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少年ジャンプ2024年36・37号感想

2024年5月27日 発売
巻頭カラー :SAKAMOTO DAYS
センターカラー:僕のヒーローアカデミア
センターカラー:カグラバチ
センターカラー:こちら葛飾区亀有公園前派出所
連載終了:僕のヒーローアカデミア

合併号おなじみの集合表紙。この集合表紙に出久がいるのも最後だと思うと寂しい気持ちになります。年末の合併号でルフィの隣に誰が来るのかは気になるところ。虎杖と2トップみたいになるのかな~~~と思うんですが、その呪術廻戦も年末までに最終回が来る可能性があるのでマジで読めない。


SAKAMOTO DAYS

カラー

先週まで「一度でも人を殺した人間はロクな死に方できない」みたいな話をしていたのに(それはそう)、カラー見開きのアオリ文がさわやかに「殺しの夏、到来」とか言っているため温度差で夏風邪を引く。個人的にはこの「殺しの夏ってなんだよ」ってところがサカモトらしいと思っているのですごくよかったです。このアオリ、当たり前だけど単行本では消えてしまうのがもったいない気がします。

僕のヒーローアカデミアの最終回が掲載される号ということもあって、シンがヒロアカの単行本を読んで泣いているのが粋。プールの床に本を直置きするな!!!とは思うものの、シンはやりそう。このメンツに周がいるのはちょっと意外でしたが、かわいいのでOKです。何気に周と神々廻が同じ画面内にいるのがいいですね。

DAYS 177 キンダカ

このサブタイトル、前に同じものがあったような気がする。こういうのを見る度に毎週サブタイトルを考えるのって地味に大変そうだな……、と思います。そういうのが好きな作家さんもいそうではある(封神演義(藤崎竜)なんかは結構凝っていた印象)。

目覚めて早速11億円以上の借金を負わされるキンダカ。不憫な気がしますが、上澄みの殺し屋視点だとそこまで無理のある金額ではないらしく、「懸賞サイトで2~30人殺しゃすぐだろ」とのこと。そういえば単行本のおまけで豹さんはMRI(12億円くらい)をポチっと購入していました。

しかし、先週まで「一度でも人を殺した人間はロクな死に方できない」みたいな話をしていたのに、もうこのテンションに戻ってくるのがすごい(2回目)。しかし、サカモトのテンションって元々こういう感じなので、やはりどちらかというと有月、赤尾サイドのエピソードが浮いてしまっている印象。この辺のすり合わせは最終的にどうなるんだろう。実際のところ、シリアス側に寄せるしかないような気もするんですが、それをやってしまうと作品そのものが薄暗い感じになってしまうのでは?という懸念があります。

それにしても赤尾の無実の証明のために11億円強の支払いを続けていた南雲もすごい(実際はキンダカの延命を諦めきれなかった気持ちもあると思います)。坂本視点・有月視点で見た過去のエピソードでは赤尾から坂本・南雲への感情がいまいちわかりづらかったんですが(というか現状だと南雲が赤尾にここまでこだわっている理由もはっきりしない)、ここまで描写があるってことは南雲視点での掘り下げがあることも期待できるんでしょうか。

そんな私の心配はさておき、坂本陣営vsキンダカのアンジャッシュバトル。この辺は久しぶりに明るいアクションが見られてうれしかったです。「っぱサカモトはこうじゃなきゃなあ!!!」みたいな、謎の古参アピールをしてしまいそうになる。別に古参でもないのに。

シンや平助をいなしつつ、2人がどういう行動をとろうとしていたか、その欠点などを冷静に分析していくキンダカ。この辺は過去編でもしっかり描写されていた能力なので素直に「なるほど」という気持ち。

「それぞれにあった修行を」という話だけどどうするんだろう、というのを「観察力のある師匠」としてキンダカを迎えることで解決する力業は見事。

キンダカの8年のブランクやそのキンダカの現在の立場(懸賞金をもらえる立場なのか?)、そもそも眠ってた年数って8年であってる?とかそういう細かいところをいちいち語らず、アクション描写の方をがっつり盛っているそころがしっかりサカモト味で、この辺は好みがあるかもしれませんが、個人的には大好きです。

来週辺りから修行編に入りそうな雰囲気ですが、修行シーンでもしっかりアクションを盛れそうな作品なので結構楽しみ。せっかくならトンデモ修行が見たいですね。南雲は合流するんだろうか。

最近の坂本の痩せモーション、ルフィのギア2みたいで地味におもしろい。

僕とロボコ

第196話 SFとロボコ②

前回から引き続きSF編。今回もギャグマンガとSFマンガ(?)の差異を上手く利用したギャグの応酬がメインでした。ギャップを利用したギャグってちょっとキツい感じになってしまう印象があるんですが、今回も嫌な感じのないギャグでおもしろく構成されていてよかったです。強いて言えば溶鉱炉のシーンがちょっとかわいそうではあるんですが、言うてロボコの自業自得なのでしっかり笑ってしまいました。「じゃあ行くって言っとくか」じゃないんだよ。

そのあとのなかなか引き上げてくれないネタもボンドがすっとぼけているというよりはマジっぽかったのと、なんだかんだロボコが結構無事だったので完全におもしろいが勝ちましたね。というかロボットの前に溶鉱炉が出てきた時点で察するものがあったよ。

SFネタをひっぱり過ぎなかったこと、SF世界でもロボコとボンドの友情が健在だったことで気持ちよく読めたのがよかったです。

ONE PIECE

第1122話 〝イザッテトキ〟

SNSでも話題になっていましたが、尾田先生の粋な計らいが見事な扉絵でした。尾田先生視点で見ても堀越先生の大作の完結ってなかなか感慨深いものがあるだろうしなあ……、と他人事なのに感極まって涙出てきた。

本編はベガパンクの言葉へのそれぞれの反応、麦わらの一味の脱出を描いた(前回までに比べたら)大人しめの回でした。とはいえ、インペルダウンにも放送されていたことが示されたり、コビーがルフィの夢を阻止する決意をしたり、バギーが相変わらずだったりと今後の大きな流れを思わせるには十分すぎる描写が多かった。特にコビーのこの決意はもしかしたらこの作品のラストバトルに繋がるかもしれない……という重みがあって興奮しました。これも尾田先生が「最初の出会い」を忘れるような作家ではないという信頼に基づく興奮なので、そういう信頼を積み上げてきた先生は本当にすごいなあという気持ちもあります。

また、その後もエメトに「結ばれた」ジョイボーイの覇気、マリージョアに帰還する五老星、イム様の反応と気になる要素が次々と描かれていました。

個人的には今まで、ルフィとジョイボーイを混同するような描写が多かったのが気になっていたので(ルフィの冒険が「ルフィではない誰かのため」のものになっちゃうのはルフィらしくないと感じていた)、今回でエメトが2人を「似ている」とちゃんと区別してくれたことにはほっとしました。似たリズムを聞かせてくれたルフィのために思い出の覇気を使ってくれるほどだと思うと、エメトとジョイボーイが死別したことを悲しく思う気持ちはありますが……。

エメトがこれで退場にならないで欲しい気持ちと、ジョイボーイのもとで「もう寂しくない」状態になっていて欲しい気持ち、心が2つある。

逃げ上手の若君

第167話 潰走1338

北畠顕家の美しい最期……、を台無しにするような「美しい尊氏」の言葉が見事な回でした。今回の尊氏は「言葉は通じているはずなのに、意思の疎通が不可能な化け物」の表現としてあまりにも完璧でした。今までにも尊氏の不気味なシーンは数多くありましたが、今回で描かれた悍ましさはこれまでのものとは違った趣があったと思います。

それに対して感情をむき出しにして斬りかかり、やはり敵わないと見て逃げ出すのはあまりにも主人公らしくない姿でしたが、そもそも時行の年齢や境遇を考えたらもっともな話だし、ラスト1Pを見るとそれすら「鬼ごっこ」の戦略であったようにも見える。この辺りの真意は次話で語られると思うので次号が楽しみです。

顕家がこのまま終わるとは思えないので、時行を見送って美しい最期を迎えてほしい気持ちがあります。神力のこもった矢を尊氏に刺しているため、その効果も気になるところ。

あかね噺

第121席 師匠のおかげ

師匠とあかねの絆から生まれた落語の形がどういうものか、というのがしっかりわかる良回でした。しかし、1コマだけ描かれた復讐と使命感だけで落語をやっていたあかねのIF、見た過ぎる。この1コマだけで今のあかねの在り方がどれだけ貴重なものかというのがわかるのがよかったです。その上、今の話がしっかり面白いおかげで「このIF気になる」と思わせながらも「IFの方がよかった」とは思わせないところが見事。

芸がすごいだけではなく、師としての弟子に対するアプローチが素晴らしいという描かれ方によって志ぐまの株がぐんぐん上がりました。志ぐまもあかね自身もそんな甘い考え方はしていないと思いますが、客観的に見たときに2人は「師匠と末弟子の女の子」という存在であり、その在り方にぴったりはまる落語を持ってきているのも好印象。これは読者視点だけでなく、作中の観客にもそういう伝わり方をしているんだろうなと思わせる描かれ方でした。

宣言通り「志ぐま一門らしい高座」を見せるあかねの生き生きとした表情が愛おしい。この回自体がなんの心配もなく楽しめる回になっている、というメタ構造も上手い。

僕のヒーローアカデミア

No.430 僕のヒーロー

本当にお疲れ様でした!!!ヒロアカ最高!!!

……だけではあれなのでもうちょっと書くと、ヒーローというこのマンガのテーマは先週で閉めていた、という印象。しかし、「ヒロアカ」は「ヒーローの在り方」物語ではなく「デクの物語」なので、この最終話があったんだなと感じさせられました。

ヒーローの在り方、ヒーローのいる世界で生きる「緑谷出久の物語」として〆てくれた、それが最高だったと思います。そうでなければ先週、もしくはこの430話の「完」のページで終わってもよかった。でも、そうしなかったこと、ちょっとくらいご都合主義かもしれなくても、デクがヒーローを続けることができる未来で終わる、というのが完璧。最後に手を差し伸べるのが爆豪、見送るのが死柄木、というのも本当によかったです(あとラストのページで轟くんがちゃんとデクに視線を向けているのが「らしいな」と感じました)。

本当に本当にお疲れ様でした。このマンガを読めて本当によかったです。

アオのハコ

#160 願い事

思ったよりも水着時間が短かったので笑ってしまった。でもその短さによって大喜に「かわいい」って言ってもらうために来たってことがはっきりわかるので千夏先輩の愛おしさがマシマシでした。大喜、ちゃんと気付いたか!?

誕生日プレゼントにアンクレットをプレゼントした後の元気な「ありがとうっ!」があまりにも健全。全力で2人を応援したくなってしまう。こういう気持ちのいい恋愛って関係が進めば進むほど描くのが難しそうなのに、着実にステップアップしているのがすごい。

そして、ついにキスを!?からの「今は頬が限界」という結末。なかなかやきもきするけどそこがいいですね。え、これ恋愛の教科書にしませんか!?

呪術廻戦

第265話 あの日

ついにサブタイトルが変わった……(五条死亡からの空港回でも一時的に変わっています)。

虎杖の領域展開と共に発生した謎空間は岩手県北上市であることが発覚しました。そんなことあるんだ。ここまで詳しく描かれると地元はいっそこれを観光資源として売り出した方がいい迄ある(実際にTwitterでツイートしていたのは見ました)。

虎杖が宿儺に語るとりとめのない会話、そこからの「人の生と死」へ至る思い。ずっと「よい死に方」を探していた虎杖が出した「死に意味はない」という結論は、反対から見れば「意味のない生はない」という結論でもあることに気付いて切ない気持ちになりました。また、「人の持つ価値」が「何を成したか」、「その善悪」とは無関係である、という考え方はもはや悟りの領域。また、余談ですがここで「誰かとつながり、何かを残すことに意味がある(主に家族や子を成すという文脈)」ではなく「誰とも繋がらなくて何も残らなかったとしても」となるところが現代的だと感じました。

ここまでの会話で「もしかしたら上手くやれるのではないか?」と感じさせるようなやりとりがあり、その上で「なんの感情もない」と切り捨てたことで虎杖と宿儺の断絶が確固たるものになる流れも秀逸。人間と化け物の対話ではなく、人間と人間の対話であるからこそ、虎杖が宿儺を生かす道を示したことに繋がっています(虎杖が言う「価値」は宿儺がどういう存在であれ持っている「価値」であることから)。ここで「人間の価値に善悪や成したことは関係ないけど、宿儺はちょっとやりすぎたから駄目だな」と例外を作らない筋の通り方がガンギマリでいい。同時に痛ましくもある。前々から語っていますが、高校生に背負わせていい重さの選択じゃないんだこれ……。虎杖がここに至ったことがうれしいのと同じだけ悲しい。

もちろん、それに甘んじる宿儺ではなく、むしろブチギレ。プライドの高い人間が同情や憐れみをめちゃくちゃ嫌がるの、わかります(宿儺に同調するな)。となればここからが本当の殺し合いか……、となりそうなものですが、正直この虎杖の領域展開が決まっている以上、既に決着がついているような気がしなくもないので……、え?これ呪術廻戦、マジで終わる!?

ちなみに、「宿儺の『なんの感情も湧かない』」と言うのがどういう状態なんだろうみたいなことを色々考えているときに至った結論としては、「よく知らない物語の中の生命がどうなってもあんまり感情が動かない」=「生物としてのレイヤーが違うため興味がない」みたいな感覚なのかな~と思いました。

カグラバチ

第44話 閉幕

カラーになるとチヒロ(黒)、柴(金)、ハクリ(銀または白)で結構バランスいいですね。

サブタイトル通り、楽市座編が終了。今回の楽市座はつつがなく終了、みたいな話ではなく楽市座そのものが完全に終わってしまった。それを体現するかのように建物までぺちゃんこに。悪人に容赦ないことで有名なカグラバチとはいえ、ここまでやるんだ。

ハクリがこのままレギュラー入りしてくれそうなのは素直にうれしいですが、漣家自体が今後どうなっていくのかは気になるところです。

チヒロは緋雪との交渉で神奈備と協力体制に入ることを決意(協力体制というか、神奈備に入るのかもしれない)。これは予想していませんでしたが、個人的にはかなりうれしい展開です。「向いている方向は同じだが、組織が違うため上手く連携できない」という状況は物語あるあるなんですが効率厨視点だともどかしいこともあるので、妖刀管理という点でそれぞれの利点を生かす形で情報共有・戦力の割り振りができそう、というのはかなりいい感じ。

なんだかんだ神奈備には薊もいるのでどうにかなりそうな気がします(チヒロのことを隠していたことでお咎めがないとは言い切れないのがかわいそうなところ)。実際、柴と薊の実力は気になっていたところなので、この流れで見られるようなら楽しみです。

それにしても「閉幕!(ドン!)」がかっこいい。

ひまてん!

No.5 しごでき

先週の時点で「まだほのかにはバレないだろ~」とか言っていたのに、普通にバレたので笑ってしまいました。店員がほのかじゃなかったにしても警戒心が薄すぎてかわいい。

とはいえ、家事代行のことはバレていないため、セーフ(ただ、それだとなおさら「なぜ一緒に?」という疑惑が高まるので一概に良いとも言いづらい)。

自分勝手なところが強調されがちなひまりですが、ほのかと仲良くなりたがっていたり、彼氏としてすっぱ抜かれでもしたら「一般人の殿一に迷惑がかかる」と考えていたりする辺りでしっかり好感度を上げてきている。この辺は好みもあると思うんですが、私は好きです。

逆に、ほのかが思った以上に殿一に好意を持っていそうなところがちょっと不穏ですが(取り合いになったりするのが苦手なので)、この辺りがどうなっていくのかが見どころなのかも。個人的には女の子は女の子同士仲よくあって欲しいので、最悪リップ(アンデッドアンラック)式でどうにかなってくれないかな。無理か。

ウィッチウォッチ

166 1年2組新聞係

スルッと学園生活が始まったと思っていましたが、冷静に考えるとこの2人ってかなりがっつり戦ってましたね。ちゃんと(?)不仲だった。

間に挟まれたミハルが不憫ではありますが、争いの内容が学級新聞なのでなんか強制的にほのぼのさせられてしまう。新聞係を通して馴染んだのは素直にかわいいですね。実際、それぞれの陣営で戦っただけで直接因縁があるわけではないため(しかもフランちゃんは魔女でも使い魔でもない)、これくらいの距離感で落ち着くのにも納得感があります。個々の相性自体がそこまで良くなさそうなところも含めてかわいい。

惜しむらくはウィッチウォッチとしてはおもしろかったんですが、そのキモになっているミハルがコマの順番を並べ替えて作った4コマにあまり面白さを感じなかったところ。結局笑いどころがどうなっているのかわからなくて……、元のマンガよりは面白いからいいか!!!というところで妥協してしまった。

こちら葛飾区亀有公園前派出所

2024年日暮登場!?の巻

私はこち亀が好きなので、なんだかんだ年1くらいで作品を読めて幸せなんですが、冷静になって考えてみるとそれはそれですごいな……という気持ちになります。普通にすごいな。

今回はサブタイトル通り日暮ネタの回、と思わせておきながら東京オリンピックがズレたため起きなかったというのを1.5Pで終わらせてしまう暴挙もすごい。来年起きてくるんでしょうか(来年載っている前提で感想を書けるのもすごい)。ついでにこち亀記念館の話も挟んでくるので2次元と3次元の壁があやふやになってくる。

本編は部長と両津の人情話でした。年1で、となると人情話に寄りがちになってしまうのがちょっと寂しいんですが、人情話も好きなのでしっかり楽しめました。両津と部長、連載版と結構キャラ違う……?とならなくもないんですが、そもそもこち亀自体が長期連載+基本1話完結ものなのでその辺のブレは全然許容範囲。この辺りで上手くキャラクター性を保ちながら令和の価値観に合わせてくるところは流石ですね。

正直両津が部長の旅行をめちゃくちゃにして終わると思っていたので(平成だったらそうだったと思う)、ちゃんといい話で終わって「汚いのは私の心か……」という気持ちになりました。

悪祓士のキヨシくん

第7話 最高位悪祓士

前に役職名は出てきていた気がする「最高位悪祓士(パラディンクロス)」。青の祓魔師にもこういうのあったな……、と思って読んでいたのでなれるのは1だと思っていたんですが、5人なれるらしい。

最高位悪祓士の権限がかなり強いのはマンガあるある。ポイントとしては「魔王を単騎で祓うことができる」というところっぽいですね。でもキヨシくんも単騎で祓ってなかった?と思ったら魔王にも下位魔王と上位魔王がいるらしいこともわかりました。この辺の設定はそのうちサラッとでいいので教えてもらいたい。

しかし、こういう裁量を持つ地位を与える場合は性格も加味した方がいいと思いますね。悪魔を庇ってしまったとはいえ、一般人に対して感じ悪すぎなので「大丈夫か?」という気持ちになります。キヨシが無駄に反抗しないため、余計に「こいつ嫌なヤツだな」感がある。

そのうちシリアスバトルがメインになりそうだな~、と言っていましたが、今回既にシリアスで1話分走り抜けていましたね。思ったよりも早かった。

アンデッドアンラック

No.217 Touch On Now

最近、サブタイトルが英語なので打つときにスペルミスをしていないかドキドキします。

タチアナの否定能力発現時の対策について、先にリメンバーを使えばいいのでは?や無理に姿を見せて話をする必要はないのでは?というのは「そう」なんですが、そうして自分の人生を犠牲にして被害を抑える、というのは風子の目指すところではないんだなというのが感じられた回でした。ただ「生命活動が続いている」ことが「生」ではない、というのはアンディの影響もありそう。

意外だったのは、リメンバーを使う前のタチアナとそのあとのタチアナは「違う存在」になってしまうということを風子が自覚していたところ。「別人」とまで言っていいのかはわからないんですが(個人の考え方によるかも)、少なくとも「同じ」ではないだろうというのは納得。タチアナに限らず記憶を取り戻すメンバーに共通した問題だったので、ここで風子の認識がわかったのは良かったです。

マンガ的な表現として、「スフィアを透明にする→中のタチアナが透けて見える→タチアナの上に服をホログラムで投影」というところがややわかりにくかったのですっと入ってこなかったのはちょっと残念だったかもしれません。アニメや映像ならわかりやすいと思うんですが、マンガで描くにはちょっと難しい表現だったのかも。しかし、この仕組みで堂々とポーズを取るのってなかなか胆力が要るよな……。

アンラックとアンタッチャブルを両方「人に触れられない能力」として解釈して、仲間意識(?)があった、と気持ちを吐露するシーンは素直によかったです。

チカラの目が充血してるの「ガンギマリすぎだろ!」と思ってたけど不動の能力を使ってたからかって気付いて「本当にお疲れ様……」という気持ちになりました。お疲れ様!!!

夜桜さんちの大作戦

作戦237.旦の計画

思った以上に太陽が命がけでしたね。パワーアップに関しても「葉脈」など桜関連の用語を使っているのがなんだかおしゃれ……とか言っている場合ではないくらいには切羽詰まっていました。そういう状況でラスボスとタイマンしているのにいい意味で「死ぬ気がなさそう」なのは妻と子がいるという安心感があるからかもしれません。「命を懸けるけど死ぬつもりではない」案配がジャンプ主人公らしくていい。

旦の子どもから旦の心臓(?)を切り離すミッション、辛三の時点で思ったよりも上手くいったなという印象がありましたが、二刃がさらにその上を行ったのは流石でした。「そうはならんだろ!!!」と思わせる掌底も「二刃ならやってくれると思ってた!!!」という気持ちで上書きされるのは、ここまで積み上げてきた長女への信頼が成せる技ですね。細かいところではありますが、二刃は「悪いところ」を飛ばしているので、二そのものは「悪」ではないんだなというのがわかったのも追い風かもしれません。

とはいえ、ちょっとあっけなさすぎて逆に不穏な気もします。

鵺の陰陽師

第61話 鵺の祭祀刀

代葉が助かっていたのはよかったものの、戦える状態に見えないのは不安です。この章としては戦線離脱判定なのかな……。また、岡さんを鵺さんの部屋に入れちゃってよかったのか?と思っていたんですが、四衲の言動からして「後で記憶処理をするからOK」みたいな感じっぽいですね。そういえばこの作品、結構気軽に記憶操作してくるんだった。

今回は鵺さんのバトル回。鵺さんが直接戦うということでスケールが大きく、派手なのがよかったですね。レベル4に対して圧倒的な力を見せてくれたのもうれしい。

ただ、こうなってくるとやっぱり「鵺さん(とその友人?)はどうして人間側なのか」というのが気になるところ。この辺りで封印した白沢、または鵺さんの過去を知っていそうな儡脊あたりから聞けると助かる。というかさらっと昔の男風に出てきた儡脊、なに?

相変わらず漢字が難しいので感想文泣かせです。

超巡!超条先輩

第25話 「抑制!巡査長」

超能力ものあるある、超能力者が超能力を封じられる展開。どっちの性格が素かと言えば超能力がある方が素なんだと思いますが、それ故に「人からどう見られているか」を普段から気にしていたんだということがわかってしまい、いじらしいというかお労しいというか……。

斉木楠雄のΨ難でも似た回がありましたが、元々そこまで超能力を持っていることを快く思っていなかったとしても、いきなり封じられるとかなりキツい様子。確かに「今から相手の顔色がわからなくなります」みたいな状況になったら私も平静ではいられないと思うので、そう思うと大変だろうなという気持ちに。それでもちゃんと相棒としてこうどうしてくれる一本木、本当にいいパートナーだと思います(仕事だからというのはある)。

その上で、「何か悲しいことでもあった?」のシーンと「俺にはわかるんだ」のシーンがあまりにも良すぎ。1話でサラッと言っていた通り、Wikipediaで感情移入ができるレベルだとするとかなり共感力があるタイプっぽいし、心から人を助けたいと思っているから警察になることを選んだんだなというのがじんわり伝わってくるのがよかったです。人情。

オチで超能力使い放題のバケモンになることを期待していたら別ベクトルのバケモンになっていたのは笑いました。

願いのアストロ

第16話 蟻

このマンガ、個々のエピソードパートに入ると途端にめちゃくちゃ輝きますね。コウとクランのときもそんな感じだったのを思い出します。逆にそういうのがあんまりなかった館編はわりとサラッとしていた印象。この辺の演出力は流石ベテランですね。

激しい戦いの中で揺れる蟻道の揺れる想い、その中に差し込まれていた「あの時ヒバルと出会えていたら」というIFシーンははっとさせられるものがあってよかったです。戦いと回想の入り混じったテンポのいい構成は純粋にセンスの良さを感じさせてくれました。

っていうか、シオウ派閥って普通に暗部を持ってて人殺しもしてんのかよ!!!というのも結構ビビりました。1話の「今はカタギに受け入れられるようにやっている」とはなんだったんだ。親父のそういう方針を無視してそういうことをやっていたみたいな話になるとは思うんですが、それにしてもグッと「死」の影が近くなったみたいで緊張感が高まりました。

「王」というキーワードを軸にヒバルをどういう方向のキャラクターにしていきたいのかが見えてきた感じもあり、おもしろくなってきたな~と思っています。この後の蟻道の身の振り方というか、処遇がどうなるかというのが物語の方向性も決めて行くと思うので、その辺りがかなり楽しみですね。

キルアオ

page64 桜の庭

敵が学校に攻めてくるんだろうな~というのは薄々感じていたんですが、まさか今までのメンバーが総出でくるとは思ってなかったので普通にびっくりしました。私よりも刺客だった2人がもっとびっくりしていたと思う。こうなってくるとあの殺し屋兄弟がどういうポジションになってくるのかが気になりますね。と、同時にシンってどういう事情でまだ学校に残ってるんだっけ!?という気持ちになりました。ホントにどうしてだったっけ……。

校長室に入ったら敵陣営大集合!という緊張感のある引きがいい感じでした。

さいくるびより

13話 宝石ドロボー

サイクを使った犯罪、ということで1話のことねの行動を思い出す流れ。実際にそのことに普通に触れてくるねむるの感覚もすごい。実際に万引きをやらかした相手を冗談とはいえ真正面から疑うような発言……、なかなかできるもんじゃない。それだけ共同生活で信頼が築かれたという話なのかもしれませんが、普通にハラハラしました。

透明のサイク使いによる窃盗事件を解決しよう!という流れは「超能力ものによくある感じ」なんですが(この辺は超巡と被らないように気を使ってたりするのかも)、そもそもこのレベルの事件って普通は3話辺りで起きるんじゃない!?という気持ちもあります。今までがあまりにも日常ものだった反動で、普通の流れを妙に感じてしまうという変な現象が起きてしまった。そんなことあるんだ。

次週に話が続いているのもめずらしい。そんなことあるんだ(2回目)。

極東ネクロマンス

第15話 ダサい

耀司だけで決着をつけるのではなく、薫も参加して決着!!!という流れになりそうなのが少年マンガっぽくていいですね。

耀司と一緒にやって来た2人の死霊術が見られたのもうれしい。死霊術で回復タイプってどういう原理なんだろうと思わなくもないですが、そういう理屈よりも「色んなタイプがいた方がおもしろい!」派なのでそこはあまり突っ込んでもなという気がします。どっちかというと船が沈没確定になった方に突っ込みたくはある。

薫の死霊術は折角の死霊術なのに「自分の体を死霊に使わせる」というのがちょっと勿体ない気がしたんですが、元々の身体能力と河原でやっていた特訓のことを考えるとこれがベストっぽいので「なるほど」という気持ちもあります。もしかしたらシシの能力をわかった上であの訓練をしてたのかもしれないと思うとちゃんと文脈がある。

しかし、どうみてもラストバトルの様相を醸し出してきたけど、この後どうなるんだろうという気持ちがすごい。船は沈むと思います(それはそう)。

妖怪バスター村上

第8話 いざ妖怪学園

妖怪を返り討ちにしていくストーリーだと思っていたのに、8話にしてこっちから妖怪学校に潜入する話になってしまいました。でもまあ、退魔士としての仕事を考えると確かにそれくらいはやっててもおかしくないし、妖怪もたくさん出せるしメタ的にもいいのかも。

なんだかんだ主人公側から攻めていくというのはおもしろいし、学園潜入ものというのも定番と言えば定番なので普通にわくわくしました。

今までは相手に対する「マジレス」でやってきた村上くんが、友人のために「攻撃」を意識して口を開くところは普通にアツかったです。しかし、自分のセリフが「攻撃」である自覚ってどういう状況なんだよという気がしなくもない。どういう状況なんでしょうか。

作者コメント

今回は僕のヒーローアカデミア完結に寄せたコメント一色でした。それだけ偉大な作品だったんだなというのを感じられてよかったです。感極まってしまった。

少年ジャンプ2024年38号 予告

合併号明けの表紙・巻頭カラーはウィッチウォッチ。カラー自体が少ないので結構久しぶりな気がします。また、幼稚園WARSの出張掲載があったり、JSFがあったりと結構盛沢山な雰囲気なのでうれしい。今のうちに幼稚園WARS読んでおこうかなと思ったんですが結構話数が多いので無理かもしれない……。

2024年8月19日 発売
表紙:ウィッチウォッチ
巻頭カラー:ウィッチウォッチ
センターカラー:あかね噺
センターカラー:アオのハコ
センターカラー:幼稚園WARS

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