少年ジャンプ2024年20号感想
前号:少年ジャンプ2024年19号
次号:少年ジャンプ2024年21号
※ 今週は全作品書き切れなかったので、自己満足ですが後日追記します。
2024年 4月15日 発売
表紙:願いのアストロ
巻頭カラー:願いのアストロ
センターカラー:アンデッドアンラック
センターカラー:鵺の陰陽師
読み切り :【JSF】MM-ミリメートル-(片岡誉晴)
表紙は新連載願いのアストロ!!!元々実績のある作家さんと言うこともあり、表紙のイラストの安定感がすごい。人数がこれだけ書き込まれている新連載表紙もめずらしいようなきがします。こうして主人公を中心にして見ると、思っていたよりも東京卍リベンジャーズっぽさは薄く、主人公の造形はかなりジャンプらしい感じなんだなと思いました。
願いのアストロ
第1話 世剣ヒバル
和久井先生の新連載!!!ビッグネームの連載ということで注目度が高かった本作は私も発表から楽しみにしていました。
ちなみに、本誌を買わずにこの感想を読んでいる人もそうそういないと思うんですが、新連載は1~3話までジャンプ+で試し読みができます。
1話全体の感想を言うなら「すっきりまとまった1話」。いい意味でお手本のような1話でした。主人公ヒバルの人となりを見せてから、これから自分に起こる課題(後継ぎ問題)を提示、そうなる(テラスを後継ぎに指名する)に至った過去……、と一気に知りたいことを教えてくれるので「よく知らない人がなにかやってる」状態にならず、めちゃくちゃ読みやすかったです。
その際、これから一緒にやっていくことになるだろうテラスとの関係はもちろん、後継ぎ発表の場を上手く利用してこれからヒバルに関わってくる他の養子をバンバン出しているのも上手い。
この時点で既におもしろそうなのに、ここに「異能バトル」要素をぶち込むために東京がいきなり壊滅し、不思議な力が宿った主人公の必殺技のためをお披露目。めちゃくちゃジャンプ的で、1話に主人公の必殺技を大々的に持ってくるのはちょっとだけONE PIECEのオマージュ的なものも感じさせてくれました。
また、これは既に色々なところで言われていますが、ここで世界をめちゃくちゃにしたことでヒバルが目指す「極道」が反社会的であることを力ずくで有耶無耶にしているのも好きです。1話内でヒバルが目指しているのは極道にある良い部分の精神性のみ、かつ既に組も合法組織になっている……、と言うクリーンさを示していて、このあたりは「令和世代のマンガ」ですね。
何から何まで計算づくな第1話を見せられた感がありました。強いて良くない部分をあげるとすれば、1話としてきれいにまとまりすぎているため、それ故にプロローグ感が強すぎて1話だけで語れる部分が少ないというところ……くらい。ただし、これに関してはプロローグ的な1話で読者をわくわくさせてから2話に繋げるという意味では成功しているので、やはりかなり完璧に近い1話だったように思います。
でもまあ、能力覚醒の大事なシーンでヒバルとテラスが腰みのタオルだったのはなんかちょっとおもしろくて、そこは「なんで?」感がありました。読み返してみてもじわじわおもしろい。いつ服を着るのかも含めて2話が楽しみです。
あかね噺
第106席 今日の主役
今回は公演終了と打ち上げ回ということでパンチは弱め。とはいえ、この騒動をきっちりまとめ、それぞれのキャラクターのよさを改めて噛み締めることが出来た回でした。酔っ払ったことでいつもと違う姿を見ることができたのもいい感じ。
そして、動から静への引き。ここで初めて(多分……)、あかねと父との対話が見られると思うと、長かったような、短かったような……。かつて父がそうだった二ツ目の推薦を得られることが確定したところでこのイベントが発生するというのも感慨深いですね。
超巡!超条先輩
第10話 思春期巡査長
掲載順位の上昇が留まることをしらない巡査長。自分で応援しておきながら言うのもなんなんですが、こんなに前の方に載ってると思っていなかったので普通にビビりました。
超能力と悪ガキと言えば……、と言うわけでいわゆる超能力エロ回ですが、とにかく様子がおかしい回でもありました。というか、既に作中で先輩が言ってしまっているので改めて言うほどのことではないんですが、コンプライアンス弄りがすごい。下ネタ自体も、コンプライアンス弄りもかなりバランスが難しいネタだと思うんですが、個人的にはいい案配でギャグマンガになっていたのがよかったです。普通におもしろかった。
これはギャグマンガとはいえ、実際にセクハラ被害みたいなことが起きなかったのも安心して読めた理由の1つかもしれません(話の流れとしてはちょっとエッチなカットなどが入ってもおかしくなかったと思うので……)。
あと前半の異常ギャグに押し潰されかけていましたが、ちゃんと人助けしている交番組がかっこよくて、彼らが警察官であること(というよりも「人助け」に必死になれる人間であること)が芯にあるのがこの作品の魅力だなと感じました。よく考えてみると前回のコンビニ回もそうでしたね。
とはいえ、平助タイプのキャラクターは得意ではないので、今後の登場は控えめであることを祈っています。
アンデッドアンラック
人気投票結果発表
ファン3位!?!?!?驚くのと同時にわかる……、と思うのがファンの恐ろしいところですね。ちなみにアニメに出てきてないので、アニメ勢から見ると「知らない人が3位!」になると聞いてめちゃくちゃ笑っています。そういうところまでおいしいことあるんだ。
私は前ループのジュイスが好きなので、ここでジュリアとジュイスが同票扱いになってるってことは……、期待してもいいんだな!?みたいな気持ちになっています。最近SAKAMOTO DAYSの方でもこれは本人か!?別人か!?みたいな話が出てるので、「個人をその個人と定義するものとは」みたいなところに思いを馳せてしまいます。
No.203 文武両道
主人公でもないのに、出てきたら勝ち確みたいな空気を出してくるファンが面白すぎる。実際問題、完全な味方というわけではないので過信はできないはずなんですが、なんかこう……、おもしろさで勝ってくるのはなんなんだろう……。
前ループであんなことしておいて!?みたいなことをやっておきながら今ループではこの立ち位置っていうのもなかなかすごいキャラ立ちをしていると思います。この辺りはそれこそ「同じ人間とはどの状態を指すのか」「その人間の罪はどこまでが追求され、どのような形で雪がれるのか」という問題にも関わってくるような気がします。アンデッドアンラックだと前者にしか触れないかな~と思っていたんですが、もしかしたらリメンバー使用時に後者にも触れる可能性は全然ありますね。
しりとり上での「Evolution」で自分が進化するのは流石に反則じゃない!?と思っていたらこちら側は「今作った技の名前」を繰り出し初めたのでこっちの方がもっとズルなことある!?と思いました。とはいえこれは自分の強さ・技に絶大な自信とイメージがあるファンでなければ無理だったと思えば、ファンを召喚したイチコの勝利なのかもしれません。
元々アンデッドアンラックは概念バトルもの(自分が「そう」思った能力へと拡張されるタイプの異能)なのでそこまで違和感はありませんが、マジでなんでもありになってきたなという印象はあります。なんでも出来るからこそ、マンガとして盛り上げて行くのは難しくなっていると思うので、ここから決着までがどうなっていくのかを見守りたい。
最終決戦のことを思うとそろそろファンもしっかり仲間にしておきたいところ。
アオのハコ
#145 やっぱり強ぇ
花火大会までの繋ぎ回ではあるんですが、そもそも主題が恋愛なので繋ぎ回でもやっぱり強ぇこのマンガ。扉絵の同級生3人組が無理してない感じなのが救われます。
3年生の卒業、1年生の進級という未来に向けてそれぞれが未来を意識し始めたのもいい感じ。遊佐弟と雛にフラグが立っ……たかは微妙ですが、ここでこう来るとはあまり思っていなかったので意外なんですが、雛がちゃんと割り切ってからの話なのでいやらしくみえないところもよかったです。
花火大会への誘い方、こんなのもう全人類が好きなヤツじゃない!?ってなってしまったんですが、全人類が好きなやつじゃないですか?どうなんだろう。
ここで2人がお互いの両親に不義理なことをしていないところが本当に良く、その倫理観でストーリー全体の絶妙なバランスを保っているのが流石です。
僕のヒーローアカデミア
No.420 相澤くんから
どうしてこう、師匠世代の3人組ってこんなことになっちゃうんだ!?と様々な作品の様々な3人組が過って必要以上に悲しい気持ちに。
「(もう)31だよ…、いつまでも雄英2年A組じゃねぇんだよ…」という言葉の切実さに打ちひしがれたからこそ、「こいつは雄英生のまま死んだ」「俺たちはヒーロー科の教師だ、雄英生を卒業まで送り届ける」というセリフで号泣してしまった。
2人が教師という道を選んだ理由は「それ」だけじゃないとは思うんですが、教師になったからこそ、ちゃんと納得……はできないと思いますが、送り出すことが出来たのかもしれないと思うと、そうしてまで生きていかなければならない残酷さも感じました。
そして舞台は黒霧の能力を使用しての総力戦へと突入。
以前のエリちゃんのシーンが今回の「角を渡す」というシーンに繋がって、その切実な思いにも胸を打たれました。エリちゃんが角を折るという「自傷」は本来、周りの大人が止めなければならないものだと思うんですが、今ここで角を渡せなかったらエリちゃんはそれ以上の傷を抱えてしまうかもしれない状態でもあり……、彼女自身の「ヒーローのためのヒーローでありたい」という気持ちを踏みにじることができない気持ちもわかります。
あとまあ実際「絶対に役に立つ」というのも、ここでは語られませんが大きいとは思います(それをエリちゃん自身が知っていることも大きい)。
その力でデクが「手」を取り戻し、それと同時にクラスメイトたちが現れるという演出もめちゃくちゃに最高で……、むしろ今私の顔面がこれを書きながらめちゃくちゃになっている。
日本の平和がかかっているとかどうでもよくなってきた。ただただデクに勝って欲しい。
僕とロボコ
第181話 兄とアカネ
シスコンの兄ネタ自体はあるある系だし。妹を尾行して好きな男を割り出そうとするのもあるある……、ここまで書いてこのネタがそこそこあるあるネタな現状ってヤバいんじゃない?という方に思考を奪われてしまった。ベタな気はするものの、具体的にはあまりでてこないのであるあるだと思い込んでいたという線かもしれません。
妹の好きな人(暫定)を尾行して嫌なところを見つけようとするものの、いいところしか見つからない!というのも想定の範囲。っていうかあるあるというか夜桜さんちの大作戦の狂一郎がやってそうなムーヴだなこれ……。
ロボコは割とこいうベタな回があるんですが、ベタな展開に対してキャラクターのおもしろリアクションをしっかりあわせてくるので、ギャグマンガとしてしっかり成り立っている。キャラ立ちがしっかりしているからこそだと思います。
SAKAMOTO DAYS
DAYS 162 懐かしの面子
前回の引きからどうなっちゃうんだ!?というところからそのまま南雲と有月の会話へと突入。南雲があっさり「赤尾」って言ったのが意外でしたが、「そのモノマネ細かすぎて伝わらないんじゃ無いかな~」と続きました。赤尾っぽいけど本人じゃないのはわかるよという話だと思いますが、冷静に考えて戦闘中に心臓刺されていきなり旧友の女のモノマネ始める敵、怖くない?
南雲の家が代々スパイ家系なのは過去編で明かされていましたが、本人が隠密名家の跡取り息子だったというのには驚き。隠密+代々だと忍者の家系なのかな?と忍者好きの血が騒ぎます。そう思うと有月を見つけたときの「諜報部の知り合いから~」辺りもそういう人間関係の伝手があるのかなと話が繋がってくる。
麻樹の発言と赤尾の「もっかい殺してくれよ!」の発言的に、やはり赤尾の死には麻樹が関わっている様子(麻樹の命令で有月が殺したのか?)。ここで南雲の標的が変わったっぽい描写は小さいコマながらゾクッときてよかったです。
この「赤尾」曰くこの状態は「有月の記憶が作り出した赤尾」らしいですが、南雲が「振るまいが明らかに赤尾だ」と判断していたり、有月が知らないはずの情報(赤尾のID、南雲の家の話)を握っているのにはまだ違和感。そんなに赤尾と親しかったわけでもなさそうな麻樹がこれを「赤尾」と判断して「有月の中にいる」という異常な状態をそのまま受け入れているのにも何か裏がありそうなので、ここはまだ情報が残っていそう。赤尾が全部有月にしゃべった可能性も否定できないので難しいところですが……。
坂本に賞金をかけた赤尾の目的は「有月を坂本(または南雲)に殺させること」、おそらく「殺してこの凶行を止めること」が目的なんだと思いますが、ここは前に書いた感想とあんまり相違なかったのでよかったと言えばよかった気がします。
まだはてなで感想を公開していた頃の感想ですね(ぬるっとnoteに移行してしまった)。
坂本は「赤尾バージョン」って言っているので赤尾本人認識はしていなさそうですが、南雲の方はちょっと怪しい感じもあり(直接本物かどうか聞いていたのでこだわりはありそう)、今後どうする気なんだこの人たち感がすごい。南雲に至ってはこの自体を引き起こした張本人に近いのに会長置いて来ちゃってるし……、とはいえそもそも赤尾を探すためにORDERになっているので仕方ないと言えば仕方ないのかも。巻き込まれた殺連の人(主に下位構成員)はかわいそうですが、殺し屋連盟に勤めようという時点でまともな人生を送るつもりがあるとは思えないので、いいか(いいか?)。
そしてこのドアの開け方は……!?という引き。
個人的に、篁さんは組織に従っていると言うよりもブギーポップ的な「世界の調停者」であって欲しい気持ちがあるので、この後誰と戦うことになるのかは非常に気になります。また、篁さんは単純に火力が高すぎるのでこの人が出てくると戦闘が終わる可能性もあり、ますます目が離せなくなってきたところです。もしかして殺し屋展編そろそろ終わる?
ちなみに気になってた「有月の顔の怪我」→「単なる書き忘れ?」、「有月が心臓を刺されても死ななかった理由」→「心臓が左右逆」とのことで、普段に比べて情報量が多い回でしたね。
鵺の陰陽師
第46話 修行は一人でやるものさ
思った以上にぬるっと修行が始まりました。
修行自体はシンプルに修行!って感じだったので特にこれと言った感想は無いんですが、予想と違っていたな~、というのは「修行は個人で」という部分。前回の村での戦闘から、隊長として隊員との連携などを鍛えていくのかな?と思っていたので……。とはいえ、レベル4どころかレベル3にも圧勝できない現状、個人の力の底上げは必須ではあります。
そして、先輩と一緒だったのは生活空間というオチ。先輩が入ったお風呂に入ってしまったことをなぜか謝る学郎、真面目なのはわかりますが、先輩の言うとおりなんでも言えばいいってもんじゃないな……、と再認識しました。また、ベッドでは先輩から距離を詰めておきながら、学郎が(事故で)胸に触ってしまったら「バカ」って言うのは理不尽だと思いますが、このタイプのラブコメでそこを指摘するのは野暮なのかもしれません。
しかし、そんなことをしている間にレベル4に陰陽寮まで侵入されているのは結構ヤバい気がするんですが、そこはちょうど鵺さんの襲来もあることなので、ここで侵入者発見→排除というイベントが発生する予感もあります。この場合、学郎を介さない鵺さんの戦闘が見られる可能性もあるので(そもそも可能なのかはおいておいて)、そこは結構楽しみです。
ウィッチウォッチ
152 モンスターペアレンツ
この話を最後まで読むとこのサブタイトルの意味がわかる仕様が結構洒落てて好き。
基本はアンジャッシュ展開の回だったんですが、そこにニコの卒園というイベントをぶつけてギャグとしてもコメディとしても質の高い笑いを提供してくれる安定感がよかったです。
しかし、思ったよりもニコが成長するのが早かったですね。一度成長させてしまうと戻れないのは話を進めていく上でペース配分とか考えるのが難しそう。いざとなったら回想などを駆使して幼稚園時代のニコをまた見せて欲しいと思いました。
高校に近すぎるから中学生ネタはなさそうな気がしますが、小学生ネタはあるんじゃないか?と勝手に予想しているのでそれはそれで楽しみです。
夜桜さんちの大作戦
作戦222.予知
東京卍リベンジャーズの和久井健先生の新連載開始号にこの出だしを合わせてきたのは事故なのか故意なのか難しいところ。個人的に不良のあるふぁとひふみのビジュアルがかなりツボだったのでこれが見られたのは純粋にうれしいです。
あるふぁの開花「予知」は扱いが難しそうだな~と思っていましたが、嫌五と四怨の能力を経由して全体に展開できることでその懸念は随分少なくなりました。戦闘のターンに入ってしまうとちょっと影が薄くなりがちな嫌五と四怨の役割としてもいい配置。
「太陽が死ぬ未来」までは家族に明かしたものの、「全員が死ぬ未来」までは明かしていないあるふぁ。これってもしかしたら「全員が死ぬ」ではなく「あるふぁが殺した」未来なのかな?と思うところもちょっとあるんですが、現状だとまだわからないですね。
そうこうしているうちに早速(?)攻め入ってくる旦の一味と、それに即座に対応する長女を始めとした夜桜ファミリーというところで引き。しかしこの展開、夜桜ファミリーに非は(おそらく)ないとは言え巻き込まれる他の生徒はたまったもんじゃないなと思ってしまいました。多分ある程度は巻き込まれる気がする。
キルアオ
page 49 伝説VS最強
十三とゾンビ女さんの戦闘に関しては前と同様に「先に勝ったことを見せてから、その内容」の流れでしたね。今回は話全体のまとまりもよく、無駄なストレスを与えずにポンポン話を進めていく手法が上手く活きるマンガだな~と感じました。
ゾンビ女さんの対処&十三を大人の姿に戻してくれたのは元妻の瑛里さん。思ったよりも話の中核にぐいぐい来ていて、こんなことされたら十三と復縁して欲しくなっちゃうじゃん……!!!と変なところで苦しくなりました。でもまだ全然ワンチャンツーチャンあると思うので希望は捨てずにいようと思います。
十三と二代目の熱いバトルはマジでよかった。今週SAKAMOTO DAYSが戦闘回ではなかったため、血に飢えていた読者もこれで満足!!!と言わんばかりの銃撃戦。車内での緊迫しつつも相手に探りを入れる会話劇も本当に満足度が高かったです。その中で二代目の精神的な歪さもはっきり示していて、キャラクターの見せ方も上手い。
とはいえ「自分と自分の周りの人間だけが幸せならいい」という考え方は人間としてそう異端とも言えないのもちょっと気になるところ。「自分」はともかく「自分の周りの人間」という認識の広さは人によって違うし……、「全員」じゃない以上みんな同じとも言える気がします。ただし、二代目の場合は「そのためになら他人を傷つけてもいい」と考えている様子なので、そこが十三や読者とは相容れない部分として明確に描かれている節があります。
来週は広いところで再戦!からスタートですが、二代目の性格上そんなにすんなりいくのかな~、という懸念もあり、いい緊張感を保っています。
逃げ上手の若君
第153話 執事1338
雫回から執事回へとスムーズに話が繋がり、今後の戦に備えて雫が本格的に軍議に参加することに……、と大戦の前触れを感じさせます。このタイミングで恩人でもある楠木の子どもたちが自陣営に参戦!というのも熱い(史実ではある)。
対する足利陣営の異常さ、不気味さは健在。こうして時行を強く気にかけるようになるまでの尊氏の動きは一部の時点からねっとりと描かれていて、それがどういう形で時行の脅威になるのか……、という点に興味を引くのが上手いと感じます。
アオリ文でも大決戦と言い切っているので、この後の激戦が俄に楽しみになってきました。
カグラバチ
第29話 取捨
鉢合わせた緋雪との問答、その結果共闘という流れになってめでたしめでたし!!!
満足度が高く、これだけで感想を書ききった気持ちになってしまいました。神奈備としてやるべきこと、個人としてやりたいこと、として緋雪にも葛藤があることがわかり、緋雪への好感度が上がった回でもありました。
物語だと組織に縛られている人間のお役所仕事は非難される傾向がありますが、私はそういう仕事をしてくれる人がいるからこそチヒロのようなキャラクターが活きるとも思っているので、そういう意味で緋雪の立ち位置というのは絶妙だなと感じます。あと、そういう立場のことをチヒロがちゃんと理解しているところもポイントが高い。
あと普通に知り合いみたいになってる多福さんも好き。なんでこの人が緋雪の手綱を握れてるんだろう(別に握れてはいないかも)というところを含めていいキャラしていると思います。
ラストの見開きが目立ちますが、それ以外にもカグラバチは殺陣の表現がめっちゃかっこいいので、雑魚散らしのシーンも見応えがあるのがいいですね。
グリーングリーングリーンズ
第19話 「ゴルフの全部を」
前回で序盤の大きな山場を越え、このままだと王賀がアメリカに行っちゃうけどどうする?というところからどう話が進むのか気になっていたので、「王賀のキャディをすることになる」、という展開に「おおっ」となりました。
そもそもゴルフをあまり知らず、キャディって……なに?ってなっている私みたいな読者(いれば)にその辺りの説明をする機会にもなるし、今後も八枝崎のライバルとして君臨するだろう王賀の魅力も見せられる完璧な展開。
また、自分がプレイヤーではなく、キャディとしての参加だとしてもそのための努力を惜しまない八枝崎の在り方もゴルフに全てを捧げる者として強く、キャラクター像を崩さずにきちっと仕上げているのが好印象でした。
しかし実際の試合で王賀が言われている嫌味、マジでただの嫌味すぎるので、それをここから王賀がゴルフでスカッとやっつけるのが楽しみになってきました。やったれ王賀!!!
【JSF】MM-ミリメートル-
片岡誉晴
ページ数が少ないからか、ストーリー性ではなくマンガ的な表現に極振りした卓球マンガという印象を受けました。いい意味でコマーシャルやMVのような趣のある作品で、かなり目を引かれる作風だったと思います。
卓球選手を侍に、ラケットを真剣に見立てた対比表現もちょっとクサさはあるものの、少年マンガでスポーツものをやる!!!となったらこれくらいのインパクトはむしろ正解に感じます。父を応援する主人公の気持ちが読者とリンクするように、描かれている点も「物語に引き込む」力強さがプラスに働いていて、とにかく「力強さ」を感じられるのが最高。
ただ、やはりこの長さだとストーリーに「引き込む」部分の真骨頂を感じられないのが残念だったので、今後もっと長い作品が読めたらうれしいな~と思いました。
Dear Anemone
第9話 深化
女の子2人のところがどうなっちゃうんだろう……、と不安だったんですが、皆月さんの様子がちょっとおかしかったおかげで友情(?)が壊れなくてよかったです。というか、Dear Anemoneはここまでずっとシリアス続きで張り詰めていたので、今回こういう抜け方もあるんだな……、と作品の幅を見られたようでうれしかったです。やっぱ緩急あってこそのマンガ!!!みたいなのはありますね。
アネモネがどうしてあの場所にいたのか、の説明がロベリアから語られ(説明のつもりはない気がしますが)、その間に鉢植とアネモネの連携プレーが繰り出される割といい展開。水中の敵と戦ったときよりも戦い方が「進化」していることがわかるのがよかったです。
累々戦記
第18話 蒼葉と禅
蒼葉登場!からの兄との決着までを描いた回。最終決戦としてはかなり巻きの入った展開でしたが、その最終決戦でこの兄弟戦にページを多く割いたことで、禅と蒼葉の決着はきれいに終わったように見えました。
蒼葉の在り方、「俺の刃は人を斬らずに累だけを斬る」という信念ははじめから累ってしまった兄を斬るためにあったのだという帰結は物語としては美しく、蒼葉の視点で見れば悲しいものでした。禅もまた、極端ではありますが人を思うが故の凶行であったこと、その裏には更なる黒幕がいたことも悲壮感に拍車をかけています。
前回に引き続き、今回も戦闘メイン回でしたが、雨宮先生はとにかく絵がきれいで整っているのがすごい。こういう精密系の絵柄は週間連載だともう少し簡易化されていく傾向がある(悪くなると言う意味ではなく)ことが多いんですが、そういうのを一切感じさせず、良い意味で1話のイメージを保っています。
蒼葉が真の黒幕に連れ去られての引き、ラノベだと悲しいエンディングもあり得ますが(すぐラノベの話をする)、ジャンプならそんなことにはならないだろう!!!と思いつつやっぱりなんだかんだ心配です。
ツーオンアイス
第27話 光よ、あれ
※ 後日追記予定
少年ジャンプ2024年21号 予告
先週の予告通り、21号から新連載極東ネクロマンスが開始。その次のさいくるびよりは24号(5月13日発売)からということで、合併号を挟んでからのスタートみたいですね。
センターカラーはまたしても2作品のみ予告ありで、SAKAMOTO DAYSは掲載告知のみ。とはいえ、ONE PIECEが戻ってくるのがうれしい。たった3週なのにとても待ち遠しかったです。
2024年4月22日 発売
表紙 :極東ネクロマンス
巻頭カラー :極東ネクロマンス
センターカラー :アオのハコ
センターカラー :願いのアストロ
作者コメント
和久井先生のコメントがここに載っているのがやっぱりすごい。本当に連載が始まったんだ……、と当たり前のことを考えてしまう。
三浦糀先生、鈴木先生が共に運動の話をされていて、私も頑張らないと……みたいな気持ちになりました。どんな職業についていても、やっぱり健康が一番ですね。
エルク先生、お疲れさまでした。現実のフィギュアスケート、ペアのことをちゃんと考えている姿勢がとても尊敬できて好きでした。また別の形で出会える日を心待ちにしています。
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