンですが、これはメタ的にそう思っても言わないことによってその不自然さを「流す」ものだと思っていたので、今回触れたってことは作中でなにか意味がある男女比なんでしょうか。先輩が男性が苦手っぽかったので、それに配慮してるのかも。
今回は学郎だけでなく、先輩、代葉、四衲それぞれの修行内容も明かされ、それぞれの力とその伸ばし方がわかったのがよかったです。四衲が狂骨との修行になるのは想定していましたが、四衲がキャシーとの修行になっているのが意外でした。村のときにはあまり触れられていませんでしたが、四衲の目にもなにか意味がありそうなのでその辺を引き出すための人選なのかもしれません。
別々で修行することによって他のメンバーとの力量差などをあまり気にせず、自分の力を伸ばせるのは学郎と相性がよさそう。
先輩の過去の匂わせからの先輩との交流ルートに行くのか?と思いきや普通に双斧との戦いになったのはちょっと笑いました。急にレベル上がりすぎじゃない!?
グリーングリーングリーンズ
第20話 「得たもの」
先週の時点でもしかして王賀は浮いていて、この試合で嫌な目に遭うのか?と心配していたんですが、あくまで友人としてのやりとりだったので安心しました。そういうところを含め、この作品の誠実さを感じます。
個人競技だからこその「彼女のよいプレーで私のスコアが下がる訳じゃない」という考え方も理解できるし、それを「良い子ぶる」と両断する考え方があるのも理解できる。それぞれの考え方でゴルフをやっているんだというのがわかるプレーの描き方が上手い。
八枝崎がさらっと語っていますが、「突き詰めると全員のボールがずっと20m以内にある状態」はゴルフという競技の難しさであるのと同時に「それをマンガ上で描く難しさ」でもあります。そこで八枝崎を上手く使い、モノローグとコマ割りを駆使してプレーを描いているのがよかった。
そして大事な局面で八枝崎に影響されたかのように、王賀がリスクの高い戦法を選ぶシーンは静かな闘志が感じられました。ここの「先に行くね」は他2人に向けたものでもあり、八枝崎に向けたものでもあるんじゃないかな~と思うとなおアツい。
ラストの王賀が左手を使っていたってところは正直今までの描写であまり思い当たるところがないんですが、来週わかることだと思うので大人しく待ちます。
Dear Anemone
第10話 お暇
サブタイトルでわかりますが、鉢植・アネモネコンビの大技を受け、さらに黒川と皆月が合流したことによってロベリアが撤退。「ここで撤退!?」と思わなくもないんですが、メタ的に見てここで一度落ちついて研究所にある情報を整理しなければならないので、ちょっと物語の都合に引っ張られた感は否めないものの納得できない程ではないですね。
ここで研究結果が日本語であることから、1話の時点で感じていた「なぜガラパゴス諸島の問題に日本の団体が?」というところに繋がっていきそうな雰囲気があります。
最後にやってきたのはすっぽんぽんの人であってる?(今はすっぽんぽんではないと思う)
累々戦記
最終話 かさなる心
実質第19話。突然2年が経過しているのは最終話あるある。そこで朝風が蒼葉に一緒に行こうと誘った文化祭の日をチョイスし、きれいに話をまとめている印象。女性キャラクターのメイド姿はおそらく読者サービスかな……。ちゃっかり女性は仲間に引き入れてるの、マジでちゃっかりしてるなと思いました。
蒼葉から受けたいい影響を見せる朝風、というのもいい感じ。そこからの蒼葉との再会と、頭骨討伐に向かう蒼葉との「また会える」という約束。最終決戦で街を壊そうとしていた兄の禅が最後に蒼葉を庇ったというのも「方法を間違えた人間」の最後の行動として納得感がありました。
心は「累なる」、ではなく「重なる」という部分はきっとこの作品で書きたかった部分なんだと思います。このあたりの漢字が意味するところの違いはもうちょっと今までの話の中で語られていたらよかったな……、尺の問題かな……、と雰囲気はよかっただけに残念でした。でも、ここがキモなんだなということは伝わってきていたので、本当にあと一歩ってところだったとも思っていて、だからこそ惜しい~!!!って気持ちがあります。
累々戦記という作品は、全体的になんとなくやりたいことが見えづらい作品でした。キャラクターや敵のデザイン、画面の雰囲気作りを含めて絵の上手さが際立っていたのも確かなので、十分次回作に期待できる作家さんだなという印象があります。今後に期待したいと思います!!!
作者コメント
尾田先生は休み明けらしい元気なコメント。というか、いつも元気そうなところを読者に見せてくれているんだろうなというのがわかるので、そういうところも含めて素敵な作家さんだな……、と感じます。無理せずに頑張って欲しいと思います。
権平先生がコロナにかかっているのが心配ですね。というか、権平先生に限らず色々な先生がかかっているので、本当にちゃんと気をつけた方がいいし、気をつけてもなるときはなるので、そのときの備えはしっかりしておきたいと思いました。
鈴木先生の「漫画の中で嘘を付くにしても~」は原作の進行が進行なのでちょっと意味深に見える……、とちょっとそわそわしてしまう。
雨宮先生は最終回のコメントでもとても元気で、素直に「次回作も頑張ってください!!!」という気持ちになれました。まだ若い作家さんなので、次回作を期待していようと思います。
少年ジャンプ2024年22・23号 予告
毎度おなじみ、電子版は月曜、紙版は火曜発売の週です。GWなので合併号。
こういうときの巻頭カラーはONE PIECEが定石ですね。うれしいんですが、休んだばっかりなのに仕事多くない!?大丈夫!?という気持ちもあります。
気になるところとしてはカグラバチの2号連続センターカラー。ちょっと前にあかね噺もやっていました。カグラバチは5月に2巻の発売があるので、それに合わせているらしい。楽座市編も盛り上がってきているところなのでさらに勢いづいてくれることに期待。仄見える少年コンビの読み切りも楽しみです。
2024年4月30日 発売
表紙:-
巻頭カラー:ONE PIECE
センターカラー:極東ネクロマンス
センターカラー:【読切】仮面奇譚テオ
センターカラー:カグラバチ
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